【通年企画】50音ノベルゲームレビュー アッチむいて恋

作品データ

  • 作品名:アッチむいて恋

  • ブランド:Asa project

  • 発売日:2010/4/30

  • 企画/原案:天都

  • 原画:夕凪セシナ,ぱん太

  • ライター:天都,藤井リルケ

  • BGM作曲:rian,山下航生

  • OP製作:癸乙夜

  • 声優:五行なずな,松田理沙,遠野そよぎ,春河あかり,北都南

あらすじ

都会の学園から田舎の学園へ、単身編入することになった主人公、鳴海浩介。
しかし、学園側のミスにより住居となる予定だった部屋を失ってしまう。
田舎の為なかなか空いている部屋も見つからず途方にくれる浩介。

……どうする! どうしよう…

そんな中、唯一空いている部屋を紹介されたは良いが…そこはなんと…!!
女子寮ぉおおおおお―――――!!!

学園には男として手続きを済ませているため、仕方なく寮でのみ女の子の格好をする事に。
かくして、学園では男、寮では女という奇妙な一人二役生活が始まった。

ちょっぴり危険な二重生活の行方はいかに…!?t

https://www.asa-pro.com/top/new/index.html

評価データ

  • C(キャラクター要素)5点
    バカゲーの名にふさわしいカオスで個性豊かすぎるヒロインとサブキャラクター達が最大の魅力

  • R(関係性要素)4点
    個別ルートに入ってみると意外と過去が重いヒロインが散見され、付き合うまでの過程に重きを置いている印象あり
    また共通における寮の仲間たちとのやり取りも大きな評価点

  • S(世界観要素)2点
    キャラクター要素があまりにぶっ飛びすぎているのでそんな印象にならないかもしれないが世界観自体は普通の田舎町

  • G(脚本・展開要素)2点
    一応個別ルートで物語への転を入れているが、ギャグとのギャップにかなり戸惑う出来
    唐突な部分もあるので正直出来は良くない

  • H(エロ)2点
    5ヒロイン毎に3シーンなのでシーン数自体は非常に満足……だがモザイクが異常に濃い
    男性器がもはや形さえ残っていない

  • E(演出力)3点
    思い付きはするがそれやっていいのか……とツッコみたくなるような演出を日常パートでやりたい放題ねじ込んでくる

戯言

ということで始まりました通年企画!
ノリと勢いと計画性のない馬鹿の全力疾走で始まりました本企画!トップバッターはAsa projectの第三作品目の「アッチむいて恋」、初期作品ということでスタッフも全然違う……と思いきやメインどころのスタッフはほとんど最新作にも参加しており、かなりレアなメーカーとなっています。元々同人サークルから始まったメーカーとはいえこの作品から見ても13年の年月が経とうとする作品、システムや声優陣を見ても少々時代を感じるものがあります。……まあ声優のほとんどがこの数年で新作に出てるんだけどな。びっくりだよ、本当に。
そんな今作ですが、変顔が大きな売りになるのはこの次の作品である「恋愛0キロメートル」から、それ以降はCS版が発売されていますが本作は発売されていなかったりします。先日発売された「ASaProject 15th Anniversary BOX」にも収録されておらず、少々影が薄めになっているのではないでしょうか。本作のテーマは寮でのみでの女装による二重生活、つり乙やオトメ*ドメインのように女学院に潜入するタイプの作品ではないので学園内では普通に男子として通い、そして女子として寮に帰っていくことになります。作品の売りとしても大きなポイントになっているこの2つの立場を利用した展開が大きなポイントになっています。男の時にはそっけないあの子が、寮で女装していると全然違う表情を見せてくる、そして自分との恋愛についての相談を女装をしている自分にしてくるなど1つの視点では見ることができないような表現を上手く使えているのではないでしょうか。
さてそんな表上の売りとコンセプトのお話はこのくらいにして……中身の話です。本作は現在に続く作品と同様、頭のおかしい非常に個性が溢れたキャラクターに溢れた作品になっています。ヒロイン、サブキャラクター含めて全員どこかおかしいです。表面上やばそうに見えないヒロインもしゃべり始めるとこいつ本当に大丈夫か?となり、表面上やばそうなヒロインはしゃべり始めるとちょっとひいてしまうくらいにはずっと頭おかしいです。てめーのせいだよ優由。

