愛すべきカピタンに思いを馳せて

先日、我らがカピタン(キャプテン)ガビが引退を発表した。

静かにピッチから去るのもまたガビらしいラストだった。
思えばフットボールに私が出会ってから初めてカピタンを意識した男がガビだった。
世の中の多くの人がカピタン(キャプテン)といえば、と問われればマルディーニやプジョルといった名キャプテンを指すだろう。だが未だに私がカピタンといえば彼のことを指すほど、私の中ではカピタンの代名詞となっている。

もう一つ、彼に教えられたのがピボーテ(ボランチ)の在り方だ。
まだサッカーを見始めて浅い頃、私はピボーテの役割が掴めずにいた。ガットゥーゾのようなタイプもいればピルロのようなタイプもいる。スペインではさらに毛色が違うピボーテもいたからだ。
しかし、アトレティの5番と14番に教えられた。5番を背負ったチアゴにはポジショニングとパスの重要性を、14番のカピタンには守備と狡猾さを教わった。
今までもこれからもベストイレブンを挙げるならばピボーテにこの二人を据える。それほどお気に入りのピボーテだった。

ガビの思い出は多い。良い思い出も悪い思い出も。
しかし悔いが残るのが、あの手紙の約束が果たされなかったことだろう。だが、アトレティコの弟たちがいつか代わりに約束を果たしてくれることを信じ続けている。

これを書こうか書くまいか考えている間に、現カピタンのコケもコメントを読んだ。

最近のコケはどこかガビを思い起こさせるような立ち居振る舞いをするようになった。かなり違う性格の二人だが、カピタンとしての矜持はしっかりとコケは受け継いでいると感じる

一足先にチアゴは監督になる道を選び旅立ったが、ガビは果たしてどのような道を辿るのだろう。
いつかどのような形であっても、カーサ(家)であるアトレティコに戻ってきてほしい。

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