Lagaan(Once upon a time in India)
2001年に公開されたヒンディー語の映画。アーミル・カーンがプロデューサー、主演を務めた。インド国外でも成功を収め、アカデミー賞にノミネートされた。これはインド映画として3作目となる。
あらすじ
舞台はイギリス統治下のある農村。干ばつが続き農民たちは納めなければいけない年貢に苦労していた。このままでは生きていけないと考えた農民たちは直接交渉することに。結果的にイギリス人と農民たちがクリケットで対決し、農民が勝てば3年間税は免除。負ければ税は3倍になる。人生で初めてクリケットの試合に挑む農民たちの奮闘を描く。
国民的大人気スポーツ、クリケット
クリケットはイギリス発祥とされており、インドにはイギリス植民地だった時に広がり始めたようである。現在では競技人口が1億5000万人以上を超えており間違いなくインドで最も人気のスポーツだ。日本の人々に「なんのスポーツをやっていたか」と聞くと野球、サッカー、テニス、バスケなど様々な回答があると思うが、インド人男性に同じ質問をすると9割が「クリケット」という。国内リーグや国際試合も毎年行われているため勤務時間中もスマホで試合状況を逐一チェックしている同僚も多くいる。本作はクリケットを知らない農民が一つずつルールを覚えていくので、クリケットを知らない人も安心してみることができる。
人種、そしてカーストを超えた友情
このクリケット対決は「クリケットを知らない農民に負けるわけがない」と考えてイギリスのキャプテンであるラッセルが提案したものである。これが不公平だと考えたラッセルの妹のエリザベスが兄に秘密で農民たちにクリケットのルールを教える。また、インドの農村にも様々なカーストの人が一緒に暮らしているが、本作品にはカーストにさえ入らない不可触民(Untouchability)も登場する。これは数々の映画を見てきた私でさえ初めて取り上げているのを見た。主人公のブワンが数ある障害や垣根を超えてそれぞれの強みを見極めてチームを形成していくリーダーシップも見所。
圧倒的なダンスパフォーマンス
この映画はグジャラート州のBhujという地域の近隣で撮影された。広大な大地で披露するダンスはインド映画でもトップクラスのパフォーマンスだと言い切れる。一つ一つの曲が長めのため、結果的に本作品は3時間43分という超長編映画となっているがその圧倒的なパフォーマンスは一見の価値あり。ダンスだけでなく、地元の村民1万人をエキストラとして起用しているシーンもあり何から何までスケールの格が違うので是非一度は見ていただきたい。