サークルを続けるモチベーションの維持

こんにちは。ミモザ代表のYです。今回は私がサークルを続けてこられた理由についてお伝えして行こうと思います。内的だけでなく外的な要因もあるのですが、一つづつまとめていきます。他のセクマイサークルの方もぜひ参考になさってくださいね。(一部に差別的な用語が含まれますのでご注意ください)

当事者としての使命感

私は、いわゆるセクシュアルマイノリティーという括りに属する人間です。身体の性別は男性ですが、性的指向は男性で、性自認はクエスチョ二ングです。いままで22年生きてきましたが、特に中学時代は辛い経験をしました。中学生の頃は、仕草がおかまっぽいと言われ、同級生と廊下ですれ違うたびに悪口を言われました。部活では後輩からはおかまの先輩と呼ばれました。当時の私は、そのように自分が呼ばれていることを恥に感じ、周りにSOSを出すこともできませんでした。親にも先生にも知られたくなかったのです。物理的な攻撃などはありませんでしたが、数々の中傷は、私の性格を変えてしまうには十分すぎるものでした。どうせ悪口を言われるのなら、もう何も喋らないーーそのように決めてからは年中マスクをつけ、ずっと下を向いていました。今ではその行動が、自分が唯一できる自己防衛だったのだと思います。

この話をすると、私が同情して欲しいように聞こえる方もいらっしゃるかもしれません。実際その気持ちも無きにしも非ずですが、私がこの話をする真の理由は、これが日本の教育現場ひいては、社会の現状だと問題提起をしたいからです。近年メディアではセクシュアルマイノリティーが出現する機会が飛躍的に増えました。しかし、実際身の回りでは平然とSOGIハラをはじめとする差別が行われているのが実情です。2020年9月にはパートナーシップ制度を導入したのは全国59自治体まで増えたとのことですが、少なくとも私の周りでは日常的に嫌な思いをしている当事者がたくさんいます。

これは、私がミモザに入る前にあった出来事で、先輩方から聞いた話なのですが、新入生の勧誘で「多様な性」というプラカードを出して多くのサークルに混ざって宣伝活動をしていた時に、近くにいたアメフトかラグビー部(記憶が曖昧です)の男子部員に「お姉さんたちレズなんですか。俺レズもののAV大好きなんすよ。」と声をかけられたそうです。残念ですが、セクシュアルマイノリティーを色物として認識している人の数は少なくないのだと思います。多様な性を訴えるのは、人としての最低限の権利を得るためにしていることなのだと、もっと多くの人に知って欲しいーーそういった気持ちを胸に、私は2年間セクマイサークルでの活動を続けてきました。

居場所を残したいという気持ち

2年前から入部希望のメール担当をするようになってから、こんなにもセクマイサークルに関心を持っている人が多いのだと知りました。中央大学の学生のみならず、近隣の大学や少し離れた大学の学生からも多く連絡をいただきました。「私の大学にはセクマイサークルがないので、入りたい。」「私の大学のセクマイサークルは、研究色が強いので合わない。」などの理由を目にしてきましたが、これらの受け皿としてミモザを機能させたいと考えてきました。

そもそもセクマイサークルは、有志らが何らかの目的をもち設立しますが、その人たちとの考えと合わなければ、サークルにいることが苦痛になってくるでしょう。そのため自分にあった居場所というものを見つけるのに困難を極めてしまう人も多いように思います。ですから、ミモザではできるだけ「ゆるふわ」を意識し、だれにでも優しい空間づくりを心がけてきました。具体的には、セクマイであることで弱音を吐く機会を作ったり、近況報告会として何でもいいので全員が話をするようなこともしました。参加を強要する訳ではないですが、「この人たちに話してみたい」と思ってもらい、あくまでも自主的に参加するようにするのを目指して、企画をしてきたつもりです。映画鑑賞会を頻繁にしてきたのも(2020年度は10作品ほど観ています)、参加へのハードルが低いのではないかという考えがあったため、新入部員が入るたびに開催してきました。映画をみて短いコメントをするだけなので、普段話すのが好きでなくても、楽しめると思います。映画をみて、自分の感想をシェアして反応をもらうことにより、サークルへの帰属意識も高まるのではないかと考えていましたが、きちんとした効果があったのかは不明です。(具体的な取り組みについては今後別の記事に載せようかと思います)

大学にセクマイサークルがないと嘆かれる声をよく耳にしますが、ミモザはインカレですので、中央大学だけでなく近隣の大学からも参加することができます。今年は新型コロナウイルスの影響でほとんどがオンラインでの活動になりましたが、距離というネックが解消されたために、より遠くの大学からのメンバーも参加してくれるようになりました。当事者にとっては、セクマイサークルは安心できる大切な居場所であり、セーフティネットですので、より多くの人の役に立てれば幸いです。もう少しで私はサークルをさりますが、メンバーたちにはぜひオフラインで集まって欲しいと思います。状況が落ち着いたら、直接会って思い出をいっぱい作ってください。

一緒にサークルを支えてくれた仲間

サークルの代表となり2年経ちますが、ずっとモチベーションを維持できていた訳ではありません。私生活が忙しかったり、なんとなくやる気が起きなかったりして、活動をサボりがちになった時期も少なからずありました。そんな時に、自分を奮い立たせてくれたのは、同級生のメンバーたちでした。外部のイベントへの参加を勧めてくれたりする、外交的な性格の子には何度も助けられました。私はどちらかというと内向的な性格で、あまりサークル外のひとと話すのは苦手なのですが、たくさん方とのコネクションを繋いでくれました。一方で、嫌なことがあった時はLINEのノートに(ミモザのグループライン)書き込んだりして、そこに返事をしてくれた子もいました。人の気持ちを大切にしてくれる、優しい仲間がいたので辛い時期も頑張ることができたのだと思います。なんだかんだ言って、自分が一番ミモザに助けられたのかもしれないです。

以上が代表がサークル運営のモチベーションを維持する上で、大切にしてきた内容です。このうちの一つでもかけていたら今のミモザはなかったかもしれません。他のセクマイサークルの方はよかったら参考にしてくださいね。

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