
絵本レビュー【おなじ月をみて】
最近はまっているのが、台湾の絵本作家、幾米(ジミー・リャオ)さん。
ジミー・リャオさんの絵本は大人っぽいストーリーに可愛らしい絵柄、緻密な描きこみが特徴です。
台湾ではジミー・リャオさんの絵本を原作にドラマ、舞台、映画などになっており、出身地の宜蘭(イーラン)駅前ではジミー広場と呼ばれるジミーさんのキャラクターを元にしたオブジェがたくさん置いてあるそうです。
大人気の作家さんなのです。そんなジミー・リャオさんの絵本を読んでみたくって図書館で見つけたのがこれ。
おなじ月をみて
ジミー・リャオ 作
天野健太郎 訳
ブロンズ新社
ライオンと男の子が歩いている表紙。よく見るとライオンは前足にケガをしていて、どうしちゃったのかな?と心配になります。
主人公ハンハンはずっと誰かを待っています。
その誰かのことが大好きだから。
いつかここに帰ってくると信じているから。
いつ帰ってくるかわからない人を待つのは、とても切ないことです。
毎日毎日、まだかな、まだかな。と期待して。
今日はダメでも明日なら。明日がダメなら明後日には。
本をめくって1ページ目。
見返しの部分にハンハンが待っていた証拠が描かれています。
最後まで読んだ後、読み返そうとめくった時。
それに気がついて胸の奥がキュウっとなりました。