
Nikon D7000と共に旅する”はずだった”埼玉旅行で文化について考えた
先日、友人に会いに埼玉へ行きました。埼玉とひとことで言っても、その友人は東武沿線に住んでおり、今回目的地とした、埼玉古墳群(埼玉県行田市)についていえば、JRあるいは秩父鉄道の沿線です。県内の東西への移動は苦労するようです。
Nikon D7000と共に旅するはずだったが…
タイトルのとおり、当初は意気揚々とNikon D7000を持っていきました。しかし、埼玉旅行の前日、東京でうっかりカメラを落としてしまったのです。
バッテリーの蓋が外れてしまい、現在修理中。結局、旅行に持って行ったものの、埼玉に行く日には全く使えない状態になってしまいました。
Nikon D7000の“いない“旅
中古で購入できる機種はないかとも考えましたが、しっくりくるものがなかったので、仕方なく、iPhoneで撮影することにしました。相棒と一緒に旅するつもりだったのに、急にいなくなったようで寂しく思いながも、天候に恵まれたのは不幸中の幸いでした。
目的地は、埼玉県行田市にある、埼玉古墳群です。関東に行ってわざわざ古墳を見に行くのか、と思われるかもしれませんが、稲荷山古墳といえば、教科書にも載っているよく知られた古墳です。
せっかく友人が埼玉に住んでいるのですから、ぜひ一度訪れたいと思っていましたし、どんなところなのかも興味がありました。
稲荷山古墳から出土した「金錯銘鉄剣(きんさくめいてっけん)」は、当時の大和朝廷が日本列島の広範に勢力を拡大していたこと、鉄剣の製造に渡来人が関与していた可能性を示す史料です。同様の鉄刀が発見されたということで、江田船山古墳(熊本県和泉町)と共に教科書で紹介されています。
「ヲワケ(コ)」という人物の先祖が代々、武官の長として大王に仕えてきたこと。また、ヲワケ(コ)がワカタケル大王の補佐をした功績を記録するため、「辛亥の年」に剣を作らせたことが記されています。
JR行田駅からコミュニティバスに乗る
JR行田駅からコミュニティバスに乗って埼玉古墳群へ向かいます。行田駅には上野駅から約1時間強かかります。
さいたま市の中心地である大宮駅までけっこう時間がかかった印象ですが、そこからさらに電車に揺られますので、体感時間は1時間以上です。

行田駅前の「十勝」でランチ
コミュニティバスは1時間に1本のペースで運転されており、タイミングが悪ければ待ち時間を調整する必要があります。
ランチタイムだったので、駅前のラーメン屋の「十勝」で味噌バターラーメンをいただきました。あたたかい味噌ラーメンがしみいる季節です。待ち時間を調整できるのもありがたいですね。

コミュニティバスでさきたま古墳公園へ
コミュニティバス(観光拠点循環コース)に乗っておよそ30分ほどで、埼玉古墳群のあるさきたま古墳公園に到着しました。ちなみに、コミュニティバスはSuicaなどの交通系ICカードは使用できません!
改めて、関東平野ってこんなに平野が広がっているんだなと感激しました。西日本ではどこかしらに低い山があるので、この景色は独特だなと思います。それに、またとない快晴。

それから、ひとことで古墳とか前方後円墳とかいっても、大きさはさまざまで、稲荷山古墳のように、関東にある前方後円墳というのは、比較的コンパクトなのだということを知りました。
いわゆる仁徳天皇陵と呼ばれた大阪府堺市の大山古墳の半分以下の大きさなので、古墳全体の姿を見ることができます。大山古墳の場合は、一見すると森(!)という感じで、全体像がよくわかりません。


文化を守ることはアイデンティティを尊重すること
縁者である死者へ礼を尽くし、その御霊が安らかにならんことを祈る気持ちは同じでも、手段や方法は時代や地域によって異なります。文化を理解することは人間のアイデンティティを尊重することにつながります。
人間の価値観を表現する方法は多様であり、常にどちらが正しいということはありません。時代や地域によって、それを正しいと思うかどうかは異なります。
今は正しくても、それが未来永劫正しいとは限りません。過去より現代が優れているとか、小国より大国が優れているとか、そうした一方的で偏狭な考え方が、人間同士の衝突また紛争につながります。
ある文化を否定することは、ある人々が生きてきた過程を否定することだからです。文化が形作られるには、人間生活が営まれ、そこに環境が関わることが必要です。そこには必ず少なからず過程が存在するはずです。
その積み重ねをひとことで間違っている/正しくないと言われれば、気分は悪いに決まっています。怒りや憎しみが大きくなれば、あとはどうなるかは明らかです。
自分が絶対に正しいと思っていても、それが相手にどう伝わるか、相手を否定していることにならないか、ということは、常に考えておかなければなりません。
怒りや憎しみではなく、共感と連帯を生んだ方が、人生と言わずとも日々の暮らしが楽になるのではないでしょうか。なんだかスケールの大きな話になってしまいましたが、私たちの祖先たちが生きてきた証が、埼玉古墳群にたしかに存在しました。
下記の番組も、世界遺産などの文化の大切さを教えてくれました。配信されている間にぜひご覧ください。
余談:観光物産館さきたまテラスもあります/ふるさと納税もよろしくお願いします
せっかく観光に行くなら、物産館にも寄りたいです。そこはご安心ください。行田市名産の足袋やご当地名産の「稲荷山うどん」、それに行田市のお米を使った米粉製品など、よりどりみどりです。

もちろん、現地に足を運んでいただけると嬉しいですが、今は行けないという方は、行田市へのふるさと納税もご検討ください。