作品がカオスな主な原因

終始勢いと狂気とやりたい放題なノリで、誰に書かせたのか非常に気になるお絵描きコーナーや早口言葉(物理)、掟破りの証拠提示などなど本当にやりたい放題!これ許されるのはアサプロだけだろうな……と心から思う部分がかなりあります。
そんな騒がしい日常の中を過ごしていき、個別ルートに入っていくのですが……全体的に話が重いです。終始バカみたいなやり取りをしていた共通パートはどこに行ったのだろうか、温度差で風邪をひきそうです。妹のルナルートで語られる主人公の家族関係の秘密やかぐや先輩の過去、朱や美奈子の恋愛への葛藤など重いテイストで物語は進行し、そして特別な関係になっていきます。そしてルートによってはヒロインと付き合い始めてHなことを始めたらアッという間にエンディングへというパターンもあり、少々拍子抜けする部分もあったりします。まあ重すぎる展開が続くのもアレなのであっさり終わるのは良かったかもしれませんね。ただ美奈子ルートは終始重めです。覚悟しておきましょう。なら個別ルートは全体的に微妙かと言われればそうではありません。付き合うまでの過程の部分は売りである女装時の視点も上手く使い変化していく心情の描写がかなりしっかりできていたりします。とりわけ印象に残っているのは朱ルート、現在ではアサプロの名ディレクターとして君臨している天都が担当しているのもあってか売りにしてきた要素を全力で使い切る勢いで使っていきます。正体を知ってしまった直後の表情の変化なんて特によかったです。優由ですか?短いながらもそんなに悪くもなく終始明るいノリで展開していきます。そもそも真っすぐな彼女が暗くなるのも変な話ですし、らしくもあって良かったと思いますよええ。短いけど。なんか気が付いたら終わってた気がするくらいにはあっという間に終わった気がします。本当に短かったのか、それとも勢いのまま進めたから短く感じたのかは謎のまま。ただ終わり方、いいのかそれで。
正直共通パートの勢いが個別ルートではかなり削られている印象、その分ヒロインの可愛らしい姿という部分には結構力が入っていると思います。重い展開とこじれ方で思うところはありますが、美奈子は本当に可愛かった。口調や恋愛に悩む姿などなど見どころは多めです。モザイクがかなり濃いので実用面は正直なぁ……という部分もありますがちゃんと女装姿でのHシーンも完備されているので女装ものという意味でも十分な出来です。音楽はOPED挿入歌どれをとってもかなりの出来ですし、サントラ目的で買ってみるのもありかもしれません。
さてそんな今作ですが人気投票が行われていました。誰が一位になったのか……なんとそれは……

人気投票1位 千歳杏樹(CV.木村あやか)

この千歳杏樹ちゃん!見た目も可愛いですが、数少ない常識よりの完成をお持ちの彼女、主人公が困ったときには助けてくれます!!そんな彼女に出会えるのは本作だけ!是非皆さんプレイしてみてください!

というノリでお送りしました第一回いかがでしたか?
こんなノリで作品についてあーだこーだ言っていきたいと思います。
ということで次回は「い」から始まる作品、どんな作品になるのでしょうか?
ヒントはこちら!予想してみてくださいね!

Next Hint!

○○可愛いはアレセイア

おまけ

昨年末にC101で頒布しました同人誌がメロンブックにて委託販売開始しました!!!!
既刊であったvol.5とvol.6の両方を委託しております。
vol.5ではSummer Pocketsハッピーライヴショウアップ!など最近の作品は勿論!コミックマーケット初サークル参加ということでこみっくパーティーといった少々古めの作品なんかも収録しております。
vol.6では2022年に発売された終のステラジュエリー・ハーツ・アカデミアを含む5作品や大きなターニングポイントになったと言われるTo HeartONE 輝く季節へを含む古めの作品も収録しております!
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是非ともよろしくお願いします!

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