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尊敬の念が脳天を撃ち抜いた。


今日は絶対、絶対絶対noteに残そうって思う出来事が起きた

というのも今日、夜に犬のお散歩をしていたら、上着のポケットからiPhoneが消えていたことに気がついた
落とした可能性があるのは、1キロ弱ある歩道の直線上。
普通の歩道ならまだしも、草むらが大好きな犬に合わせて歩いていたので、きっとその草むらの中に落とした。
1キロ弱の草むら。
軽く絶望した。

すぐさま来た道を引き返し、探しながら歩いてみるも、暗くてほとんど見えない
iPhoneで照らそうと思ったら、iPhoneが無い。
家に帰ってから交番に電話をかけようと思い、交番の電話番号を調べようと思ったら、iPhoneが無い。
交番までの道のりをmapで出そうと思ったら、iPhoneがない。
うろ覚えの場所にある交番にたどり着くと、
「何時ごろ落としましたか?」
と尋ねられ、時間を見ようと思ったら、iPhoneが無い。
遺失物届出を出し、帰宅して友達に連絡ができないことを伝えようと思ったら、iPhoneが無い。

この数十分だけでも、普段からどれだけのことをあの小さな機械に頼りきっているかを、これでもかと言うくらい実感した

もはやiPhoneがないと何も始まらないので、気を取り直してもう一度探しに出た

草むらをキョロキョロしながら歩く私が、いかにも探し物をしている人間に思えたのか、
「何か探してるのかな??」
と自転車で通り過ぎた男子高校生3人組が会話していたのが聞こえた

このような場合、人に助けてもらうことなんて少しも頭になかったので、そのまま数十メートル、しっかりキョロキョロしながら歩き続けた

すると
「あの、すいません!なにか探し物ですか!?」
と声が聞こえた

振り返ると、先ほどの男子高校生3人組がわざわざ戻ってきてくれて、声をかけてくれたのだ
驚きすぎて「うん…。iPhone…。」とかいう子どもぽい返事をしてしまった自分が、今思えば少し笑える

「iPhoneはやばいっす!一緒に探しますよ!」
と言ってくれる彼ら。
ものすごくありがたくて、すぐにでも頼りたかったけど、私はもうすぐ25歳だから、大人なのだから、
「いいよいいよ。帰り遅くなっちゃうよ、親御さん心配しちゃうよ。」
と言ってみた
それでも手伝うと言ってくれる彼らを目の前に
「え…じゃあお願いします…。」
と、すぐ甘えた。もうすぐ25歳なのに。大人なのに。

ケースの特徴を伝えると、快く了解してくれたが、落ちてる可能性がある範囲を伝えると、彼らも軽く絶望してた
(だから言ったじゃん…)と思ったけど、
もうこの際全力で頼ることにした

2人が1キロ先まで走り、両端から探していく形を取ることになった
1人で探してる時より本当に頼もしくて、ちょこっと泣きそうになった。
3人も協力してくれれば1キロもあっという間で、十分くらい経ったら
「ケータイこれですか?」
と、ハニカミ半分ドヤ半分で私のiPhoneを手に持って歩いてきてくれて
「わー!それです!本当にありがとう…!!」
と5回は言った。

大人として、ありがとうだけで終わるわけにはいかないと思い、
「これでラーメンでも食べてほしいです」
と3000円を渡した

最初はお金をもらうなんてできませんと言っていたが、ラーメンというワードが魅力的すぎたか、ちゃんと受け取ってくれた。
そのあと「こんな大金!あざす!」とか言って3人揃って土下座してきて、なんだか可愛くて面白すぎて手叩いて笑ってしまった
「かわいすぎるので写真を撮りたいです、もう一回土下座してもらえますか?」
って頭のおかしいお願いをして、思い出に写真も撮らせてもらった


こんなに感動したことが今まであったかなというくらい、私にとっては感動する出来事だった。

困ってる友達を助ける、店員としてお客様を助ける、バスの中で妊婦さんに席を譲る、みたいな、
助ける側と助けられる側の関係性がわりかし明確な場合は、助けることができる人も多いと思う。

だけど、道に落とし物をしてしまったとか、迷子の子がいるとか、事故で怪我をした人がいるとか、
誰が助けにいってもいいような、自分以外にもその人を助けられる人は沢山いるようなそんな状況で、先陣切って困っている人に手を差し伸べられる勇気と優しさが、心から尊いものだと思った。
絶対に、誰にでもできることではない。
見過ごしてもいいのに、見過ごす選択肢をしなかった彼らが、私にとってはかっこよすぎた。

私が高校生のとき、そんなことできただろうか。
それどころか今までの人生で、そんな勇気、出せたことあったろうか。

そんなことを考えていたら、彼らに大きな尊敬の念が湧いてきて、その綺麗な心に触れる機会が与えられた今日に、感謝せずにはいられなかった。

尊敬や憧れは、年齢なんて関係ない。
私は今日、赤の他人であった彼らを本気で尊敬した。
その心を見習い、勇気を出したい場面で今日のことを思い出すと決めた。

大切なことを教えてくれた彼らに本当に感謝だ。
ラーメン、美味しくたべてるといいな。

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