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AIが作曲する時代のミュージシャンのアイデンティティ

AI生成した楽曲の配信

AIで生成した楽曲がとても良かったので、配信を開始しました。

今回使用したサービスはSunoです。

生成された音声データの歌い回しの部分で修正したい箇所があったのでバッキングとボーカルに分離させた上でボーカルに修正を加えています。

ボーカルの一部分は修正しています。

「話しかけて」が「はななしかけて」、「信号が」が「しんごごが」と歌っていたのでこれを修正、サビの「キミキミキミキミ」と4回続くところが3回しか歌ってなかったのでこれを修正。ボーカルの修正点はこれだけ。バックトラックは全く触っていません。
 これを再度ミックスして完成品としています。下記画像の通りマスタリングもほとんどそのままです。ここで使用しているプラグインもA最適な音になるようにAIが調整するものです。

EQ
Maximizer

リリックビデオも作成しました。ただ歌詞が表示されるだけでは面白くないと思ったので、文字が落下していくように作りたいと思いましたがどうすればいいのかわからなかったのでchatGPTと対話しながら作りました。「python を使って 多角形が落下するような2Dの物理演算を行いたい。どういうライブラリを使えば良いですか?」という質問から始まり、いろんな事を質問しながらプログラミングしていきました。そして完成したのがこちらの動画です。

AIが生成した曲は自分の曲なのか?

生成した曲の著作権は今回使用したsunoでは私のものになっているようです。商用利用もOK。法律的なものは置いておいて、自分で「これは自分の曲です」と胸を張って言えるのか?というのがあると思います。
私はこの曲を完成させるために数十曲生成してます。そのたびに歌詞を修正してAIにとって都合が良いと思われる歌詞の長さを考慮したりしていろんな作業を行なっています。自分にとっては普通に「自分が作った」という感覚を持ってます。AIは利用しただけという感覚です。
 1年前に作った「アノプールデ」という曲があります。

 この曲はピアノ、ドラム、ボーカル、ミックスダウン、マスタリングを外注しています。作詞作曲と、ギターの演奏、ベースの打ち込みが私によるものです。AIで生成した「イエスタディ」よりもむしろこの曲の方が「もはや自分だけの曲ではない」という風に感じます。
 結局のところ、何かを作る時にはAIも含めていろんな人や物の協力が必要で「俺が俺が」「俺の個性が」とかを大事にしすぎると、結局何も作れないのではないかなと54歳になってやっとそういう気持ちになれたなと。

AIが曲を作ってくれる時代のミュージシャン

 次の曲もAIで作るか?と言われるとわからないです。この1ヶ月間、2000クレジットくらい消費したので400曲は生成していますが、公開したいと思えるような曲は作れていません。今回はたまたま上手くいったな。という感じです。
 ただ、公開に至らなくても音楽を作っているという楽しさや高揚感は感じられるので、月10ドルは高くないと思います。
 AIで簡単に高クオリティ(音質とかまとまり的な部分)の曲が出来るようになると逆に、人間臭いライブ感を求める方がアマチュアミュージシャン的な場所なのかなとも感じるようになってます。
 私は自分で作詞、作曲をしてオリジナル曲を作るという事をとても高い山のように感じていて、それを行なっている自分は「特別な存在なのだ」と思い込んでいたようにも思います。しかしこうしてAIが簡単に曲を生成する時代にオリジナル曲にこだわる必要もないのかなと思うようになりました。既存の曲を自分の演奏やアレンジでカバーしたりするのもいいかな。

 結局のところ音楽への関わり方は自由だし楽しい。という事でいいんじゃないかな。


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