みなさんは『糸』がどうやって作られてるか知ってますか?【後編】
前回のお話では「ウールの糸ができるまで」の工程の中で主に国内の紡績工場にやってくるまでのことを書きました。
そう「トップ」の状態になるまでのアレです笑。
まだ読んでない方はぜひ前編から読んでいただけたら嬉しいです。
このトップの状態ではまだ「糸」とは飛べるものではありません。ここから整えつつ引き延ばして引き延ばして、撚りをかけて糸にしていくのです。パッと見、もうこの状態を「糸」というのかと思っていた私。まさかここからまだまだ先になが~い工程が待っているとは…。
●ウールの糸ができるまで 〜梳毛紡績・東和毛織編〜
①前紡工程
前紡機でスライバーを、櫛削りながら引き延ばし『うどん』くらいの太さにする。
②精紡工程
前紡工程を経た『うどん』ほどの太さのスライバーを、リング精紡機で引き延ばし糸の太さにすると共に撚りをかけて、糸を紡いでいきます。
1分間に10,000回転以上回るスピンドルで巻取りをします。
③単糸をつくる、双糸にする、仕上げる
糸をコーンに巻きなおしながら糸の不良を取り除く。ただ、単子のままでは、斜行(仕上がった編み物や織物が安定せず、目が斜めになる)するなどの問題が出やすいため、多くの糸は双糸加工を施し使用します。
出来上がった糸を蒸気で蒸して安定させます。
以上が、東和毛織さんで行われている『梳毛紡績』という糸の作り方です。
今回、ひつじのくつしたで使用した糸「AIRYSPUN(エアリースパン)」は、東和毛織さんが誇る技術で詳しくは企業秘密(!)だそうです。もちろん写真はNGなので写真はありません。紡績に詳しい方は想像してみてください…笑
エアリースパンでつくられた糸の特徴としては、糸全体が繊維1本1本からなる微小なパイルで覆われており、芯糸層の周りに耐久性のあるパイル層が立体的に形成された構造の特殊な糸で、高い紡績技術があるからできるものなのです。そして、この構造により、より多くの空気を含むことができ、驚くほどにあたたかなんです。東和毛織さんのHPにとっても分かりやすい画像があったのでぜひ↓のリンクをチェックしていただきたいです。
・・・・( え?読んだだけで意味わかります? )再び!?笑
いやいや、今回はさすがに工場を見ながら説明していただいてたので、流れがよくわかりました。
ざっくりと簡単に言えば、ふわふわの毛の塊(スライバー)の状態では端と端を持って引っ張ったら「スッ…」と抜けちゃって、それでは織物や編み物には利用できません。なので細く整えて撚りをかけて1本の糸としての強度を高めるのがざっくりといえば紡績という工程なのかなと。もっと詳しく知りたい方は東和毛織株式会社さんのHPをチェックしたり紡績で検索してみてください(すみません)
まだまだ書きたいことがあるのに…という状態ではありますが、すっかり長くなってしまったので今日のところはこのへんで。
次回も魅力的な東和毛織さんの【おまけ編】をお届けしたいと思います。
よかったらまた次のnoteも読んでいただけたら嬉しいです。
ではでは、また。
【こちらの糸でつくった靴下】