中京ダート1800mが鬼門な訳
中京ダート1800mは難しい。
2020年チャンピオンズCで単勝1.4倍に支持されたクリソベリルが飛んでしまったことは、みなさんの記憶にも新しいのではないだろうか。
あの時は、6.3億円の複勝馬券が紙屑となった。
他にもゴールドジャーニー(単勝1.4倍)、シーダークィーン(単勝1.7倍)など多くの人気馬が飛んできたのが中京ダート1800mである。
なぜ中京ダート1800mが難しいか?
それは中京ダート1800mに他のコースにはない特徴があるからなのだが、今日はそれについて述べていきたい。
先行有利
まず述べておきたいのが、中京ダート1800mは先行有利の競馬場であるということ。
最後の直線が410.7mとダートコースとしては東京コースの次に長いため、差し有利であると誤解される方も多いが、実際の数字を見てみると、先行有利の競馬場であることが分かる。
そのため、騎手の頭の中には、最後の直線を迎える前に、先団につけていたいという意識が働く。
(実際、後方に位置するとほとんど届かない)
最終コーナーがスパイラルカーブ
中京コースの次なる特徴は最終コーナーがスパイラルカーブということだ。
スパイラルカーブとは、入口から出口にかけて半径が小さくなる複合曲線によって構成されるコーナーのこと。
徐々にコーナーがきつくな るので外に膨らみやすく、最後の直線を向いたときに馬群がばらけやすい。
しかも中京ダートの3コーナーは下り坂である。スピードに乗りやすく、その分遠心力がかかる。
で、何が起こるかという話だが、先に述べた通り、ジョッキーは先団につけていないと話にならないと思っている。
なので、3コーナーから4コーナーにかけて、外を回しながらポジションを押し上げにかかる(特に外枠を引いた場合)。
が、スパイラルカーブのため、前にいる馬が外に膨らんでくる。
そのため、自分は更に外を回らなければならない。
こうして距離損がどんどん膨らんでいき、脚がなくなってしまうのだ。
だからといって直前まで追い出しを待っても、それはそれで届かない。
つまり、中京ダート1800mでは一旦後方に位置してしまったら最後。容易には挽回できないコースなのだ。
スタートが急坂
で、最後に、これが中京ダート1800mの最大の特徴なんだが、ゲートが急坂に設置されている。
スタート直後に急坂が待ち構えているコースはいくつかあるが、急坂の途中にスタートが設置されているのは中京ダート1800mだけである。(違ったらごめんなさい)
なので、当然、行き脚がつかない馬が出てくる。普段は上手にスタートを切っている馬でも、なぜか押しても押しても進んでいかないことがあるが、これが理由である。
で、多くの競馬ファンはその馬が坂スタートを苦にするかしないかを知る術がない。(馬体を見れる人は分かるのかもしれないが、そうじゃなければ過去出走がないと、判断するのは厳しい)
そのため、きっとこの馬は先団に位置するはずと予想した馬が、思いもがけず後方に位置してしまうことがある…。
中京ダート1800mでは後方に置かれるのが致命的にもかかわらず、スタートがイレギュラーというのは悪魔の所業としか思えない。
以上が、中京ダート1800mが難しい理由である。
纏めると、
という感じである。
なので私は中京ダート1800mで複勝転がしをする場合は、出遅れて、大外を回しまくっても、大丈夫と判断できる場合だけにしている。(もしくは過去に中京ダート1800mで好走実績がある)
最後に、このコースに関しても騎手の巧拙はあるんだが、上記の理由から、どんなに上手い騎手でも難しいコースというのは覚えておいた方が良いと思う。
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