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Dr. 伊東のがん患者の感染症ただいま診断中!(4)

Dr. 伊東のがん患者の感染症ただいま診断中!(4)
[第4回]細胞性免疫不全を考える
伊東直哉 Naoya Itoh
マヒドン大学熱帯医学部
古谷賢人 Kento Furuya
伊豆赤十字病院

この連載では,感染症内科医のDr.伊東と総合診療医のDr.古谷との対話形式で,ジェネラリストがしばしば遭遇する固形腫瘍患者の感染症を中心に学びます.


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Dr.伊東のOne Point Advice

●血液悪性腫瘍と異なり固形腫瘍自体では細胞性免疫不全をきたさない.
●固形腫瘍患者では化学療法のレジメンに含まれるステロイドが細胞性免疫不全の原因として多い.
●細胞性免疫不全患者の感染症で問題となる微生物は多岐にわたるが,臓器および関連する微生物を特定することが治療において特に重要.

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はじめに

伊東 さて,古谷君.この連載もめでたく4回目を迎えたね.
古谷 ええ,3回目くらいで「伊東先生の次回作にご期待ください」になるかと思いましたが,とりあえず乗り切りましたね.
伊東 な,なぬっ! こうなったら,静がんのフェローの寺田君にでもやらせのAmazonレビューを書かせるか…….
古谷 不正はだめですよ! 誌面も限られているんですから,早く始めましょう.
伊東 はいはい.えーと,前回は液性免疫不全の話だったから,今回は細胞性免疫不全の話だね.じゃあ,例によって今回も症例を先に見てもらおうかな.

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