お仕事日記 3話
最近、いたずら通報が増えてるエリアのパトロールをすることになった。…ウキウキしつつ、しかも歌いながら待つのは、警察官としてダメだと思うな。いぶきは捕まえる気マンマンだし、足には自信があるみたい。しまは、いぶきのノリについていくのがちょっと面倒くさそう。
…無線が入ってきた。ホントに通報が来たらしい。とりあえず、いたずらかどうか確認しないと。…いぶき、テンション上げない。
通報があった公衆電話の近くに到着した。…ん?小さいし遠いけど、人の声がする。誰かいるのかな?いたずらかどうか判断するためとはいえ、夜にいきなり叫ぶって、うるさいよね。でも、人が出てきたから、作戦は成功したみたいだ。
二人の声を合図に、犯人との競争が始まった。いぶきが走って追いかけてる間、ぼくはしまと犯人の様子を探ることに。若い男性が四人か…、一人じゃなかったんだね。自販機で飲み物を買うなんて、余裕とか、捕まらない自信があるような感じがする。これは、捕まえるのが大変そうだ。
…案の定、いぶきの足でも追い付けなかったらしい。あれだけ自信あったんだから、そりゃヘコむよね。…しま、あんまりいじめないであげて。それに、笑い過ぎ。とにかく、あの四人が交代で走って警察から逃げていたことは間違いない。今回は逃げられたけど、次はそうはいかないよ!
この事件について、ぼくたちも正式な捜査に協力することになった。あの四人と通報してきた子のことは気になるし、捜査を続けられるのは良いことだね。二人は他の高校の人たちに話を聞きに行ったけど、収穫あったかな?
夜になって、二人がぼくに乗ってきた。いぶきは、通報してきた声の可愛い女の子のことが気になるらしい。ぼくは聞いてないから、何とも言えないな。
二人は、好きな女性のタイプが違うみたい。きゅる、って前も言ってたけど、ホントに何だろう?昼に何かあったんだろうな。…誤解を招く発言は控えたほうがいいよ。いぶきが言うには、しまは、たいちょうのことが好きらしい。いぶきの「好き」とは違うみたいだ。…狼狽えたり、食い気味に否定する辺りを見ると、これは多分本当じゃないかな。
…無線が入ってきた。前とは違う場所から、またいたずら通報が来たらしい。容疑者を確保するように、正式な指示が下った。よし、今度は逃がさないよ!
前と同じようにいぶきを降ろして、しまと一緒に先回りした。あっ、一人いた!しまも、積んでた自転車に乗って犯人を追いかけていった。ぼくも追いかけたいけど、動けないからここで待つことに。二人とも、頑張れ!
しまが、一人で戻ってきた。サイレンを鳴らしながら、誰かを探してるみたい。いぶきはどうしたんだろう?彼のことだから、先走ったのかな。二人が探してる誰かは、一体どこに?…あっ、いぶきだ!いたずら通報をしていた高校生たちは、無事に確保出来たみたい。今二人が探してる人は、この倉庫の中にいるはず。急ごう!
…二人が戻ってきた。びしょ濡れで足がふらついてるけど、建物の中で何があったんだろう?とにかく、無事で良かった!