【指導者対談】岩渕監督×河口コーチ【同期同士での振り返りと今後】
こんにちは!中央大学ボクシング部広報チームです。
こちらのnoteでは中央大学ボクシング部の様々な情報を発信していきます。
今回は着任1期目を終えた岩渕監督と河口コーチの振り返りを兼ねた対談をお送りします!
2人は中大ボクシング部の同期で、卒業後はボクシングから離れてそれぞれ別の道を進んでいましたが、7年後に今度は指導者として中大ボクシング部に戻ってきた経歴を持ちます。
2人に関しての記事はこちら!
【7年を経てまた一緒になったお2人ですが、お互い印象は変わっていましたか?】
■河口コーチ
良い意味で印象は変わりましたね。本人にも直接言ってましたが、僕は現役当時岩渕のこと嫌いだったんですよね(笑)
シンプルに鬱陶しいイタズラされすぎて(笑)
そして当時岩渕はボクシングがそんなに好きじゃないと思っていたので、ここまで深く突き詰めて研究して指導者になっているのがかなり意外でした。
上場企業のアパレル商社に就職したと思っていたのに気付いたら地元の青森に帰っているわ、青森山田高校の指導者になってチャンピオン含めて有名選手何人も育ててるわ、全日本社会人に出て自衛隊体育学校の有名選手と善戦してるわで驚きの連続でした。
ただ、なんだかんだ言ってチームを変えたり色々馬力発揮して何かをするときって学生の時から岩渕と一緒だったなと思い、もう腐れ縁的な感じですね。実際今もボクシング指導のことは全部信頼してチームのことを任せています。指導者辞める時は一緒ですね(笑)
■岩渕監督
俺は河口のこと嫌いじゃなかったよ(笑)
でもなんだかんだ一緒に何かを変革するときは河口と一緒だったし、憎まれ口叩きつつツーカーの仲だよねと思っています。
正直監督になる時も自分1人ではチームを率いるのは無理だなと思っていて、河口を巻き込んだのは正解でしたね。
昔から言葉で人を引き付けるのではなく行動で見せて人を引き付けるタイプだったのは変わりなかったし、卒業してから7年間ビジネスの世界でパワーアップしてそのまま戻ってきたなという感じで、良い意味で印象に変化は無かったです。
【新体制1期目を終えてどうでしたか?】
■岩渕監督
メインテーマだった「自主性と言語化」はだいぶ浸透したかなと思います。
言語化って本当に大事で、感覚で会話や指導をしているとどんどんズレます。例えば「甘いもの持ってきて」って言ったらチョコ持ってくる選手も飴持ってくる選手もいると思っていて、それと同じで「腰を落とす」「腰を回す」「ガードを上げる」と伝えてもどこ主導でどのくらいの角度なのか、等で全然感覚が違います。
しっかり再現性を持ったナレッジを貯めるためにもまずはここの風土を定着させることが最大のキーだったので、そこはクリアかな、と。
キャプテンの龍大を中心に「今のままでは勝てない」という危機感で練習に臨んでくれて、客観的に何をどうしないと勝てないのかを真摯に受け止めて直してくれた選手たちにも感謝です。
また、今期は自分も普段青森にいてリモート体制だったこともあり、BANDというアプリを導入して自分の指導を文字・写真・動画に残していつでも見直すことができるようにしたり、この先輩・後輩は何を考えてどんな練習をしているんだろうといったことが共有されやすくなったことも大きかったです。
そのおかげか、リーグ戦も1戦目2戦目は試合までに作戦を組んで共有のうえ試合中に修正していましたが、3戦目以降は選手たちが自分たちで作戦を組んできてインターバル中に、「〇〇は上手く行ってないからxxのパンチで。▲▲は上手くいってるから継続で。」といったアドバイスもかなりピンポイントなものだけで通じるようになり、実行していけるようになっていました。
試合を経て大きく成長してきているのを感じますし、考えさせる力を鍛えてきた結果だと思います。
1日1日の練習で何が出来て何が出来なかったのか、その言語化と振り返りのクセ付けを今後はさらに深いレベルでやっていくチームにしたいなと思います。
■河口コーチ
確かに練習中の意見交換の質と量は本当に増えましたね。1年前とは全然違いますし、岩渕の言う通りチームの素地はかなり変わったと思います。
また、僕は組織統括コーチとして企業で言う管理部長的なミッションを担っているので、その観点から話をしますと、かなり透明性のあるクリーンな管理体制と選手の負担を減らせる仕組みを構築できたのは大きかったかなと思います。
「悪意による理不尽がまかり通ると組織が腐る」というのは色んな組織を見て痛感していたので、お金周りを中心にあらゆる情報をしっかり細かく部内に開示しながら整えていきました。
スケジュールや記録も管理できるチャットツールBANDの導入、規定の整備、予実管理体制の強化、応援をいただけるスポンサーさんとの折衝や学生負担の軽減、広報活動あたりを特に進めていった1年でしたね。
ありあがたいことにこの1年で多くの方々からご支援をいただくことができ、学生の自己負担の軽減をしながら強化に向けた投資が出来るようになってきました。
授業にちゃんと出て卒業する文武両道の学生であることを良しとしている方針なので、バイトに時間を使えない学生も多く、この方針は継続・強化予定です。
【新体制2期目をどんなチームにしていきたいですか?】
■岩渕監督
「理想は選手同士で教え合えるチーム」です。
