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【インタビュー】あんのくるみさん 言いたいことが言えなくて「つまさきもじもじ」

言いたいことが言えなくて
つま先にもじもじ書いちゃう、すーちゃんの物語
絵本「つまさきもじもじ」

作者のあんのくるみさんにお電話でインタビューをさせていただきました。

絵本のリンクを貼らせていただきます。

作者のご紹介

あんのくるみ 
埼玉県出身。2019年「つまさきもじもじ」で第3回絵本出版賞優秀賞受賞。翌年、同作品でデビュー。
主な受賞作品に「ごめんって」(キッズエクスプレス21読み聞かせ大賞、2021年)、「すてきなことば」(スマイル童話賞最優秀賞、2021年)、「ひみつ」(埼玉文学賞佳作、2021年)などがある。
近年は介護問題から怪談までルポルタージュを多数寄稿。
共著に「実録怪談最恐事故物件」(竹書房、2021年)、「呪術怪談」(竹書房、2021年)がある。
絵本「つまさきもじもじ」(みらいパブリッシング、2020年)は韓国でも翻訳出版されている。

無類の猫好き。 Twitter→@kurumi0422a

はやしともみ
絵本作家・アーティスト
神奈川県生まれ。東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。
「目に見えないエネルギーを描く」ことをテーマに、絵画・陶芸・絵本制作などの創作活動を行い、お絵かきの楽しさを伝えるレッスンをしている。
座右の銘は「愛と夢とリラックス それで自我を越える」。
絵本作品に『クレヨンの旅』(東京書籍)、『もりのきでんしゃ』『もりのきでんしゃ ゆうきをもって』(みらいパブリッシング)

https://miraipub.jp/books/3180/

絵本の主人公「すーちゃん」と同じく恥ずかしがり屋とのことで、お電話でインタビューさせていただきました。

あたたかい雰囲気の声の方でした。

この物語を書いたきっかけはなんだったんでしょう?

もともと読書が好きでした。
20代の終わりに母の介護に直面して、世間から離れている感覚がありました。
母が亡くなったあとで「何か新しいことを始めよう」と思い立ったのがきっかけでコンテストに応募したんです。
本を読むのは好きなんですが、疲れている時って小説とか字の多い本が頭に入ってこないんですよ。
そんな時に絵本なら、読むことができたんです。
サクッと読めるし、何回でも読み返せる。
子どもの頃に読んだ絵本、林明子さんの絵本とかを読んでいて、癒されていきました。
自分を救ってくれたのは絵本だって感じました。

静かに語りかけるように、お話してくれました。

情景が浮かんでくる文章

この「つまさきもじもじ」は言葉づかいがとても柔らかく、声に出して読みたくなる文章でつづられています。

読んだ時に心がふわりと軽くなるような。
情景が浮かんでくるような。

コンテストに受賞され、絵本の出版が決まってからは元々の文章を絵に合わせて少しづつ編纂されていったそうです。

それは作品の密度をあげて、さらに文章が研ぎすまされる作業だったと思います。

言えない気持ちをつまさきにのせて

子どもの時のお話もしてくださいました。

恥ずかしくて、うつむいちゃって目にとまるのがつまさき。
言えない気持ちを指先とかつまさきに乗せて。

だからなのか、子どもの頃に絵を描いたら顔はうまく描けないんだけど「手」とか「足」とかはちゃんと描けたんですよね。
いつも見ていたからかもしれない。
この物語が子どもたちが大人になっていく時に、心が昇華する材料になればいいな。肩の荷がおりるような。

「つまさきもじもじ」の元になるようなお話を伝えてくださいました。

手描き文字の愛らしさ

この絵本の文章には手描き文字が何か所か使われています。
それは、すーちゃんがつまさきに書く口に出せなかった言葉。

その使い方がとても素敵。

編集やレイアウトに携わっていることもあり、そんなところにも目がいきます。

ちょっと紙フェチのところがあるもので、表紙や見返しに使われている紙も、何回もめくってしまいました。

物語を作って、編集して、印刷、製本まで愛情をこめて作られていると感じました。

素敵な絵本です。

韓国でも発売されています

そんな「つまさきもじもじ」韓国でも発売されています。
書き文字のところもハングルになっていて、これもステキです。

ゆっくりと、おだやかにお話をすすめさせていただきました。

最後に

今後はどんな物語を作りたいですか?

絵本だけでなく文章を書く仕事がしたいです。
絵を描く人との出会いがあれば、もちろん絵本も出したいと考えています。

あんのくるみさんの次回作が楽しみです。
その時にはまたお話をさせていただけたらと思いました。

絵本男子 川畑亮人さんのよみきかせ動画もご覧ください

あんのくるみさんのInstagramでも紹介されている、よみきかせ動画です。
やさしい声で読まれていて、とてもあったかい気持ちになれますよ。






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