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【開催レポート】ピッチ大会「チームジャッジ」

こんにちは!
山口県中小企業団体中央会の平田です。

2024年11月に初開催したピッチ大会「チームジャッジ」のレポートをお届けします。(長文です!)


開催目的と概要

私たちはビジネスにおける個人/事業者同士の連携や、それを発展させた組合組織の設立・運営支援を行っている経済団体です。

一者で取り組むのではなく【チーム】で連携する良さを周知することを目的に、
複数人で連携・共創して社会課題の解決を図るチームが出場できるピッチ大会を開催することにしました。

ピッチ大会「チームジャッジ」概要

開催日:令和6年11月10日(日)13:30~17:00
開催場所:KDDI維新ホール(山口県山口市)+Youtube配信
内容
・記念ピッチ
・出場チームによるピッチ(1チーム5分、質疑応答)
・審査結果発表/表彰式
・交流会
主催:山口県中小企業団体中央会
後援
・山口県
・山口県商工会議所連合会
・山口県商工会連合会
・株式会社商工組合中央金庫

募集対象はこちら

・山口県内を拠点とする3名以上のチームが取り組む事業プラン
・チームメンバーの1名以上が山口県在住で、地域経済の活性化や社会課題の解決に資する事業であること
・11/10(日)のピッチ大会に出席可能であること
・チームの組織形態は問いません

イメージとしては、
スタートアップ的な飛躍を目指すプランというより、
地域課題を契機に、地域に根差し地域で持続的な成長を目指すような、
言わばゼブラ企業のようなチームを募集しました。

出場チームの紹介

集まった10チームのプランはこちら。
結果として、すでに組織化済み、あるいはこれからもっと他と連携していきたいんだという方が多かったです。

発表順に、どのような内容だったかを簡潔に紹介していきます。
かなり省略しているので、詳しくはYoutubeをご覧くださいね。

①まぐ

テーマ:子どもの可能性を最大化させる

チーム「まぐ」の大平航暉氏、草薙悠紀氏、岩井僚樹氏。子どもたちの創造性を育む体験会を定期的に開催されています。3人お揃いスタイルで、難しいトップバッターを務めていただきました!

課題:子どもに創造性を育むことが社会的に求められているが、子供の才能や興味を見つける機会が少ない。一方、習い事提供者は生徒が集まらない。
解決策:保護者と習い事提供者との接点を生み出す「習い事チョイスサポート」サービスを開発。リアルイベント(習い事ランド)、AIを搭載したポータルサイトを運営。
特徴:リアルとネットの融合で子供たちに最適な体験を提供する点。

②一般社団法人はぴスポ

テーマ:Swimmy(スイミー)

はぴスポ代表の福村紅子さんは水泳指導歴27年で約30万人以上の指導経験を持つ。様々な活動を行う中で【水泳】という原点に立ち返られ、指導者の育成が必要と考えられています。

課題:水泳は子ども達に一番人気の習い事だが、公共プールの数は減少し続けており、それに伴い水泳指導者が指導現場をなくしている。
解決策:プール以外でも水泳指導ができるようになるための学校「スイミ―学校」を立ち上げる。海や川、移動式プール等での指導ノウハウをコンテンツ化し、通年で様々な研修を受けることができる内容。
特徴:指導者向けの学校という、ニッチ分野での独占市場を目指す点。

③株式会社UBE COL

テーマ:担い手不足の地域活動に学生が参加し、地域で成長していくプラットフォーム ガクチア

株式会社UBE COL の村田照真氏は現役の大学4年生。1~2年生の間にもっと地域活動をしておけば良かったという後悔が、このサービス開発に至ったとのこと。
ブラッシュアップ会を経て内容が劇的に伝わりやすくなりました!

課題:学生が地域活動に参加する機会が少ない。企業や自治体は、学生の力を活用しきれていない。
解決策:学生と地域活動をつなぐプラットフォーム「ガクチア」を開発。企業や自治体は活動を求める情報を掲載し、学生はその中から興味のある地域活動を見つけ、参加することができる。
特徴:学生は活動を通して得られた経験やスキルをガクチカとして就職活動に活かすことができる。企業からの登録料、自治体や教育機関のシステム利用料で収益化を目指し全国にスケールしたい。

④ジニーズランプ株式会社

テーマ:介護や健康上の事情で外出が困難な利用者と隙間時間に資格を活かしたい潜在看護師のマッチングサービス

ジニーズランプ株式会社の白石知之氏はフライトナースや災害派遣チームDMATの一員として
救急医療や災害支援の最前線で経験を積んできた看護師。
現場で見えてきた課題を解決するために起業された、熱意溢れる方!

