【イタリア縦断旅】女神の名を持つ花の都・フィレンツェで迎える誕生日
こんにちは。
ドイツ・ミュンヘンで留学生活を送る大学生、桜です。
ヴェネツィア→ミラノと続く春休みのイタリア縦断旅、今回は少し南に進み、イタリア語で“花の都”の名を持つフィレンツェ編。
前回のミラノ編↓
「クリミアの天使」と呼ばれたイギリスの看護師の名も、彼女が生まれたこの都市から取られた「フローレンス・ナイチンゲール」。
私がフィレンツェと言う都市の存在を知ったのも、歴史の偉人の漫画・ナイチンゲール編を見た時だったのを覚えています。
あの漫画、きっとまだ実家にあるはず。笑
古代ローマ時代、花の女神フローラに由来して名付けられた美しい都市フィレンツェを、のんびり観光してきます。
花の都フィレンツェに到着
ミラノから電車で約2時間、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着。
ドイツでは見ることのない全面扉式の大規模な改札に驚きながら、フィレンツェ初上陸。
駅構内にはイタリアの貴族の絵でしょうか?が描かれていましたが、そんなことよりも、
こんなに分かりやすい場所にある時計の時間が思いっきりずれていました。
「時間にルーズ」と言われているイタリア人は3時間近くのズレも気にならないのでしょうか…
駅前の道をずーっと北上してホテルに荷物を置きに行きました。
トラムの顔が丸くて可愛かった↓
ホテルに到着して少しゆっくりしていると、日本にいる母からLINEが。
そう、実はこの日は私の誕生日前日で、いま日本は一足先に日付が変わったころ。
ここイタリアで、ハタチ最後の時間を楽しみます。
素敵なバーで迎える誕生日
ヴェネツィア、ミラノと観光続きで疲れた体を休ませていると、時間はもう夜。
どこで誕生日を迎えよう・・・とGoogleマップでいい感じのお店を探しやってきたのが、一見お店に見えないここ。
中に入るとそこは、長い白髪のイケてるおじいさんが一人で切り盛りしている素敵なバー。
カウンターには大量の新鮮なフルーツ。
狭めの店内は現地のイタリア人たちで賑わっていました。
それにしても、イタリアの人って本当に全員が色んなタイプの美男・美女で驚きます。
今まで訪れたヨーロッパの国の中で、私的に一番美男美女が多い国かもしれない…
私たちと入れ違いで出て行ったお客さんも綺麗な人ばっかり!
店内にはおそらくマスターが描いたであろう絵が飾られていたりして、素敵な雰囲気。
バッシング前の散らかったテーブルすらアーティスティックに見えてしまう(笑)
そして私が注文したのは、フルーツ盛りだくさんのカクテル。
ドリンク自体もフルーツを絞った果汁とリキュールしか使っていない(名前忘れちゃった)このカクテル、この豪華さで12ユーロ。
ということで、いよいよ時刻は午前0時。
ドイツに留学しているにもかかわらず、イタリア・フィレンツェの地で21歳を迎えました。
大げさじゃなく、今まで行ったことのあるバー(日本、ドイツともに)を越える、人生で最高に素敵なバーで誕生日を迎えられてとっても幸せ。
いつか再びフィレンツェを訪れることがあれば、また絶対に来ようと思います。
すごくすごく素敵な場所なので、ここにも貼っておきます↓
LINEのお祝いも何気に嬉しい↓
ということで、21歳も私のペースで生きていきます◎
ウフィツィ美術館
翌朝、
今日は朝から美術鑑賞。
道中では、フィレンツェ中心部のアルノ川とそのほとりに広がる歴史地区の街並みを楽しむことができました。
川がイメージより少し濁っていたものの、ルネサンスの文化が花開いた街の様子は確かに芸術的。
晴れたらもっと綺麗だろうなと思ったので午後からに期待します。
到着しました、ウフィツィ美術館。
ここはルネサンス美術で有名な、ヨーロッパ最古の美術館の一つ。
とはいっても実は、予約した入場時間が迫っていて…
次の日に撮った美術館の外観を貼っておきます↓
予約していた電子チケットをチケットオフィスで引き換え…
じゃん。
(昨日と同じ服を着ているのがバレました)
ルネサンス期・イタリアの正解を牛耳った医者家系のメディチ家が所蔵した美術コレクションを展示している、このウフィツィ美術館。
