キャッツ観劇記@静岡市民文化会館①
前回静岡市民文化会館にキャッツを見に行ってしこたま写真を撮った記事を上げた。↓
今回はその続き、観劇記である。
こちらが今回のキャストボード。
暑い暑いと聞いていた静岡市民文化会館だが確かに暑い。しかしスポットクーラーが置かれていたり、色々対策は練られていたようで想像ほどではなかった。
しかし演者さんは動くし照明の熱も加わって大変だろうことは想像に難くない。上手側2階の売店で水とクーリッシュが売られており、是非そのまま演者さんに差し入れしたいくらいだった。してこればよかった。いや食べんやろ、マチソワの間に。
静岡市民文化会館の客席は広めで1階席の傾斜は前方はなだらかで、通路を挟んで後方はある程度段差がついている。ゴミは会場の前半分に飾られていた。全体飾るのはそりゃあムリよ、という広さだ。
私は今回9列目下手に座ったが演者さんの表情も見えたし、いい席だった。しかし下手奥は額縁で見えないところがあったので全景が見たいならセンターブロックの方がいいだろう。
音響等は特に気になるところはなかったと思う。反響で聞こえづらいこともなければ低音も高音もどちらかがより響くということもなくバランスもおかしいことはなかったと思う。それが音響さんの腕だと言うなら本当に感謝しかない。クーリッシュを差し入れすれば良かった。
あとホールの構造故だと思うが足音が非常に響く。壁際のステップを上る音、舞台での群舞、ジャンプした後の足音などが非常に響く。私は演者さんの足音を聞きたい派なのでなんかこういうのもいいなぁと思う。11月にはこの会場で『JCS』が上演されるがこれはなかなか臨場感が出るのではないだろうか。
観劇の感想としては全体的に野生味と各々のキャラクターが明確でしっかり出ていたように思う。全体の声の高め、低め、というのは今回は特に感じることはなく、とにかくパワフルにまとまっている中でそれぞれの声が粒だって聞こえたのも良かったし、猫同士の関係性がこちらに届きやすかったので見応えがあって面白かった。
『キャッツ』は野良猫の群像劇なのであんまりまとまり良くされても何か違うし、かといってバラバラ過ぎても見にくいので、今回は個と群のバランスが良くてバチっとハマっていたように思う。
とりあえずオールドデュトロノミーの話がしたい。
皆からデュト様と呼ばれ愛されているオールドデュトロノミーについて、というか、高井さんのデュト様について語らせてほしい。
今回、実に24年ぶりに高井さんのデュト様を拝見した。そう、デビュー以来である。
あの頃の高井デュト様はニコリともせず、カテコでもポーカーフェイスで、とにかく歌の美しい厳格な長老デュト様だった。
24年前の名古屋キャッツは幕間にデュト様が舞台に残ってお客さんのサインに応えてくれるという今にして思えば嘘みたいなファンサがあったのだが、その時もポーカーフェイスでサラサラっとサインをして、ポーカーフェイスのままきゅっ、と握手をして終わりという淡白なデュト様だった。休憩中に客のサインを捌かなきゃいけないので必死だったのもあると思うが、その淡々とした姿勢と、厳格なお芝居に「高井さんは真面目な方なのだろう」と思いながらデュト様を見ていた。
しかしその後、あらゆる役を演じ分けていらっしゃるうちに「カテコの高井カヤパ様可愛い」だとか「タカントム可愛い」だとか、とにかく高井さんの可愛らしさを愛でる声がそこかしこから聞こえ出した。『オペラ座の怪人』のファントムの衣装で確定申告をして「クリスティーヌが使うなら私も使おうと思う」なんて言ってるノリのいい姿が会報に上がり、あげく今回の静岡キャッツの稽古場写真では乙女のように驚くデュト様の写真が載っていた。もうこれは「どんなデュト様になっているのだろう」と胸を躍らせるしかない。
結果、厳格さはそのままにカテコで可愛い表情でシラバブと出てくるデュト様が見られたので大満足である。
『幸せの姿』はジェリクルたちに、『猫のご挨拶』は観客に語りかけてくれているようで良かった。あの頃よりも人当たりが丸くなったデュト様という感じがする。マキャヴィティに連れ去られるシーンは顔がこわばっていて良かった。そりゃあんな謎のお面つけた猫に連れ去られたらびっくりしちゃうよねぇ。
四半世紀程の時を超えて可愛い高井デュト様が見られて本当に良かった。今でもデュト様をしてくださってありがとうございます、これからもよろしくお願いします、という気分だ。ファンレターがわりにやはりクーリッシュを差し入れしてくれば良かった。どうしてもクーリッシュ差し入れしたいマンやな自分。
デュト様とクーリッシュのことを書いたら思いの外長くなったのでとりあえずこの記事ははここまでにしたい。
続きはこちら↓