課題:介護や健康上の理由で外出が困難な人が多い。潜在看護師の活用が進んでいない。
解決策:潜在看護師と外出困難な利用者をつなぐマッチングサービス「らんぷのナースさん」を提供。利用者は、看護師のサポートを受けながら、安心して外出を楽しむことができ、潜在看護師は、隙間時間を活用して働くことができる。
特徴:保険適用外のサービスのため、利用者のニーズに合わせた柔軟な対応が可能。自身の経歴から実現可能性が高い。

⑤株式会社Switch

テーマ:Alkemix(アルケミクス) 共創で生み出す障がい者芸術の新たな価値

株式会社Switchの大世渡 渉氏。自身のリハビリ中に障害者アートと出会い、精神的な救いを得た経験から、その魅力を広く伝えたいと考え活動されています。

課題:障がい者アートの認知度が低い。障がい者アーティストの活躍の場が少ない。
解決策:「Alkemix(アルケミクス)」ブランドを立ち上げ、障がい者アーティストの作品を企業等へ貸出するなどして経済的・精神的な支援を行う。
特徴:様々な障害者アーティストと契約し、共創作品の企画や体験行事等を企画。BtoB、BtoCについても検討中。アートを起点に、アーティスト、地域社会、企業、支援者が一体となり、新たな価値を創り出す錬金術のようなプロセスを実現することに挑戦中。

⑥ Offshore・Liberty

テーマ:使われない漁船を救え!船で遊びたい人と船舶オーナーを結びつけるプラットフォーム「オフリバ」

Offshore・Liberty代表の松永浩行氏。元公務員・行政書士というユニークな肩書を持ち、
実現に向けての計画的な行動が素晴らしい!地方発スタートアップを目指されています。

課題:日本の海レジャーは成長産業としてのポテンシャルを持つものの、船の利用は価格の高さや手続きの煩雑さから一般に浸透していない。
解決策:船のオーナーとユーザーをつなぐ、海のUberともいえるサービスを提供する。オーナーは遊漁船業の許可を得る必要がなく、ユーザーは手軽に船を利用できる。
特徴:合法的なビジネススキームを確立している。周防大島町にて漁協と連携して実証実験中であること。

⑦株式会社高村農園

テーマ:中山間地域だからこそできる農・畜で目指す「シン6次産業化」
なりたい職業ナンバーワンを目指す(in山口県)

株式会社高村農園の作田妙江氏。圧倒的に人を惹きつけるプレゼン!高村農園として6次産業化の実績もあり、この人だったら成功するなと皆さん感じたのではないでしょうか

課題:米農家だけでは将来に不安。耕作放棄地が増加している。
解決策:需要が高まっている羊肉に着目し、耕作放棄地で羊を飼育し、農業と畜産業の二毛作を目指す。
特徴:作田氏のノウハウにより実現可能性が高い。地域の観光業としての側面も可能性がある。将来的にはスキームを他の農業者へ広げて一次産業に興味を持つ人を増やしたいと考えている。

⑧株式会社ゼフィロス

テーマ:いちごモンスタータウン誕生~儲かる農業が、明日の農業を変える~

株式会社ゼフィロスの土網裕子氏は、農業資材販売会社役員の経歴もありスマート農業を推進していく。亀山真由美氏は元ケアマネジャーで柳井市農業委員として地域の合意形成に尽力。
お二人の運命的な出会いは柳井市創業塾!(当日は同じ塾生の神家氏がPC操作支援)

課題:中山間地域(柳井市)の課題は儲からない農業・担い手不足・地域環境保全(地域住民だけでは限界)
解決策:ゼフィロスが、販売・育成・農作業受託を一貫して請け負うビジネスモデルを構築。農家がサラリーマンより儲かる仕組みを地域一体で構築する。
特徴:農地保全の交付金広域化メリット(農地保全作業と事務の効率化&補助金額のアップ)を行政と連携しつつ地域に地道に説明し、合意形成を得ていること。

⑨株式会社アンドピリオド

テーマ:地方を体感する関係人口創出プラットフォーム「ふるマル」

株式会社アンドピリオド COO大嶋憲人氏。流れるようなピッチと完成されたスライド、そして他の出場チームより事業フェーズが一歩進んでおり実現可能性が群を抜いているなと感じました!

課題:地方の生産者は産直ECサイトの運営に必要なスキルと時間が圧倒的に不足。一方、消費者はサイトの商品情報だけでは地方の魅力を感じにくい。
解決策:地方に「在るモノ」を最大限に輝かせ地域のファンを創出するプラットフォーム「ふるマル」を開発。
特徴:産地コーディネーターが生産者のECサイト運営をサポートするビジネスモデルで、農家は農作業に注力でき圧倒的な生産者ファーストが特徴。現場の映像を通した地域の魅力体感に加えて現場体験もあるなど独自性がある。

⑩FineSmile

テーマ:山口県産果実シロップで農家の収益向上と地域特産品の魅了向上

FineSmileはイベント等の催事出店を行う団体で「販路」を持っている。加工グループの「加工技術」と生産者の「原料」で連携するという、分かりやすく実現性の高いプランを発表。

課題:規格外農産物の廃棄が多い。加工グループの収入が少ない。
解決策:規格外農産物を活用した果実シロップを開発し、県産原料を使ったかき氷をイベント時に展開する。リキュールなどへの展開を図る。
特徴:地域の事業者で連携し、より付加価値の高い商品作りをしていこうという取り組み。

番外編(記念ピッチ)

冒頭、記念ピッチとしてお二人の審査員にピッチをお願いしました!

