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金八先生と大人の余裕

先日、財布を忘れた時の事。
つくづく便利な世の中になったものだなぁっと。

財布を忘れた事に全く気付かず会社に着き仕事をしていてコーヒーでも買おうとバッグを確認した時に初めて気づいた。
手元には、わずか35円しか入っていない小銭入れとiPhone。

iPhoneに入っているPASMOで電車に乗り、LAWSONでクイックペイを使って昼飯を買い、何不自由なく一日を過ごす。

財布を忘れても何不自由なく過ごせる世の中。
便利だけど、やっぱりちょっと恐い。
これだけ便利だと人は退化するよね。絶対。
いつか道具に人間がつぶされる。

いや~、しかし財布忘れて別に不便が無いとはいえ丸腰ってのは若干不安なもんだ。

だって手元にはiPhoneと数十円しかないんだよ。怖いじゃん。ど~すんだよ。
帰りに夜道でオヤジ狩りに遭ったら。

ど~やってそのシチュエーションを乗り越えんだよ。
「おっさん金出せよ!」
って言われて
「これしかないっす」
って35円出すのか?
それ状況悪くするだけだろ?

「おいっ!オッサンなめてんのか!ジャンプしろ!」
っと脅されて
「すいません。今日財布忘れてこれしかないんです。paypayでいいですか?」
とか返したらタコ殴りにされるぞ。

せめて狩られたら狩ったヤツの希望に応えるくらいは持ってないと。
おっさんらしく。

「コレ持って行きたまえ」みたいな。

つか、もうオヤジ狩りされる歳になってきたなぁ~。
悲しいけど、これが現実なのよねぇ。

カッコ悪いって声が聞こえてきますがね。
実際問題、突然後ろから飛び蹴りされて振り返ったら十代後半の若者たちが5人も居たら「勝てない」って思うよ。絶対。

んなの、無理するよりカッコ悪くても一番無難な道を選ぶのが正解だって。
世の中何も悪くないホームレスの方々が何人犠牲になってると思う?学ばないと。

そんなヤサグレた彼らの大半は、それから数年経って結婚して家庭を持って、そのうえ子供ができたら家族のために一生懸命働き始めるんだって。

そんないつまでも悪い奴なんて一握りなんだよ。
だから彼等のためにも無難にその場を納めるのが得策。

カッコつけて殺されたら。
いや。『殺させちゃったら』彼等の人生に悪い。

そこまで読み込まめないと大人とは言わない。
っと僕は思いますがいかがですか?

そう考えるとさ。
我らがリスペクトする金八先生とかさ。
やっぱり、ちょっと違うかな?って思っちゃうよね。

だって、思春期真っ只中の10代の少年少女を自分の思い描く理想の10代の型にはめるべく孤軍奮闘するわけでしょ。
「違う!お前そうじゃない!」ってさ。
嫌がられてもしつこく説き伏せるわけでしょ。

今、こうして40代になってみて思うことは彼等には彼等なりの言い分があって、いろいろと回り道したり、時には警察のお世話になるような悪いことしたりもするわけだけど。

自分の経験上、さっき言ったたとおり、それなりの年になれば、それなりに落ち着いてきて、それなりにやっていくわけで。

金八みたいにグイグイ短期間で軌道修正させるのはやっぱり大人のエゴっていうか、マスターベーションでしかないと思う。

大人に余裕がなくなって中長期的に子供の動向を見てやれなくなったのが問題なんじゃないかと。

別に中学時代じゃなく20歳超えてからでもマトモになればいいじゃんね。

余裕のない大人が多くなったっていうか、そんな大人を生み出す世の中にシステムになったっていうか。
尊敬する倉本聰さんの「一寸引き」話じゃないけど、即席の時代に入ってみんなが結果をすぐに求めすぎるっていうのか。

まぁもう少し様子見ましょうよって思えばなんとでもなるよね。
子供に対して。
適当にやらしときゃいいんだよ。

そんなうまくいくかってね。
うまくいくわけないよね。そんなん。

でも、この理想って僕にとってはホントに目標とするところでね。
自分の思い描く理想の大人ってコレだなって思う。

会社の上司でもキリキリとホウレンソウを要求して何でも自分でジャッジしないと気がすまない人っているでしょ?
そういう人のもとで優秀な人材は育たない。
なんでもお伺いをたてて仕事を進める人間しか育たない。

それに対して、ある程度余裕をもっていい意味で適当に管理している上司のもとの部下ってのは自分で判断して動ける人材が育つ。これ間違いない。

ウチの会社にも掃き溜めみたいな部署があって、この部署には各部が「ダメの烙印」を押した社員が集まってくる。ここの部長がとても器のデカい男でさ。
なんでも彼らに任せちゃう。
結果、時間はかかってもいつのまにやらダメの烙印をおされた社員たちがガンガン仕事を回すようになってる。いつのまにやら。

つか、なにが一番凄いって。ここ数年、この部署から辞めた人間がいないってこと。
これってスゴイことなんだよ。
会社にとって数年働いてフェイドアウトされるほど不利益なことないわけで。
その社員がデキるデキないに関係なく。

今の大人に欠けてることって「時間」なんだな。たぶん。
「待つ余裕」っていうか。まさしく大人の余裕っていうか。
そしてそれこそ必要なものなんじゃないかと。

神経質にすぐに目くじらを立てる世の中だけど。
例えば「差別だ!」とかさ。ちょっとした事でも本人たちより周りの第三者がピリピリと過剰反応しちゃって。味噌クソ関係なく騒ぎ立てる。
別に笑って済ませりゃいいんじゃないかと思う。
当事者が対して気にしてないなら。
こちらも笑ってあちらも笑って。適当に。程々に。
そこに差別はあったとしても差別で傷付く人がいなけりゃ
何もないのと同じこと。

皆が精神的余裕のある世の中。
理想ですけどね。あくまで理想の話。

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