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上位手番を有利にするものは何か

お久しぶりです。この記事を書こうと思ったきっかけはドミニオンGP決勝におけるドラフトでした。今まで私はこの形式の試合をしたことがありませんでした。私にとってサプライは常に与えられたものだったのです。ところが今回自分にサプライを決める権利が与えられることとなり、非常に迷ってしましました。そこで今回はサプライの様々な要素が各プレイヤー(各手番)に対しどのように有利・不利に働くのかを考えていきます。ここでは1,2番手を上位手番、3,4番手を下位手番と呼ぶことにします。

上位手番を有利にするもの ①枚数(個数)の限られたものの存在

売り切れが想定されるカードが存在する場合、それは上位手番に有利に働きます。真っ先に考えられるのは属州でしょう。属州のように4n枚(以下nは整数)のカードは順当にいけば各プレイヤーが同じ枚数ずつを確保できそうですが、現実にはうまく獲得できないプレイヤーが1人くらいは出てきます。(この考え方は4人戦では非常に重要だと思います)その余った1枚を獲得しやすい上位手番が有利となります。ランドマーク上の勝利点についても同様のことが言えます。通常のアクションカードや呪い、廃墟のように4n+2枚のカードも(売り切れが想定されるのならば)当然上位手番有利となります。

上位手番を有利にするもの ②呪い(廃墟)撒き

①でも触れた呪い、廃墟ですが本当の恐ろしさはそれを撒く行為そのものにあります。例えば1番手と2番手が魔女ーパスで入り、双方3ターン目に魔女を引いたとします。デッキは合計11枚ですので魔女を打つと11-5-2=4枚となりシャッフルが入ります。このとき1番手は呪いの入っていないデッキを作ることができますが、2番手のデッキには呪いが入ります。こうした積み重ねが最終的に大きな差を生むこととなります。①と合わせて呪いや廃墟には2重の意味で上位手番を有利にすると考えられます。

上位手番を有利にするもの ③ハンデス

ハンデスとは民兵に代表される、相手の手札を減らすアタックのことです。ドミニオンは拡大再生産のゲームですので早期にハンデスを受けて出力を減らされることは致命傷となります。1番手は少なくとも3ターン目に妨害を受けることはなく(注:最近はどうかな?)、強力なカードを購入する機会が与えられます。下位手番は延々と4金以下しか出ない…なんてこともあります。また②で触れたシャッフルタイミングの点でも上位手番有利といえます。例えば手札に鍛冶屋、デッキ0枚の状態があったとします。このターンに民兵を受けると、いらないカード2枚を捨てることになります。次のターン鍛冶屋を打ち新しく山札が作成されますが、いらないカードが2枚入ってしまいます。もし1ターン鍛冶屋を打つのが早ければ山札を作成した後に捨てることとなるのでいらない2枚が手札に来る回数が1回減ります。

下位手番を有利にするもの ①デメリット効果を持つカード

下位手番を有利にする要素も少数ながらあります。一つ目はデメリット効果を持つカードです。下位手番のほうが先のその効果を享受できるからです。例えば大使館が配る銀貨、バーゲン(移動動物園のイベント)が配る馬がシャッフルに間に合う点は大きいです。(呪い等の場合と理屈は同じです)失われし都市獲得時等のドローもどちらかといえば下位手番に有利に働くでしょう。(失われし都市自体が強力カードで奪い合いになるので上位手番有利では?というのはさておき)

下位手番を有利にするもの ②後入れ(後打ち)が強いカード

特筆すべきは旗手でしょう。上位手番の様子を見ながら購入をすることができます。アーティファクト全般に言えることで出納官の鍵、愚者の森の迷子でも同じです。(あれ?森の迷子は状態?だっけ)他に挙げられるのは密輸人やトレジャーハンター,最近ではヤギ飼い等があげられます。これらのカードが使いこなせれば下位手番も楽しいでしょう。

下位手番を有利にするもの ③少数派有利の作戦が存在する場合

これに関しては大使戦が(東ドミでは)有名です。大使は圧縮とアタックを両方行える強力なカードです。しかし、4人全員がこのカードを使うと、3人からアタックを受けるためデッキは屋敷と銅貨で膨張し、属州を買うことはできなくなります。3人が大使を購入したとき、これを見越して圧縮をあきらめ銀貨等を購入することで、将来的に公領をより多く購入するという戦術があります。他には魔女に行く人が多いから庭園で受けるなど、他人の手を見て作戦を決められるのは大きなメリットです。

さて、長々と語りましたが本題に戻ります。まずは決勝1回戦です。

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サプライ選出は3番手からです。(341234の順)1番手の民兵と4番手の大使館は上で説明した通り順当です。2番手の自分は闘技場。これも説明した通り。3番手のチョウの習性はよいですね。民兵を大使館に代えることができるので下位手番に非常に優しいカードです。その他3番手が堀、4番手が石工を選択しました。まあ全体的にみて順当な感じですかね。

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続いて2回戦。ここでは手番だけでなく私が勝ちそうになった場合にほか3人が自身の利益度外視で止めてくることも考慮に入れなければなりません。3番手聖域、4番手大君主。聖域は枯れることはないカード。大君主は初手格差是正感はあるがその必要性はあるのか。さて自分のターンだが難しい。幽霊船→上位手番有利カードではあるが累積しないアタック。1人だけ入らない作戦で有利を取られるかも?ワイルドハント→貴重なドローソースで枚数確保の観点から上位手番有利。しかし勝利点を積み上げる効果で敵同士に協力プレイをされる可能性がある。カササギ→これも枚数確保の観点で有利だが3人入ると微妙な気がする。道路網→先行逃げ切りに役立ちそうで有力。(しかし今回は投石機が直後に出現したので選ばなくてよかった。4番手のプレイヤーにハンデスを打たれると自分が不利になる)よって残るのは騎兵隊と追従者でどちらも上位手番有利でしょう。実戦で選んだのは騎兵隊。点数先行した際にゲームを終わらせるための選択でした。そもそも先行しないと協力3山で負けるし、先行しても捲りのデッキ組まれて残り2人が勝利点を減らしてくれないので勝つの難しいんですよね。そこでこの選択になったというわけです。

長々と書きましたが皆さんがドラフトをする際の参考にしていただければ幸いです。(そんな機会あんまりないよねという意見は無視)ここまで読んでいただきありがとうございました。

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