  • ポーザー株式会社 CEO 三由 野氏

  • 株式会社Connec.t  代表取締役社長  小口 潤氏

お二人ともとっても素晴らしいピッチで
ここには到底内容を書ききれません!
気になる方は動画チェックしてください。

ポーザー株式会社 CEO 三由 野氏はアウトドアスポーツやまぐち協同組合の代表理事でもあり、移動式プレイパーク「ハダシランド」の広がりを発表いただきました。
株式会社Connec.t 代表取締役社長 小口 潤氏はサステナブルジン「YORI」を開発。ジンを飲むことで地域課題解決に貢献できる仕組みを構築し、地域経済循環の創造を目指しています。

審査員・パートナー企業紹介

遅くなりましたが、審査員とパートナー企業の皆様をご紹介します。
皆様お忙しい中、そして事前情報が乏しい状況で、
審査員を務めていただきました。
改めて感謝申し上げます。

審査員の皆様
  • 株式会社エムビーエス 代表取締役 山本 貴士氏

  • 株式会社アデリー 会長 小野 悟氏

  • ポーザー株式会社 CEO 三由 野氏

  • 株式会社Connec.t 代表取締役社長 小口 潤氏

パートナー企業の皆様
  • 株式会社商工組合中央金庫 下関支店次長 岡田 大希氏

  • 一般社団法人中国地域ニュービジネス協議会 参与 高橋 昭彦氏

  • 西日本旅客鉄道株式会社 広島支社 地域共生室 北村 彰一郎氏

審査結果発表・表彰

オーディエンス賞:株式会社高村農園

オーディエンス賞は会場とオンライン視聴の方からの投票により決定。
最も共感を集めた方は、熱意と説得力のあるプレゼンを披露された、
高村農園さんでした!

中央会の坂本専務理事より記念パネルを贈呈

パートナー賞【商工中金賞】:株式会社UBE COL

続いてパートナー賞は、各パートナー企業の判断により決定されました。

商工中金岡田次長より、株式会社UBE COLの小林氏に贈呈

パートナー賞【中国NBC賞】:株式会社アンドピリオド

中国ニュービジネス協議会の高橋参与より株式会社アンドピリオド大嶋氏へ贈呈

パートナー賞【JR西日本賞】:FineSmile

JR西日本の北村氏よりFineSmile原田氏へ贈呈

チームジャッジ大賞:ジニーズランプ株式会社

チームジャッジ大賞は、審査員4名の総評によりジニーズランプ株式会社に決定!

審査員長であるエムビーエス山本社長からは、
「高齢化社会における医療・介護ニーズの高まりの中で、
潜在看護師を活用するという着眼点が素晴らしい。
利用者だけでなく、サービスを提供する潜在看護師の
働き方に対する満足度を高めることも重要」とのコメントを頂きました。

審査員の総評により決定。記念パネルの贈呈と賞金10万円を授与!

受賞されたジニーズランプ株式会社 白石様よりコメント頂きました。

このたびは、身に余る栄誉を賜り、驚きとともに深く感謝いたしております。
これもひとえに、閉鎖的な医療業界での限られた経験しか持たない私を支えてくださる、多くの皆様のご支援の賜物と存じます。
今後もご期待に応えられるよう、一層努力を重ねてまいります。
このたびは誠にありがとうございました。

ジニーズランプ株式会社 白石知之

最後に

さいごに出場チームと審査員・パートナー企業の皆様で記念撮影

主催者として、初めて開催したピッチ大会。
新規事業ではありましたが、
なんとか形に出来たのは、協力して頂いた組合チームの皆さまのお陰です!

  • 司会やタイムキーパーでご協力いただいたラポール東山口協同組合の皆様

  • 動画配信をお願いした映像制作エーカッコシー協同組合の皆様

  • 企画から携わって頂いた連携推進員の綿谷さんと合同会社アクト・スリーの皆様

  • ハダシランドを提供頂いたアウトドアスポーツやまぐち協同組合の皆様

  • キッチンカーを提供頂いた山口グルメケータリング協同組合の岸本さん

  • ほかご協力いただいたすべての皆様、ありがとうございます!

司会進行を務めて頂いた西村沙織さんは、素晴らしいコメント力で
ピーンと張りつめた会場を和ませ、盛り上げてくれました。

書ききれませんので感想についてはまた別のnoteにまとめたいです。

・・・とは言いつつ、大成功とは言えない内容であり、
改めて実現の難しさを目の当たりにしました。

一番の課題は集客の少なさ!
出場チームの皆様、すみませんでした。

各機関への根回しをしっかり行って、
また来年もブラッシュアップして開催したいと思っています。

これを読んで頂いている事業者の方、関係各位の皆様、
どうかよろしくお願いいたします!

YouTube配信の様子はこちら

チームゼブラプロジェクト全体についてはこちら

ご協力いただいた審査員・パートナー企業の皆様のサイトはこちら