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【東欧旅行記】二千年の都トルコ・イスタンブール街歩き 猫にあふれたアジア風ヨーロッパの底知れぬ魅力

こんにちは。
ドイツ・ミュンヘンに留学中の大学生、桜です。

前回に引き続き東欧旅行記5か国目は、ヨーロッパの東の端トルコ・イスタンブールにやってきました。



二千年の都イスタンブール


今回やってきたのはトルコの西側に位置する都市、イスタンブール。

歴史を軽く紹介します。
今でこそトルコの首都はアンカラですが、これは1923年にオスマン帝国のスルタン制から共和制に移行する際に遷都されてからの事。

今からさかのぼること2700年前、かつてのギリシア人がこの地をビザンティオンと名付けて植民市を建設し、その歴史は始まります。

330年には時のローマ帝国皇帝コンスタンティヌスによってここがコンスタンティノープルという名の都となり、
ローマ帝国の東西分裂後は東ローマ帝国、あるいはビザンツ帝国の都として千年の歴史を咲かせます。
ここで栄えたビザンツ文化は、ヨーロッパとアジアをつなぐ東西交易の要所という特色を生かした、古代のギリシアやローマの文化にキリストやペルシャ、イスラム文化が混ざり合った独特のものでした。

1453年にビザンツ帝国はオスマン帝国のメフメト二世によって滅ぼされ、ここにオスマンの都として建設されたのが、イスタンブールでした。

このようにビザンティオン→コンスタンティノープル→イスタンブルと名前を変えながら、ローマ、ビザンツ、オスマンという大帝国の都として二千年以上栄えた街。

その歴史と東西交流によって生まれる独特の世界観を楽しみたいと思います。

到着

ハンガリーを離れて
トルコに到着。


じつはイスタンブールには海峡を挟んで空港が二つあり、
一つはアジア側のサビハ・ギョクチェン空港(右下)、もう一つはイスタンブール空港(左上)で、アヤソフィアなどを有する観光の中心部は海峡の下端(真ん中)にあります。

イスタンブール


今回降り立ったのはアジア側のサビハ・ギョクチェン空港。
ヨーロッパ側のイスタンブール空港行きの便もあるにはありましたが、如何せん値段が異様に高く・・・
中心部には、電車に一時間ほど乗ったのち船で海峡を渡るルートで向かいました。

船も高いのでは?

いいえ!
トルコの交通機関の乗り方ははとても簡単で、この海峡を渡る船、実は電車と同じような改札があり電車と同じ回数券で乗ることができ、この回数券実は3回で11トルコリラ(0.3ユーロほど)なんです。


この三回券を使って電車と船に乗ります

そして今回渡った海峡こそ、世界で最も重要な海峡の一つ、ボスポラス海峡です。

ギリシャ沿岸のエーゲ海からマルマラ海をつなげ黒海へ抜けるボスポラス=ダーダネルス海峡のうち、北側に位置するボスポラス海峡。

14世紀にオスマン帝国がここを通ってバルカン進出を果たし、
18世紀には地中海進出を目指すロシアと、オスマン帝国や欧州列強諸国との間で争いが起きるなど、
アジアとヨーロッパをつなぐ要点としてだけでなく黒海と地中海をつなぐ要所として古来重要視されてきた海峡。

ここを今から0.1ユーロで渡ります。


海峡のアジア側。やはり海辺の町は発展するものです。


さて、ヨーロッパ側に到着すると異様な匂いに鼻を襲われ何かと思って目を凝らすと、


奥には光り輝くスレイマニエ・モスク

釣り人がぎっしりとガラタ橋の上を占領し、皆競うように魚を釣っていました。

つーんと鼻にくる匂いとお裾分けをいただきに来る猫たちがいましたが、
綺麗な海とは言えないがろくな魚が釣れるのか?と思ったり。

対岸には、堂々と輝きを放つスレイマニエ・モスクが佇んでおり、
ヨーロッパとは全く違う眺めと空気に圧巻されます。

橋を渡ってすぐそばには、水色と白のコントラストが美しいモスクが。


モスクの前で出会った三毛↓

イスタンブールの夜の町を歩きます。

人と猫が多い


ヨーロッパとイスラム世界をつなぐ場所・イスタンブール。
東西の結節点さながらに、その街の雰囲気はとても異様なもので、

建物はとてもヨーロッパ風なのですがところどころにモスクが見えたりヨーロッパよりも人や建物が密集していたり。

地下商店街のような場所に至っては夜8時を過ぎているにもかかわらず人がごった返していて、アジアの異国情緒を感じる雰囲気でした。

そして、トルコに猫が多いというのは風のうわさで聞いていたのですが、想像していたよりも多い!そして人懐っこい!