実際にこの1年で練習中の選手同士の意見交換の時間がかなり増えました。非常に良い傾向だと思います。
認識にズレがない共通言語化したナレッジには再現性もあって、全員に伝わる効率も段違いになります。
今後はバディ制として3人1組目安でチームを作ってお互いに作戦を組んだり意見交換を強化するほか、道場の壁に大型のホワイトボードシートを何枚か貼り付けていつでも思いついたことや思考を書き出せるようにすることで、「考える・言語化する」という環境をさらに整備していきます。
「どうしたらいいですか」
という質問がまだしばしばありますが、
「この時こうなったらこうしたいと思うんだけどどうですか?」
という、さらに数段階深い意思のある仮説のもとでの質問が増えるチームにしたいと思っています。
■河口コーチ
組織の管理や運営の観点から話すと、基盤はかなり出来たので2期目以降はさらに生徒に権限移譲をしていきたいなと考えています。
部活をがっつりやっているとなかなかインターンシップも行きづらいかなと思うのですが、チーム運営をしていたらそのまま企業的な動きを学べる という環境にしたいですね。
また、これも個人事業主と会社の違いのようなニュアンスで、やはりより多くの力が組織的に嚙み合った方が強いので、今期は1期目以上に部員の皆の力を借りながら健全な組織を運営していこうと思います。
メインで岩渕はボクシング指導を見て河口は組織を見て・・・という感じに分かれていますが、奇しくも「仕組み作りと選手への権限移譲」みたいなニュアンスは共通していますね。
【5年後・10年後といった中長期的にどんな姿を目指したいですか?】
■岩渕監督
これは今すぐにでも達成していたいことではありますが、選手も保護者の方々も一人残らず全員が中大に来てよかったと思えるようにしたいです。
全員がもっと上を目指す環境、現状維持は衰退という意識の環境、誰一人仲間外れなくチーム皆で磨き合える環境を整備します。
また、「中大の選手が憧れの的としてマネされる」ようなチームにしたいです。クセとか、動きとか、シューズとか。そして人に優しく謙虚で人間力の高い、周りから応援してもらえるような選手で揃ったチームにしたいです。
「中大のA選手があの靴使ってるから俺も同じにしよ!」
「中大のB選手の試合前のルーティン真似しよ」
そんなな憧れの存在の選手をたくさん中大から輩出したいと考えています。そしてやっぱり、育てた選手と一緒にオリンピックに行きたいです!
■河口コーチ
「ボクシング業界盛り上げたい」というところに帰結するかなと思います。
自分自身の本業が採用に関する業務ということもあり、大学4年間が今後の人生にいかに大きく影響するかも見てきているつもりです。
中大ボクシング部で4年間を過ごした選手全員が選手としても結果を残し、人間としても成長し、(就職がすべてではないですが)消極的選択ではない良いキャリアを過ごし、余裕が生まれ、後輩を応援する。
そんな良いサイクルをどんどん生み、中長期的にもっとボクシング界を盛り上げたいなと思います。
【どういう指導者になりたいですか?】
■河口コーチ
着任時から掲げている「選手ファースト」は引き続きぶらさない指導者でありたいです。これは決して選手の言いなりになるとか甘やかすという意味ではなく、選手のためになることをしっかり選手に理解してもらったうえで指導するし、逆に選手のためにならない理不尽からはしっかり自らが盾となって守るという意味です。
また、自分のリーダーシップスタイルが「自らが率先して行動を積み重ねて信頼をしてもらう」というものなので、選手たちからも「この人についていけば間違いない」と思ってもらえる大人になれるように、本業も含めて自分自身が全力で人生を楽しみつつ頑張りたいです。
まぁ副業で筋肉系のふざけたエンタメ活動もしているので、全く尊敬できないかもですが・・・(笑)
また、ボクシングは正直深く理解しているかというと全然で、ここの指導は岩渕の力が絶対に必要です。その代わり管理部門的な役割は自分がしっかりリードしていきます。
そのようにお互いの足りない部分を岩渕と補いあって、コンビで強い指導陣でいたいですね。
岩渕も話していたようにチーム全員で協力して強くなる方針ですが、まず指導者自身が向き不向きをお互いに補いながらチームプレーをしていく姿を見せたいなと思っています。
■岩渕監督
俺と一緒のこと考えてるじゃん(笑)
少し加えると、「自分自身が選手としてオリンピックに出ているわけでも特別な実績があるわけでもない」という思いがあるからこそ、常に新しいことを吸収して未来に向けて動いていきたいと考えています。
自分は過去を使えないからこそ、どんどん自分自身をアップデートして、常に選手より新しい知識を仕入れて、選手より先に悩んで、解決して、選手の悩みを減らせるような指導者になりたいです。
選手も未熟なのはもちろん、指導者もまた常に未熟であるという自覚を持ちながら勉強し続けたいです。
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以上、岩渕監督と河口コーチの振り返りと対談でした!
今後とも中央大学ボクシング部をどうぞよろしくお願いいたします!
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