対比

調理師

保育士

私にはない

母性愛の深さ。

スキューバダイビングのダイバー

セラピスト

事務員（派遣社員）

履歴書に

書ききれないほどの職歴。

なんちゃってな、おかん。

義母と私は

同じ星座で

同じ血液型。

考えている事は

大体分かるし、

争いごとは苦手なので

嫁姑のいざこざは皆無。

ただ、

つい先月の話だが

一度だけ

私が少し声を震わせて

怒りを抑えた瞬間がある。

私が生まれ育った土地へ

平日の週5日働きに出ているのを、

「わざわざ県またいでまで

朝早くから出て、晩ご飯を作り出すには

遅い時間に帰って来るような

仕事になんでしたの？

選ばなければ

他にも仕事は色々あるだろうに、

スーパーのレジ打ちとか…」

その言葉が、

私にとっては

かなり見下された感じがして

普段怒ったりしないけど

珍しくプリッとした。

（別名カチン）

ちなみに

レジ打ちがどうこうという

話ではない。

高校生の時にもう

「キャッシャー」という

アルバイト経験がある私だ。

私が結婚前までに

人生で一番長く勤めた所は

外資系の企業。

全国にあるし、CMでも

流れているくらい有名。

そこで２０代前半から

がむしゃらに

仕事に打ち込んで、

２０代半ばには

一人暮らしをしながら

OJT担当を経て

新人の教育担当。

最年少で入社して、

周りは年上ばかりの職場で

管理職まで進んだ過去を

義母はまったく知らない。

たぶん

パソコンの前に

一日中いるような

デスクワーク経験や、

住み慣れた故郷を離れて

一人暮らしをした経験も

親子ともども一度も無いから、

そんな言葉があっさり出るんだろう。

そもそも、

義母の子供である

夫が２年ほど前に

「家の仕事（セラピストとして

細々と続けている私の生きがい）をやめて、

正社員で働きに出てほしい」と

私に直接言ったから、

支え合わないと成り立たない

我が家の家計事情を考えて、

素直に就職活動を始めた。

だが、今住んでいる土地では

正社員での働き口がなかなか見つからず

面接も落ちまくり、かなりへこんだ。

（夫は自営業なので、

バイト以外の就職活動の経験無し）

人口も求人数も多い

私の出身地で登録した派遣会社から

紹介してもらった職場（大手企業）で

今働いているのだ。

（この真実を直接義母に話すのは、

夫のプライドも考慮してやめたが

後日ちゃんとメッセージで伝えた）

この土地で働くために

『妥協』をするのは

簡単だとは理解できる。

でも、私が

この土地には思い入れが

1ミリも無いのは明らかで

そこまでして

『執着』するほどのモノがない。

自分の時間を削って働くんだから

自分が働きたい職場に行きたいし、

続けられる仕事の方を選びたい。

しかし、この憎らしいほど

かわいい『家庭』を築くために

姓を変えて、

収入も当然減り、

やりたかったことも

色々ガマンして、

踏ん張って継続してきた

「妻」や「嫁」

「母」という立場。

『忍耐』を美徳とするような

時代に生まれ育った義母と、

『就職氷河期』を死に物狂いで

生き抜いてきた私は、

分かり合えるようで

分かり合えない部分が

やっぱりあるよね。

分かってたはずだった。

正直もう既に心が離れつつある

この『家族』に、

ムリヤリ仮面をつけてでも

終わりが来るまで

なんとか継続させるための

必要要員の一人だと

義母の存在も捉えているので、

今まで通り

むやみに感情をあらわにはしない。

怒り震える自分を抑えて、

その後もいつものように

また笑顔で接している。

少しだけまた成長した

気分になった（笑）

そして、

料理上手な

「義母」によく似た

「尽くす自分に酔っている夫」の

作った晩ご飯を食べる鬼嫁。

「いただきます。」

「ごちそうさま。」

「ありがとう。」

「おはよう。」

「いってきます。」

これが、

ここ最近の夫婦の会話。

改めて書き出すと

我ながら笑う。

なぜなら、これらは全て

私だけのセリフ。

何かしら聞いてるようで、

夫はワイヤレスのイヤホンを

つけてることがほとんどで、

返事がほぼない。

私は自分の部屋で

TVに向かって

ご飯を食べて笑うだけ。

夫や子供と

笑顔で話をしていたのは

随分と昔に感じる。

職場の同僚と居る時や、

友達と話す時の方が

断然楽しい。

理想と現実。

二人三脚か三人四脚か知らないが、

進むコースが違うし、

そもそもスピードも違う。

もはやゴールも違ってきた

私と同じ姓の家族。

この先、

どこでコケるかは

分からない。