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03 あるはずのない部屋

このnoteを書き始めようと思った直後、いきなり心霊現象が起きたので、記録として残しておこうと思います。

夫の用事に付き合って東京に行った日のことです。事前に「用事が長引くかもしれない」と言われていたため、以前から気になっていたブラジャーのフィッティング体験を予約しておきました。

お店に着いてすぐフィッティングルームに案内され、丁寧なヒアリングと測定を受けました。店員さんが試着用のブラジャーを持ってきて、「まずはご自身でつけてみてください。つけ終わったら、こちらのボタンを押してお呼びくださいね。」と言い残し、部屋を後にしました。

初めての矯正ブラジャーに少し戸惑いながらもなんとか着用し、ボタンを押しました。しばらくして、店員さんがカーテン越しに「よろしいでしょうか?」と声をかけてきました。そして、少し不思議そうに「いま、ボタン押されましたよね?」と確認されました。

押したから来てくれたのでは?と思いつつ、「はい、押しましたよ。」と答えると、店員さんはほっとした様子でした。何か気になることがあったのかと尋ねると、店員さんはこう言ったのです。

「お客様のいらっしゃるのは4番ルームですが、8番ルームから呼び出しがあったと表示されたんです。ただ、今のお時間、他にフィッティングをご利用されている方はいらっしゃいませんので、お客様が押されたのだろうと思って参りました。」

私が「機械の故障ですかね?」と尋ねると、店員さんは困惑した表情でこう続けました。

「でも、8番ルームなんてこのお店には存在しないんです。なので、そもそも表示されるはずがなくて。」

椿 ちゅん

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