サッカーと別れ、クラブを愛する
サッカーと出会って数年。それまではワールドカップですらほとんど興味が無かった人生だったのに、ある日ふと現れたこの存在に最初は熱中した。
好きな選手が出来、チームを追いかけ、戦術を学び、国名も覚えられないような国のGKコーチのインタビューを読むまでになった。
しかし、ある日を境にピタっと止めてしまった。
これを書いている今だって、好きなクラブに思いを馳せているし、数日後の試合のために何時に寝ようかだとか色々考えてもいる。
つまり、サッカーへの灯が消えたわけではない。ただ情熱がクラブへ傾いただけなのだ。
サッカー観
Jリーグや欧州リーグを始め、日本には様々な形でサッカーを愛する人がいる。
ゴール裏でフラッグを振る人、家族と自由席で観戦する人、家のテレビやパソコンの前でユニフォームを着て正座で応援している人。
それぞれがそれぞれの生活や価値観に合わせた付き合い方・愛の示し方をしていると思う。
私の場合はクラブに惚れて、愛してしまった。
その愛がサッカーを越えてしまうことがある。戦術を学んでいたのも、チームの動きのメカニズムを知るためだし、インタビューを読むのもより選手を知るためだった。恋い慕う相手を知ろうとするかのように。
そして今は良好な関係だ。時に反発し合い(選手の起用方法やフロントの立ち居振る舞いetc…)、一緒に悲しみ、喜び、感情を共有する。
十分幸せなことだ。
だから他所のチームの惚れた腫れたなんて話はどうでもいい。どこがCLを取ろうが、戦術のムーブメントだとか、興味は薄れてしまった。サッカーと別れ、愛するクラブと共に過ごすことにした。
我が愛するアトレティコが今日も存在すれば、それだけで幸せなのだ。