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中国山地メンバーが選ぶ「2024年の5冊」②~森口朗さん編~
年末に「今年の10冊」というハッシュタグが周りで少し流行り、さまざまな方の10冊を楽しく覗いていたのですが、中国山地のメンバーなら何を選ぶのかが気になって、「2024年の5冊」を教えてくださいと呼びかけてみました。こちらでも紹介してみたいと思います。
こんにちは。みんなでつくる中国山地百年会議・事務局の中尾です。
中国山地メンバーが選ぶ「2024年の5冊」、第2回はみんなでつくる中国山地百年会議の会員の森口朗さんが選んだ5冊をご紹介します。
森口さんは、書店に年刊誌を届けたり、本のイベントに会員の仲間と出店したり、年刊誌を届ける活動にも関わってくださっています。
1冊目:『数学する人生』岡潔(2019年、新潮社)
日本が誇る世界的数学者にして、畑仕事と研究だけに没頭した孤高の人――。数学の枠にとどまらない、その思想エッセンスを余すところなく一冊に凝縮。「人は本来、物質的自然の中に住んでいるのではなくて、魚が水の中に住んでいるように、心の中に住んでいます」と語る哲学的にして詩的な世界観を、小林秀雄賞を最年少で受賞し、岡に私淑する俊英の編集により完全再現した驚異的選集。
2冊目:『偶然の散歩』森田真生(2022年、ミシマ社)
思索、数学、子供との時間、今という瞬間…
偶然の日々の中で一度きりのすぐ近くにある、永遠をつかみたい――
その思いを胸につづられ、あふれでてきた、詩のような言葉たち。
散歩は、子どもたちとの本当の散歩のときもあれば、先人や先達との、時空を超えた思索の散歩のこともあった。二度とない偶然の散歩を、心に刻みつけるように書いた。
(まえがきより)
日経新聞「プロムナード」全25回ほかを収録。
『数学の贈り物』から3年半、著者に訪れた大きな変化の感覚が息づくエッセイ集。
3冊目:『孤愁〈サウダーデ〉』新田次郎・藤原正彦(2015年、文藝春秋)
「父が精魂を傾けながら絶筆となってしまったこの作品を、必ずや私の手で完成し父の無念を晴らすつもりだ」――その公約を果たすためには、30余年の歳月が必要であった。本書は、「孤愁(サウダーデ)」を毎日新聞連載中に新田次郎氏が急逝、未完に終わった作品を息子である藤原正彦が書き継いで完成させた。ポルトガル人ヴェンセスラオ・デ・モラエスの評伝である。
「孤愁(サウダーデ)」とは、「愛するものの不在により引き起こされる、胸のうずくような思いや懐かしさ」のこと。軍人で、外交官で、商人で、詩人でもあったモラエスは、在日ポルトガル領事もつとめた。日本人のおよねと結婚、およね亡き後は妻の故郷である徳島に住み、その生涯を終えた。あまり知られていないが、モラエスの遺した詳細な日記や日本を題材にした作品が、日本の素晴らしさ、日本人の美徳を世界に知らしめ、「もう一人の小泉八雲」といわれている。
精緻で美しくも厳しい自然描写の新田次郎ファン、日本人の誇りと品格を重んじる藤原正彦ファン、双方の期待に応える一冊。(文庫解説・縄田一男)
4冊目:『鴨川ホルモー』万城目学(2006年、産業編集センター)
ホルモー? ホルモンではなく、ホルモー?
かつての王城の地、ここ京都で脈々と受け継がれてきた「ホルモー」とはなんぞや!?
主人公安倍は大学に入学して間もなく、京都青竜会と名乗る謎のサークルから勧誘を受ける。
その新歓コンパで、安倍は同じ新入生の女子に一目ぼれしてしまう。
一方で徐々に明らかになる サークルの隠された目的とは......。
壮大なる歴史的スケールで冴えない大学生の悲喜こもごもの日常を描く、伸びやかで爽やかな青春小説!
5冊目:『方丈記』鴨長明
災厄の数々、生のはかなさ……。人間と、人間が暮らす建物を一つの軸として綴られた、日本中世を代表する随筆。京都郊外の日野に作られた一丈四方の草庵で、何ものにも縛られない生活を見出した鴨長明の息遣いが聞こえる瑞々しい新訳!
いろいろ探していたところ、水木しげるの漫画で読める『方丈記』も発見。個人的にこちらも気になります。
小説やエッセイ、新しいものから古典まで、森口さんの読書体験の幅広さを感じるセレクトでした。11月に一緒に出店した徳島県美馬市の「うだつのあがる古本市」で、岡潔さんの本を数冊購入しておられ、いろいろ読んでいるところだと伺ったのを思い出しました。
みなさんにとっての「2024年の5冊」は何ですか?
よろしければこちらのフォームからぜひ教えてください。
百年会議の会員の方に寄せていただいたものは、ぜひこちらでも紹介させていただきたいです(それはちょっと、という方は備考欄にその旨ご記載くださいね)。