【写真解説】光と影の芸術
夏の清流で、石の上で縄張りを張るミヤマカワトンボを撮影しました。
場所・個体を選ぶ
川に着いたら、広範囲を歩き回りながらカワトンボを探します。
ミヤマカワトンボのオスたちには縄張りがあり、その範囲内で活動しています。
撮影しやすい場所で縄張りを張っている個体を探します。
光を選ぶ
順光、逆光、反逆光などいろいろ試しながら、光を透かした翅の色が綺麗に写り、かつトンボの胴体が黒潰れしない光条件を探します。
露出補正
露出補正で被写体の明るさを調整しながら、何枚か撮ってみます。
胴体の金属光沢が白飛びしないように調整します。
アングルと構図を決める
ズームは望遠端の150mmで、背景を大きくボカして撮りました。
玉ボケを入れたいので、川の水面が写るアングルを選びます。
背景が抜けているアングルを選びます。
トンボがかっこよくフレーミングできるように大体の構図を決めます。
被写界深度と解像度、ボケ感のバランス
トンボの翅脈や複眼が十分に解像する距離まで近づきます。
頭部・翅・腹部が被写界深度に収まるようにレンズの角度を調整したり、下がったりして微調整します。
解像する距離まで寄ろうとすると被写界深度が足りないと感じるときは、少し絞り値を大きくしますが、この時は玉ボケの形を重視したかったので絞り開放で撮っています。
最後に、石に映ったトンボの影に気付いて、翅の影が入るように少し引いてフレーミングに余裕を持たせました。
翅を開く瞬間を撮る
連射とプロキャプチャーモードを使って、トンボが翅を開く瞬間を撮ります。
プロキャプチャーモードがなくても秒間10コマ以上連射できるカメラなら慣れればそれなりに撮れますが、プロキャプチャーモードと高速連射があった方がいい瞬間を切り取りやすいです。
セレクト
ある程度連射したらその場で簡単にセレクトします。
翅の開き具合や背景の玉ボケが綺麗に撮れているカットがあるか確認します。
いいカットを見つけたら、ピントとブレのチェックをしてちゃんと撮れているか確認します。
現像後にトリミングして構図を作る
今回の一枚は横構図で撮ったものを縦でトリミングしています。
撮るときにもっと寄って縦で撮ることもできますが、その場合被写界深度が足りなくなり大きく絞らなくてはならないため、丸い玉ボケの形を保てなくなってしまいます。
トリミング前提で撮る場合は、被写体が画面の真ん中に来るように撮ることが多いです。
レンズの中央部が最も解像するためです。
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