見出し画像

24 幽霊もブチギレ

これは、友人Yから聞いた話です。

Yの専門学校時代、Xさんという先輩がいました。後輩にもフレンドリーで優しい人でしたが、かなり自由奔放な性格だったそうです。YはそんなXさんに憧れもありましたが、特に性に関してだらしない様子を心配し、何度か忠告したこともあったとか。

もちろん、Xさんが気にするわけもなく、変わらず遊び歩く毎日。それでもYとは合コンやバイトを共にし、帰りが遅くなるとXさんの家に泊まることもありました

Xさんのアパートは東京の中心地にあり、立地は良かったのですが、すぐ隣にお墓があるのが少し不気味だと感じていました。

ある日、Xさんがこんな話をしてきました。

「昨日さ、霊に怒鳴られたんだけど…」

昨晩、Xさんは友人と飲み歩いた後、深夜に珍しく一人で帰宅。シャワーを浴び、ベッドに飛び込んですぐ眠りました。

どれくらい経ったか、隣の部屋で足音がして目が覚めました。

(鍵、閉め忘れた…?)

急に不安になりましたが、すでに誰かが侵入しているかもしれない以上、どうしようもありません。ただの泥棒なら金を取って出ていくだろうと、布団に包まり眠ったふりをしました。

しばらくすると、気配が寝室の方へ。さらに、なんだかじっと見られている感覚が——。

(まさか、強姦? 殺されるくらいなら、黙って受け入れるしか…)

Xさんは意を決して布団から顔を出しました。すると、そこには、年配の外国人男性が立っていました。そして次の瞬間。

「B i t c h ! ! !」

突然の大声とともに、彼はスーッと薄暗い部屋の中に消えていったのです。Xさんは一瞬呆然としましたが、「まぁ、いいか」と二度寝。翌朝、Yにこの話をしたのでした。

Yは思わず言いました。

「霊にまで怒られてるじゃないですか!さすがに気をつけたほうが…」

しかしXさんは特に生活を改める様子もなく、そのまま遊び続けたそうです。現在、YはXさんと連絡を取っていないため、十数年経った今どうしているのかは分かりません。

さて、あの霊は一体何だったのか。Xさんのアパートの隣にあったのは、どうやら外国人墓地だったそうです。夜な夜な違う男を連れ込むXさんに、幽霊も呆れを通り越して、ついにブチギレたのかもしれません。

お墓の横に住んでいる皆さん。幽霊にまで怒られるような生活をしていませんか? それなら、そろそろ見直したほうがいいかもしれませんね。

椿 ちゅん

いいなと思ったら応援しよう!