歌詞の解釈が変わっていく話
先ほど、なんとなくフジファブリックの「若者のすべて」が聴きたくなったのでYoutubeで見ていました。
歌の前のMCで、歌詞ってものは不思議なもので、作った当初とは解釈が変わっていく。というような話をされていました。それはまさに自分が感じていたことだったので、今回は私の曲の歌詞の解釈が変わった話をしようと思います。
曲はもちろん「アノプールデ」です。
この曲は「僕」が昔付き合っていた女性のことを思い出す。二人だけの閉鎖空間で僕は心地よく感じていたけれど、彼女はそうではなかった。そして去っていった。当時は彼女がいなくなった理由が分からなかったけれど時間が経過したことでその理由に気がつき納得する。という解釈で作っていました。
先日、この曲をリメイクしたのですが、その作業が終わる頃には少し違う解釈をするようになりました。
僕は彼女と二人で夢を追いかけていた。しかし彼女はもっと高い目標を見つめていた。僕は夢を追いかけているようなフリをしていたけれど夢をかなえるための努力をしていなかった、彼女はそんな僕に愛想を尽かして去ってしまった。気づいてみれば僕は基本的な事さえ出来ていない、ただ夢を見ていただけの人間だったんだ。
この曲の歌詞を書いていた時「でも僕は泳ぎ続けた、息継ぎもできないまま」という部分に違和感がありました。息継ぎができなきゃ泳げないだろ。って。まぁ、それだけ彼女が去って自暴自棄になって苦しかった。という意味になるか。と考えていました。
しかし、ある時、息継ぎができない=泳ぎの基本さえできていない。と考えた時にハッとしました。夢を語るばかりで練習しなかった、勉強しなかった、努力しなかった男の事を思い出したのです。そう、私のことです。
この曲は、私が思っていた以上に私のことを表現した歌でした。情けない男の歌を聴いてやってください。