幻想的な青の光が美しい喫茶ソワレ
京都三大レトロ喫茶の3つ目としてご紹介するのは、『喫茶ソワレ』。
1948年(昭和23年)に創業してから、70年以上も続く歴史ある喫茶店です。
店名のソワレは、フランス語で夜会・素敵な夜を意味する言葉。
夜会というだけあって、オーナーさんと親交がある多くの芸術家が集う場所だったようです。
前回訪れたフランソア喫茶室の近くにあると知り、帰りに立ち寄ることにしました。
四条通を渡り、高瀬川沿いに少し歩くとすぐに看板が見えます。
青い文字で『喫茶ソワレ』と書かれた看板。
字体もオシャレで、レトロな雰囲気を漂わせています。
入り口の前には、すでに行列ができていました。
人気店なので待つのは仕方ないですね。
列の最後尾に並びます。
しばらくすると店員さんが現れ、メニューを渡されました。
ソワレの名物は、ゼリーポンチです。
ゼリーヨーグルトやゼリーコーヒーも美味しそう。
しばらくメニューを眺めていると順番が来たようで、店内へと案内されました。
店内は薄暗く、青い照明で照らされています。
まさに素敵な夜会。
幻想的な雰囲気に思わず息をのみました。
「青い光は、女性が美しく見え男性は若々しく見えるから、店の明かりに使ったらどうか」とアドバイスを受け、青い光を照明に使っているのだそうです。
ひとつひとつの装飾が美しく、まるで美術館に来たかのように感じました。
席に着き注文したのは、名物のゼリーポンチ。
五色のゼリーが青い光で照らされ、きらきらと輝いています。
店内の雰囲気にぴったりで思わず見とれてしまいました。
ゼリーはすっきりとした甘味でひんやり美味しい。
ゼリーポンチに満たされたサイダーは、しゅわしゅわと口の中で優しく弾けます。
ゼリーポンチをいただいた後、水を一口飲み気付きました。
水が入った状態なので分かりにくいですが、グラスには女性が描かれています。
絵の作者は、東郷青児(とうごうせいじ)さん。
昭和に活躍した美人画家です。
店内に置かれているメニューの裏表紙にも東郷青児さんの絵が描かれていました。
青い光に照らされ、美人画がより冴えます。
ソワレの上品でオシャレな雰囲気にぴったりですね。
美人画だけでなく、店内にはいたるところに芸術作品があります。
木彫りの装飾は、池野禎春(いけのさだはる)さんの作品。
創業者のご友人だそうです。
芸術作品に囲まれて過ごす時間は格別で、時間がゆっくりと流れます。
店を出てふと振り返ると店先に何かあることに気付きました。
入り口左横の壁面に何か飾られています。
当時、常連だった歌人 吉井勇さん直筆の歌碑です。
喫茶ソワレのコーヒーを飲み、歌に残したのだそうです。
そういえばゼリーポンチだけで、コーヒーは頼んでなかった。
次に来るときは、吉井勇さんが味わったコーヒーもいただいてみたいと思います。
■店名
喫茶ソワレ
■所在地
京都府京都市下京区 西木屋町通四条上る真町95
■営業時間
13:00~19:30
■定休日
月曜日
■公式サイト
http://www.soiree-kyoto.com/