足場の組立費用はいくら?相場価格と単価について紹介 2024/1/22
工事現場で作業を進める上で、足場は欠かせないものです。そのような足場を組み立てるのに、どのくらいの費用が掛かるのか気になる現場責任者の方もいると思います。
今回は足場の組立費用の相場価格と単価について紹介します。本記事を参考に適切な足場組立費用の相場を知ることで、不要な経費削減を実現できるでしょう。
1.足場の組立が必要な3つの理由
工事現場を進める上で、足場が欠かせないものと前述しました。では、どういった理由で足場の組立が必要なのでしょうか。
1-1.作業者の安全管理
足場を設置する一番の目的は、高所で作業する職人さんの安全を守ることです。万が一、高所からの転落・墜落災害があった場合、被災した職人さんの命が危険にさらされます。
現場で事故が起こると、現場の安全管理が整うまで工事が中断され、工期の延長に繋がります。また、現場責任者は安全配慮義務違反として、損害賠償責任を負うケースもあるのです。
そのため、労働安全衛生規則に記載の通り、高さ2メートル以上での作業を行う場合は、足場等の適切な作業床を設けなければなりません。
1-2.品質の確保
外壁の作業において、それぞれの工種に合わせた適切な足場を設置していないと、施工品質の低下に繋がります。
特に外壁は、直射日光や雨など外部からの影響を強く受けるため、足場の不備による作業性の低下で、漏水や外壁材の剥落などの重大な品質事故を起こす可能性があります。そんな品質事故を起こさないためにも、職人さんの作業性を考慮した足場の計画が重要です。
1-3.近隣への配慮
工事現場は近隣の方の理解があってこそ進められるため、近隣の方への配慮が必要です。特に作業の種類によっては、粉塵や外壁の吹き付け材などが近隣へ飛散する場合があります。
そこで、組み立てられた足場の周囲をメッシュシートで囲うことで、飛散物が近隣建物に及ぼす影響を防ぎます。万が一、足場上でものを落とした際にも、それが外部へ飛散するのを防ぐ役割もあります。
2.足場の種類と各組立費用の単価相場
足場の組立費用は、1平方メートルあたり800〜1,500円が相場です。足場には以下の種類があり、それぞれの組立費用もやや異なります。
・単管足場
・くさび緊結式足場
・枠組み足場
・吊り足場
・次世代足場
それぞれの特徴と単価を紹介します。
2-1.単管足場
単管足場は、一番シンプルで簡易的な足場です。単管パイプとクランプをベースにしているため、形状を変更しやすく、隣接地や敷地境界が近い場所でも適応しやすい点が利点です。しかし簡易的な組立であるため、他の足場と比べて強度と安全性が劣ります。
狭いスペースに設置することから、作業員の作業性も落ちることが多く、この点がデメリットと言えるでしょう。低層の建物に向いており、単価は1平方メートル500円~800円が相場です。
2-2.くさび緊結式足場
くさび緊結式足場は、低中層建築などで多く使用されています。組立・解体が簡単で、作業性が良いことが特徴です。
デメリットは組立・解体時のハンマーで打ち込む際に、大きな音が発生し、近隣への配慮が必要になることです。単価は1平方メートル800円~1,200円が相場です。
2-3.枠組み足場
枠組み足場は組立・解体が容易で、中高層の建物など幅広く使用できます。他の足場と比べて、幅が広いため、設置にスペースが必要です。単価は1平方メートル1,000円~1,500円が相場です。
2-4.吊り足場
吊り足場は地上から足場を組むのが困難な場合に、吊り下げて設置する足場です。高層マンション・橋などの高所作業で使われます。高層建築で時間短縮作業をするには有効ですが、落下対策など、難易度の高い安全性が求められます。単価は1平方メートル3,500円~が相場です。
2-5.次世代足場
次世代足場は「単管足場」・「くさび緊結式足場」・「枠組み足場」の規格を見つめ直すことで生まれた足場です。近年では、中高層の建物などで主流となりつつあります。足場の組立・使用時の安全性が高く、足場内の空間が広いため、作業性が良いなどの特徴があります。
単価は1平方メートル1,200円~1,800円が相場です。
3.足場費用の計算方法
足場費用は以下の式から算出されます。
足場費用=足場架面積×足場平米単価
足場架面積とは、足場の外側の面積のことで、以下の式で計算します。
足場架面積=(建物の外周+8メートル)×高さ
例えば、建物の外周が100メートル、高さ15メートル、足場平米単価1,100円だとすると、足場費用は以下の式により、178万2,000円になります。
足場架面積=(100+8)×15=1,620平方メートル
足場費用=1,620×1,100=178万2,000円
4.足場の組立費用が高くなる場合
建物が高層になるほど、足場の単価が高くなる傾向にあります。また、高層建物の場合、倒壊防止対策などをきちんと行う必要があるため、組立費用が高額になりやすいのです。
さらに、足場を組み立てる場所が狭く、作業性が悪い場合、基本単価より高い費用を請求される可能性があります。
5.足場の組立費用を安くする方法
ここまで足場組立費用についての相場を見てきました。直接工事費に加えて足場費用も考慮し高額になることも多いので、現場責任者の方ならできるだけ費用を抑えたいと思うことでしょう。ここでは足場組立費用を抑えるためのポイントを3点解説していくので、ぜひチェックしてみてください。
5-1.複数の業者に見積もりを依頼する
足場の施工業者や材料のリース業者など3〜5社の業者に見積もりを依頼しましょう。できるだけ低価格の業者を選ぶことで、費用を抑えられます。
5-2.工種毎で必要な足場をできるだけまとめて組む
外壁工事においても、建物によって複数の異なる作業があるため、それぞれの作業にあった足場を一度に組むことをおすすめします。特定の工種施工後に追加で行う組立や解体後に再度行う組立などの二度手間費用を抑えられます。
5-3.外壁の仕上げ工事の搬入や取付計画を考慮した足場を計画する
外壁工事の材料によって、搬入や取付方法を考慮していないと、足場を解体しなければならなくなる場合があります。
具体的な対策は、材料のサイズと搬入方法を考慮して足場に荷取りステージを設ける方法が挙げられます。外壁と足場の間に材料を通す場合には、外壁と足場の距離を適切に離すことが大切です。
このように、二度手間とならない計画を事前に立てることで、足場組立に掛かる費用を抑えられます。
6.まとめ
今回は、足場の組立費用の相場価格と単価について、さらに組立費用を抑える方法まで解説してきました。足場の費用を抑えるには、足場組立の計画を十分に検討することが重要です。
本記事を参考に適切な足場組立費用の相場や、不要な出費の抑え方を知ることで、経費の削減を実現していきましょう。
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