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強くなれ
3年前自殺した父を想って、今も絶望を感じる時がある
でも今の私はそんな自分すらも受け容れている、許している
だけど
「強くなれ」
って言葉をもらった
すこしだけ、残酷な気もした
私は人前では、悩みも何もなさそうに笑っている自分でいたい
強く見られていたい
だから、
私情は関係のない周りには出さない
弱音は吐かない
前向き発言
これは私の鉄則
だけど弱いときだってある
そんな時は心の許せる人に甘えて沢山泣きたい
そんな一面もあるからこそ、私は人の痛みがわかる人間でいられる
私は相手の気持ちをよく考えて、相手の痛みに気づくことのできる自分をすごく大切にしている
私がいつか、だれかの言葉に救われたように、
私がいつか、死ぬことを留まったときのように、
私1人の言葉で一瞬でも救われる心や命があるなら、私の時間を使ってでも寄り添いたい
そんなふうに考えられる今の自分も、なんだかんだ愛せている
3年前父が死んだ時、遺された親族の元気印であろうと思うがあまり、誰にも心を開かない、誰にも頼ろうとしない、側から見たら「強い自分」が出来上がった
絶対に弱さなんて見せない、可哀想なんて思われたくない、そう思うがあまり、自分の周りに何重にも壁を作った
その結果、時折襲いかかる苦しみは、それが過ぎ去るまで1人で耐えるしかなかった
真っ暗な部屋で目が慣れて、天井の模様が見えるまであれこれ思い、黒い塊がいなくなってくれるのをずっと待つ
あの時間、クソほど大っ嫌いだった
だけど強かったから、強くありたかったから、1人で耐えた
そんなふうな自分と過ごしていたら、人の気持ちがまるでわからなくなった
想像しようとしても、全く想像できなくなった
弱みを見せる人間がくだらなく思えて、相談を受ける時間も無駄に思えて、自分で乗り越えればいい、1人で解決すればいい、強くなる努力をしたらいい、大切なはずの友達にすら、うっすらそんなことを思ってしまう自分になった
自分の理想像を他人にも押し付ける
自分史上、一番大っ嫌いで最低な自分だった
だから、死のうとした
でも、失敗に終わった
強いはずの私が死のうとした事実だけが残った
そしたらずっと苦しかった気持ちに気づいてくれる人がいた
私はやっと、鎧を着た自分から解放されるような感覚に陥った
それから私は、弱く、柔らかくなれた
強い自分はかっこよかったけど、弱さを見せられる自分の方がらしく思えた
弱いところを見せる強さがあることで、周りも弱さを見せてくれるようになった
また人の気持ちに寄り添えるようになった
人間それでいい、心からそう思った
強く見られるのは嬉しい、だけど本当に強い自分を目指すことで、あの時の人間ロボットみたいな自分には戻りたくない
「そんなことで悩むな」
「人生なんとかなる」
「大丈夫大丈夫」
「がんばれ」
「時間が解決するから今は耐えろ」
あの時の自分の言葉が一体どれだけの人の心を傷つけてきただろう、
私の言葉を求めてきた相手の中で、期待外れの私の言葉にどれだけの人が失望しただろう
今となっては恥ずかしくて考えたくもない。
強くてかっこいい自分に固執してただけだった
私にとって「強さ」は相手にとって刃物になってしまうだけだった
「強くなれ」
弱く見えた私にかけられた言葉なんだろう
目指すべき姿が1人だけ思い浮かんだ
それは私の母の姿
母は、どう考えても強い
世界中のどこ探しても、こんな人間はいないと思えるほどだ
だけど母は、よく泣くし、愚痴だって漏らすし、落ち込んでる時もあるし、なんかよく考えると、弱さも全然あるのかもと思えた
それでも母を見て「弱さ」を感じたことなんか一度もないどころか、母親としての強さばかり目の当たりにしてきて、一つだけわかった
母の強さは、生き様だ
泣いたっていい、弱くなる時があったっていい、
ただ、必ず自分の信念に戻ってくる強さがある
今日も変わらずそこにいる強さがある
なんでも受け止める強さがある
大事なものを命懸けで守る強さがある
生き様が、強いんだ
「強くなれ」
もらったこの言葉には、私は生き様で返したい
弱い時は弱くある、弱い自分に抵抗はしない
だけど必ず立ち上がる
前を向く
人の痛みがわかる
守りたいものを守り抜く
大切なものを大切にし続ける
幸せにしたい人を幸せにする
それが私の考える「強さ」だから