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2025/2/5 冬のフュージョン@高円寺yakushu
激ムズお題。だいたい特に日本では、今まで散々夏のイメージで売ってきたジャンルじゃないですか。ラグーンとか打ち水とか。そんな曲あるんかいなと思いながら探したところ、こんな結果になりました。冬の解釈も人それぞれですが皆さん確かに冬感があって感心しました。きれいなピアノが入ると冬、とかそれぞれ独自のフォーミュラがあるものなんですね。
Welcome / アリス
どこかでかけたかったんですがこの機会に。この作品、クレジットはないんですがラストライブの面子が参加しているはず。ということはギターは是方博邦なのでフュージョン。アリスの代表曲といえば「冬の稲妻」なので冬。はいクリア。「ニューミュージックっぽい」と看破したにゃんたんさんはすごい。
Lemon Tree / Mellow Motif
タイのボッサユニット。最初に聴いたときは「ブラジル味が足りねえな」と流していたのですが、今聴くと変に寄せすぎていなくて心地よい。レ・マスクとかもそうですが、ブラジル以外のボッサは全部冬。ジャズ編成なのにポップなのでフュージョン。以上。
Theme For Jackie / Rodney Franklin
ロドニー・フランクリンは完全にフュージョンアーティスト。カリフォルニア出身なのにUKで人気に火がついた。UKは寒いので冬。それはさておき、今回のお題に一番マッチしているのがこれだと思う。
Railway Lovers / Jazzy Han
韓国のジャズコンピから。ブレイクビーツ的なトラックにホーンとビブラフォンが絡む。ジャズと何かを合わせたらそれはフュージョン。駅であれ列車内であれイチャコラするのは基本冬。
Come With Me / Ronny Jordan
タニア・マリアの名曲をロニー・ジョーダンがカバー。ロニーが演ればフュージョンだし、この都会感は冬。ブラジルはちょうど今冬だしね。
Prologue / 포지션
韓国はジャズシーンに若い人がいっぱいいる印象。生演奏バーとか結構あってみんな楽器持って演りに来てた。ちょっとE,W&F入ってるけど曲は完全にフュージョン。季節は韓国寒いし冬でいいんじゃないでしょうか。
マイアミ・ブルー / フィロソフィーのダンス
予想に反して評判が良かったこの曲。シンコペーション多用、いかにもMALTAや高中が奏でていそうなコード進行とフュージョンの要件を満たしている。この曲は「マイアミ・ブルー」を思い出している歌詞なのでセプテンバー方式で冬。
Dry! Dry! Dry! / ArtOfficial
Pe'zのトリビュートにあった曲。マイアミのジャズヒップホップユニットがカバーしているので、元ネタと合わせてフュージョン。冬は乾燥するので冬。
ปรชญา 8 บิต / Etc.
タイのバンドEtc.。彼らはカシオペアからの影響を公言しているのでフュージョン。季節はタイなのに長袖ジャケット着てるので冬(別にほぼ一年中着る人は着てますが)。
Demonstration 1 / Audio Technica 湿式CDレンズクリニカ
CDクリーナーに入っていたデモ曲をかけました。全編打ち込みでジャズと言うには軽いのでフュージョン、冬は静電気で汚れが付着しやすいのでこまめにクリーニングしたほうが良い。
Madness / Dulfer
娘のキャンディの方は情緒たっぷりの冬らしい曲があったりするが、ここではBPMの関係で父の方を配置。親子で音楽性が似ているのでフュージョン。ジャケがモノトーンなので冬でいいんじゃないでしょうか。
Sandstorm / Level42
この曲はマーク・キングも歌ってないしフュージョン扱いでいいと思う。ちなみに鳥取砂丘では冬から春にかけて強い風が吹くので冬。
Sunny / Giacomo Turra
イタリアのギタリスト、ジャコモ・トゥラ。このギターは完全にフュージョンでしょう。サニーは歌詞の中に"sunshine"というワードも出てきたりするが、そもそも"Sunny"自体太陽の暗喩。太陽に感謝し恋い焦がれるのは冬。
We Suffer We Struggle We Survive We Celerbrate / LAVA
基本クラブミュージックの人だけど、このシンセの白玉の連続は完全にフュージョン。私寒いの嫌いなのでsufferしたりstruggleしたりsurviveするのは冬。
華火夜景 / bohemianvoodoo
この曲使いやすいので良く使っちゃうんですが、bohemianvoodooはフュージョンですよ。華火(花火)は夏だろと思うかも知れませんが、日本の花火大会は混むだけなので何年も行っておらず、私にとってはタイのニューイヤーのカウントダウンぐらいしか花火を見ないので冬。
Wise Man Say / Flevans
イギリスのアーティスト。クラブジャズ的なアプローチながら、ワンテーマで引っ張るあたりフュージョン。UKは寒いので冬。
Spiderlegs / Ted Curson
ちょっとチューニングのゆるそうなホーンが癖になる。テッド・カーソンが演ってるんだからフュージョンでいいじゃない。蜘蛛は卵の状態で冬を越すらしいよ。
Jazz? / Galliano
ご存知ガリアーノのジャズへの強烈なラブソング。ラップの合間のコーラス部分が完全にフュージョン。アシッドジャズはフュージョンの傍流だと個人的に思っている。冬?
Tank! (Luke Vibert Remix) / シートベルツ
シートベルツはジャズの仮面を被った何かだと思っていて、この曲は4つ打ちリミックスによって逆にフュージョンの香りがほんのりするように。カウボーイビバップのニット帽とかブランケットを見たことがあるので冬。
Witchcraft / clock pulse
clock pulseってクラブ・フュージョンとでも呼ぶべき曲を結構やっていて、J-Jazzの主流って結構こっちへ行っているような気がする。複雑な展開、高度な奏法みたいな部分は、昔のフュージョンのやり方だと今の人には冗長で、ある程度整理して詰め込んでおく必要があるんだろうなと。このメインリフは絶対冬。
Virtual Insanity / Nautilus
人力ドラムンベース。コードはジャジーなものに置き換えられ、キメも入り、フュージョン化と言って良いのでは?ご存知ジャミロのあの白い部屋、さらにボリュームのあるあの帽子から冬以外ないだろうよ。
銀座 / 古内東子
おまけでかけた曲。これ、バッキングは完全にフュージョンだと思うんだよなあ。「今夜は雪になるかも」なので冬。
フュージョンとは何かを考え続けてはみたのですが、元々ジャズからの越境だったものがある程度一定のフォーマットに落ち着いて(しまい)、さらにそこから逸脱したり別のジャズ解釈を試みたり、音楽の枠組み自体が拡散しているのでど真ん中のフュージョンを今生むのは難しいんじゃないかという気はしています。Tokimeki Recordsのシャカタクのカバー群はある程度行き着くところまで行ったかなと。とはいえ「フュージョン」の価値は薄れたわけではなく、一つの到達点として愛され続けはすると思います。フュージョンらしいフュージョンをかけていないのに言うのはなんですが。
ちなみにこのイベント、最後は「西野カナはメタラー」という情報から「高円寺に西野カナを呼ぶために好きそうなメタルやハードコアをかけ続けるイベントをやろう」という結論で終わりました。何これ。