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mityururu
07 ガードレールの下に
中学生の頃、家から徒歩15分ほどの友人宅に遊びに行ったときのことです。ひとしきり遊んだ後、私は暗くなる前に帰ろうと夕方に家路につきました。
帰り道は二車線の道路沿いで、私が歩いている側の反対の歩行者通路は、人ひとり通れるかどうかという狭さでした。その奥にはガードレールがあり、その向こうは斜面になっています。
ふと目を向けると、ガードレールの下を何かが歩いているのが見えました。
それは、小さな人型の生き物のように見えました。身長は30〜40センチほどで、全身が生成り色に近い淡い白。その姿は、任⚫︎堂のキャラクター、ピ⚫︎⚫︎ンに似ていて、頭が尖っていました。
顔はよく見えなかったものの、どこか人間に近いバランスをしており、布のようなものを斜めがけにしていました。まるで、イエス・キリストのような姿です。性別があるのかどうかは分かりませんが、白い肌と同じ色合いの布が妙に印象に残りました。
突然の出来事に頭が追いつかず、私はその場で立ち止まり、呆然と見つめていました。
すると、それがこちらの視線に気づいたようで、一瞬だけ顔をこちらに向けると、次の瞬間にはすごい速さでガードレールの下をくぐり、斜面の奥へと消えてしまいました。
慌てて道路を渡り、斜面の方を探しましたが、結局もう一度その姿を目にすることはありませんでした。
あの生き物の正体は、今も分かりません。妖精か、宇宙人か。全身が真っ白だったことから、もしかしたら、どこか地底から来た存在なのかもしれません。真実は、いまだ闇の中です。
椿 ちゅん