※ちなみに“メディチ”とはラテン語の「医療」という言葉に由来するため、彼らは根っからの医者家系。当時も今も、お医者さんはお金持ちなんですね。
そしてメディチ家は、今から見る多くの名画を手掛けたボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなど数々の偉大な画家たちのパトロンとなりました。
まさに、ここフィレンツェに芸術を花開かせた存在。
これも一つの美術作品としていいんじゃないかと思うくらい素晴らしい天井画の廊下には、復元されたヘラクレスとネッソスの像。
私が好きなYouTuberのスーツさんなら言いそう、
「廊下にずらりと並んだ誰か分からない彫刻よりも、私はこの天井画のほうがよっぽど美しく思いますね~」と(笑)
『聖家族』ミケランジェロ
ルネサンスの三大巨匠の一人、彫刻家として有名なミケランジェロが弟子や助手の手を借りずに完成させた唯一のパネル画だそう。
ミケランジェロもデザインを手伝ったという当時の額縁が今も使われています。
『ヴィーナスの誕生』ボッティチェリ
初期ルネサンスの名画『ヴィーナスの誕生』は、ローマ神話における愛と美の神ヴィーナスが海の泡から誕生したというエピソードをもとに描かれています。
ちなみにギリシャ神話における愛と美の神・アフロディーテとは同一神とされています。
『春(プリマヴェーラ)』ボッティチェリ
そしてその『ヴィーナスの誕生』と対の映画として描かれたのが、ボッティチェリの作品として同じくらい有名なこの『春』。
中心の一段高いところにいるのがヴィーナス、左側にいるのが三美神、上で飛んでいるのが愛の神・キューピッド、そしてヴィーナスの右隣にいるのがこの町の由来にもなった女神・フローラです。
さて、美しい天井画を見上げながらどんどん進みます。
『受胎告知』レオナルド・ダ・ヴィンチ
忘れてならないのが、万学の天才・レオナルドダヴィンチによる『受胎告知』。
このシーンはさまざまな画家によって数多描かれていますが、ダ・ヴィンチのものをこの目で見られたのには感動。
ちなみにこの絵史上3度目の館外展示が東京で行われたというのも、後日知って驚きました。
そして進んでいくと、、、
このルターの絵、たぶんルターと言えばの一番有名やつ…?
でもフィレンツェってカトリックだったんじゃ…
という疑問は結局解決せず。
そしてたま~に見かけるこの石像。
足の裏をいじってるポーズなのですが、どういう意味なんでしょう…?笑
『メデューサ』カラヴァッジョ
暗めの色彩の絵が特徴的なカラヴァッジョの絵画には珍しく真っ金金の背景に描かれた、ギリシャ神話の怪物・メデューサです。
それにしても・・・
美術館とかウィンドウショッピングするときとかの、
館内の硬い床をちまちま、じわじわ歩くのってすごく足に来るのは私だけでしょうか…
イタリア旅行、芸術の都だけあって美術館に行くことが多かったのですが、足が相当疲弊しました…
名物・パニーニ
ここでちょっとお昼休憩。
フィレンツェの名物らしいお店に向かいます。
写真の中で見えてる人の半分以上は(わかりににくいですが)列に並んでいる人。
どうやらすごく人気のお店なよう。
ここはパニーニ(=イタリア語でパン)のお店。
中に入るとカウンターで注文してその場でつくってもらい、奥に進んで「何頼んだの?」って聞かれてお会計するシステム。
難しいイタリア語で覚えてるわけなかろう!!と思いながらもなんとかお会計。
ということで名前は忘れましたが、私が頼んだピスタチオクリーム、チーズ、ハムが入ったパニーニ↓
見た目以上に重すぎて途中でコーラを買いに行きましたが、綺麗な景色を見ながら食べるフィレンツェ名物、美味しかったです。
旅をするといつも飲まないコーラを買っちゃいがちなのも、私だけでしょうか…笑
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
フィレンツェが誇る大聖堂へ。
通りすがりのチェンジスポットで見て驚愕しました。
多分この時で1ユーロ160円くらいだった気がする。足元見過ぎ!