野良の子が食べられるよう餌を置いてくれている家が多い
バイクの上の猫
器用な仔猫

この日、到着してからホテルに向かうまでの道中だけで10匹は見かけました。
通りすがりの人たちは猫に挨拶をしたりポンポンと撫でて行ったり…
そしてそれに全く動じない猫たち。

聞くところによると、イスラム教では開祖ムハンマドが猫を飼っていたことから猫を大切にする習慣があるのだとか。
トルコでは厳格な動物愛護法によって猫が暮らしやすい街になっており、猫用の救急車まで存在しているそうです。

ブルーモスク


イスタンブル観光と言えばモスク。
まずは、ブルーモスクとしても知られるスルタンアフメトモスクへ。


道中また猫ちゃん

そしてこちらがスルタンアフメトモスク。

世界遺産に登録されているイスタンブール歴史的建造物群の中でも、「世界一美しいモスク」とされるこのブルーモスクは異彩を放ちます。

さかのぼることおよそ400年前、オスマン帝国のスルタン・アフメト1世によって建設されました。

後ろから見たらこんな感じ

ちなみにこのモスク、宿泊したホテルの窓から絶好の位置で眺めることができました。

夜の存在感がすごい
朝はこんな感じ

ちなみにこのモスクの建設には面白い逸話が残っています。

通常モスクには「ミナレット」と呼ばれる尖塔がありますが、スルタンが「金色の(altın)」ミナレットを建てるよう命じたのを建てる側が「6つの(altı)」ミナレットを建てると聞き違えて、聖地メッカにあるカーバ神殿の6本に並ぶ本数を建ててしまいます。

当時、聖地メッカ以外のモスクはミナレットを4本までしか建ててはいけなかったため、6本建ててしまったアフメト一世はカーバ神殿に7本目となるミナレットを贈ったそう。


ブルーモスクはその内部も素晴らしいです。

イズミックタイルを使った内装とステンドグラスが細やかで美しいたくさんの窓は、イスラム教徒でなくとも見る者を魅了します。

ステンドグラスにずっと見惚れていました

ここはイスラム教の礼拝所であるため、一般人が見学で入場する際は「ヒジャブ」と呼ばれる髪や素肌を隠すための布や素足を隠すためのスカートを入り口で貸してもらい、これで頭や素足を覆って入ることになります。


こんな感じ

実は中に入るまでに約30分間列に並んだのですが、その価値がありました。

次に向かうのは、このブルーモスクと並んで有名なモスク、アヤソフィアです。

アヤソフィア


広い庭園と噴水を挟んでブルーモスクの向かい側にあるのが、薄い赤が特徴的なアヤソフィア。


噴水越しのアヤソフィア
振り返るとブルーモスクと野良犬が


トルコ語でアヤソフィア、ギリシア語ではハギア・ソフィアと呼ばれるビザンツ洋式建築の最高傑作であるこのモスクは、イスタンブルという都市の長く複雑な歴史をそのまま表しています。

起源はビザンツ帝国(東ローマ帝国)時代の首都コンスタンティノープルにおいてギリシア正教会の大聖堂として建築された6世紀にさかのぼります。

その後13世紀に一時カトリックの大聖堂とされ、1453年にオスマン帝国のメフメト二世がコンスタンティノープルを陥落させここが都イスタンブルになってからは、イスラム教のモスクとして1931年まで使用されました。

この間に幾度となく改築が繰り返され、現在の姿になっています。

最近でいうと2020年、それまでは博物館となっていたアヤソフィアを再びモスクとする大統領令をイスラム教のエルドアン政権が出しました。


横から見たアヤソフィア。今はミナレットも建てられすっかりイスラム教の姿


そしてこのビザンツ建築の最高峰をこの目に焼き付けようと入り口を探していたのですが……

なんと、混みすぎて入れない

内部が、とかではなくもはや庭園じゅうに列が張り巡らされた状態で、入ろうものなら待ち時間だけでこの日一日がつぶれるレベル。


モスクの前に何重にも折れて列をなす観光客
横を向いても途切れる気配がない
気づいたら私を取り巻くように庭の真ん中のほうまで列が


泣く泣く入場は断念しました・・・

次いつ来れるか分からないですが、次は時間に余裕をもって朝いちで並ぼうと思います。

日本語には注意


ただでさえブルーモスクの入場待ちに疲れ果てていたので、このあたりでお昼ご飯を食べることに。

日本人の友人と何を食べようか相談していると、後ろから日本語で声をかけられました。
自称日本の旅行会社での勤務経験を持つトルコ人の彼はボランティアで観光客に飲食店を案内しているそうで(どこまで本当かわかりません)、近くのケバブ屋さんやトルコ料理屋さんを流ちょうな日本語で紹介してくれました。

「日本人はシャイですね~関東の方ですか?」
と言われたので、いかにも怪しい感じで近づいてきてそりゃあ警戒もするだろ!と思いながら
「大阪ですよ~」
と答えると、
「大阪の方もうちょっとおしゃべりな人が多いと思っていました!」
と言われてむっとしながらも・・・

彼が教えてくれたお店のうちの一つが観光客でにぎわうオープンな場所にあり、お値段もそれほどしなかったので、そこでお昼をいただきました。

ココナッツとスパイスの味がするチキンと野菜、美味しかったです。


テラス席にしてもらいました

他にもカッパドキアは行かないの?と聞かれたり、
おそらく日本人観光客が多いんでしょうね…

あんまり変な話はできないなと、警戒心を高められた出来事でした。


おなかもいっぱいになったところで、この記事ももうすぐ4000字。ジャルジャルもびっくり。

イスタンブル編をひとまずここで区切りたいと思います。


これはペルシャじゅうたん屋さんのまえの猫さん


次回は、おそらく私の人生で一番の命の危機を感じた話。

それではまた!

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