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小児救急外来ただいま診断中!(7)

小児救急外来ただいま診断中!(7)
[第7回]小児のショック
担当:竹井寛和
竹井寛和 兵庫県立こども病院
     救急総合診療科(救急)
杉中見和 順天堂大学医学部附属
     浦安病院救急診療科/こども救急センター
坂本 壮 国保旭中央病院救急救命科

小児が専門でない医師でも,救急外来の現場で当たり前のことができるように.エビデンスを軸に,小児救急の「アート」な部分もお伝えします.


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Point

● まずは疫学! ショックの成因が成人とは異なる!
● 正常値から大きく逸脱する心拍数増加を拾い上げよ!
● ショックの徴候を丁寧に評価せよ!
● どんな年齢でもまずは敗血症性ショックを考えよ!
● ショックを認知したら,チーム全体で初療の目標を共有せよ!

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はじめに

 ショックとは,代謝需要および組織の酸素化を満たすのに十分な組織灌流が得られない生理学的状態です.ショックの重症度は収縮期血圧への影響によって表現されることが多く,代償機構によって収縮期血圧が正常範囲内に維持されている場合は,代償性ショックと呼ばれます.代償機構が破綻し,収縮期血圧が低下した場合は,低血圧性ショックと呼ばれます.低血圧はショックの晩期にみられる所見であり,心停止の一歩手前の可能性があります.血行動態をグラフ化したものが[図1]です.代償性ショックから低血圧性ショックへは加速度的に進行するといわれていますが,必ず連続性があります.小児のショックへのアプローチの最重要ポイントは,警告として現れている徴候を適切に拾い上げ,ショックであることのスイッチを押せるかどうかになります.ショックの認識や管理についてはPALS(小児二次救命処置法)が非常によくまとまっています【1】.本稿では,PALSの内容を軸に,小児と成人のショックの違い,小児のショックをどう認知するか,救急外来でのショックのアプローチの実際を解説します.

図1

[図1]小児のショックの血行動態

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