止まらないユーロ高に、ドルは分かるがユーロに関してはただの過大評価だろう、と悶々と歩いているうちに、
到着しました。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂です。
「花の聖母マリア」の意味を持つこの大聖堂は、ピンク・緑・白の色合いが美しく、まさしく花にたとえられるはずだという出で立ち。
サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼、そしてドゥオーモ(ミラノでも出てきましたね笑)の三本仕立てでフィレンツェのランドマークを務めているここは、石でできたものの中では世界最大の大聖堂。
そして見逃せないのが、洗礼堂の東側で金色に輝くこれ。
これは、ミケランジェロが「天国への門」と称えたことで有名になった扉。
※天国の門とは、キリスト教世界において人が死ぬとその前に立ち、ペテロ(十二使徒の一人であり初代ローマ皇帝とされる)によって審査を受け、天国行きとみなされた者のみが通れる門だそう。
続いてこちらがジョットの鐘楼。
詳細は覚えていませんが、ここに上るのにめちゃくちゃ高いチケットが必要で断念しました。
(あとでもっといい場所から絶景を楽しむ予定なので…)
そしてこちらが、世界最大規模のドーム。
下から見ても小さくその存在を確認できるドーム先端のブロンズ球ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチがこのデザインにかかわったということを自身で示唆していたそう。
さすがに細かなデザインまでは確認できませんでした。
ドーム自体への入場は無料と言うことで、信じられないくらい長蛇の列に並んで中へ入ってみました。
ちなみにここ、春休みと言うこともあってか日本人が本当に多くて、街のあちこちで日本語が聞こえる環境が少し違和感でした(笑)
中は大小さまざまなステンドグラスなどで装飾されただだっ広い空間でしたが、なんといっても…
ここの最大の見どころはこのドーム部分の天井に描かれたフレスコ画でしょう。
これはミケランジェロの弟子らによって描かれた『最後の審判』で、円形の構造をうまく利用して描かれています。
しかしイタリアの街、どこにいってもミケランジェロが登場してくるので、そのたびに彼のルネサンス期に与えた影響の大きさを思い知らされます。
首がもげるくらい魅入ったあとは、フィレンツェの街中をぶらぶら歩いてみます。
メディチ家礼拝堂
先ほどの通り、ここフィレンツェに文化が花開いたルネサンス期におけるメディチ家は、江戸時代における徳川家と同じくらい、切っても切り離せない存在。
そんなメディチ家が栄えた証が、今朝のウフィツィ美術館のみならず町の至る所に残されています。
そのひとつが、ここメディチ家礼拝堂です。
正式名称はサン・ロレンツォ礼拝堂。
ここはミケランジェロ(また出てきた)によって設計されたことでも有名で、メディチ家の人々の墓所となっています。
見た目は思ったよりも地味な感じでしたが、中は大理石などが使われていてとても豪華だそう。
イタリアンジェラート
朝のパニーニ以来何も食べずに歩き回っていたので、そろそろ小腹も空いてくるころ。
ピザにパスタに、美食の国イタリアに来て食べなければならないものは数えきれませんが、中でも主要メンバーに入れるべき一員として挙げられるのは“ジェラート”でしょう。
良い感じのジェラート屋さんを歩きながら探します。
ちなみにジェラートって、イタリア語で「氷菓子」や「凍ったもの」と言う意味だそうで、もっと「イタリア産のものにしか付けてはならない【由緒正しきアイスクリーム】」みたいな意味を想像していた私は拍子抜け。
あと、ジェラート屋さんを選ぶ時のコツとして「見栄えのためにこんもり盛られたジェラートは微妙。いっぱい掬われた見栄えの良くないお店は美味い。」ということも、YouTubeで学びました。
そんな学びを生かして選んだのがこのお店。
いっぱい掬われて全然盛られていない↓
選んだ味は、マンゴーとココナッツ。
アイスの味で、バニラやイチゴ、抹茶などには当たりはずれがありますが、
マンゴーとココナッツとピスタチオに関しては、はずれを引いたことがありません。
どこのお店でも私の選ぶメニューに大体はずれが無いのは、舌の肥えている父譲りの才能かも。笑
そうこうしているうちに、街にかかった分厚い雲も少しずつ流れて行ってるかも…?
太陽が見られることを祈って、ここからはちょっとした山登り。
フィレンツェの夕暮れ
フィレンツェの街並みを一番綺麗に見渡せる場所へ。
川を渡ってこの塔が目印。ここを曲がって丘を登ります。
途中、綺麗な滝に目をいやされながらも、結構な山登り。
移動続きの疲れた体に鞭打って、夢中で登りました。
そしてたどり着いた丘の上の、「“ミケランジェロ”広場」。
今日で何度、彼の名前を目にしたか分かりません。
良い感じに太陽が出てきてフィレンツェの町を照らし、観光客は皆階段に座ってストリートミュージシャンの音楽に耳を傾け、これ以上ない最高のプロポーション。
「屋根のない美術館」と称されるフィレンツェ歴史地区に、その美しさをこれでもかと見せつけられました。
そういえば、すっかり忘れていたけれど、今日は私の誕生日。
21歳の幕開けに、良いものが見れました。
太陽が少しずつ落ちてきて、夕暮れ時になると町は淡いピンクに染まり、曇りだと思っていた空も次第に晴れ渡って空の青とのコントラストが綺麗。
私のピンクのサングラスからは、もっとCGみたいな夕焼け空が見えて、それはそれで綺麗でした(笑)
あっという間に日は沈み、みなさんぞろぞろと街のほうへ。
陽が沈むと気温も一気に下がり、3月と言えどもまだまだ夏は遠いなあと感じました。
誕生日を過ごした美しい街フィレンツェ。
目も耳も口も満足させてくれる魅力あふれる街。
イタリアにもう一度行くことがあるなら、ここは滞在地の候補に入れるだろうなあとか考えながら、私たちも街のほうへとゆっくり丘を下りました。
イタリア縦断旅、まだまだ続きます。
それではまた!