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予期せぬ出来事が起こった時、あなたの助けを必要にしてる自閉症の人がいます
「さて、メールのチェックでもしようか・・・」とYahooを開く。
その瞬間飛び込んできた「大阪・震度6弱」の文字に一瞬固まった。
次の瞬間、震えた声で息子に地震の事を伝え、震えながら実家に電話を掛けた。
・・・つながらない・・・。
焦ってパニックになる私に息子が「ラインなら通じるかもよ」と。
ラインでメッセージを送って、スマホの画面を祈るような気持ちで見続ける。
何分、何十分たったのか…。「既読」の文字が画面に現れた時、やっと生きた心地がした。
すぐにライン通話がかかってきた。無事だった。よかった。
家族の無事を確認して、情報収集の為にツイッターを開いて知った。
沢山の人が、通勤&通学中。駅に、電車の中に、沢山の人が不安なままどこにも行けずにいた。
その時に頭によぎったのは「通学途中の自閉症の子供達は大丈夫なのか!?」
自閉症などの発達障害のある子供達の「自立」の為に必要なスキルはたくさんあって、その中の一つが一人で通学できること。
自閉症の子には、「決められた手順にそって、決められた通り行動する」のが得意な子が多いから、「いつもの時間にいつもの駅からいつもの電車に乗っていつもの駅で降りる」っていうパターンさえ習得してしまえば、自力登校・じしゅつうがく自体のハードルはそんなに高くないケースが多いように思うんだけど、問題は「いつものパターンじゃない事が起こってしまった時」。
自閉症の人は、とにかく「臨機応変に行動する」のが苦手な人が多いんだよね。「いや、そんなことはない。臨機応変に行動できる自閉症の人もいるよ」っていう意見もあるんだけど、それは「事前に学んだ色んなパターンの経験をいっぱい持っていて、その経験の一つを当てはめている」っていうケースが多くて、「その場の状況に応じて臨機応変に判断して行動できる」というのとは少し違うんだよね。
だからね、自力登校の練習で、親や先生や支援者は、できるだけの「起こりうるハプニング」を想定して練習を重ねるんだよね。で、ハプニングが起きた時の解決方法の一つが、「何かいつもと違ったことが起こった時に親・先生に電話をして指示を仰ぐ/駅員さんに助けを求める」なんだよね。
でもね、昨日のような地震や災害のケースで電話が不通になったり、頼みの綱の親や先生が被災してそれどころじゃなかったり、駅員さんが多忙で助けを求められなかった場合、
「自閉症の子達はどうしたらいいんだろう?みんなどうしてたんだろう?大丈夫だったのかな?」と心配になったんだよね。
普段、ハプニングが起こったら、周囲の人が声をかけてくれたりして事なきを得ることはあっても、震災となると、周囲にいる人も皆不安で、自分たちだってどうしていいかわからないでいる人ばかり。そんな時に、見ず知らずの周りの人に助けを求める事を前提とした危機回避の準備は、現実的じゃないよね…。
じゃぁ、どうしたらいいのか?
正直私にはわからない。
でも、唯一私に出来る事は、「そんな子がいるかもしれないので、もしも、もしも、あなたに少しでもその子を手助けする余裕があれば、よろしくお願いします」というお願い・理解を広めること。
もしかしたらその子は「僕は自閉症があって、助けが必要です」と言葉で助けを求められるかもしれない。
もしかしたらその子は「○○支援学校」と書いてるかばんなどの持ち物を持っているかもしれない。
もしかしたらその子は「ヘルプマーク」「ヘルプカード」をつけているかもしれない。
もしかしたらその子は「不安で同じことをブツブツ繰り返し言ったり、体を揺すり続けたり、つま先歩きで同じ場所を行ったり来たり」しているのかもしれない。
もしかしたらその子は、「パニック」になって大声をあげたり、逆に「フリーズ」して動けなくなってるかもしれません。
自閉症の子は、「他の人の行動を見て自分も同じ行動を起こす」のが苦手な子が多いので、もしかしたら代替バスなどを目指して人がそこに移動し始めても、同じようにその波について行こうと行動を起こせない子もいるかもしれません。
そういう子達を見たら、「バスに乗れるみたいだから、あっちに移動しましょう」など、少しでも具体的にどんな行動をしたらいいか声をかけて貰えると助かります。
そして、あなたにほんの少しでも余裕があれば「不安だよね」「わかるよ」「一緒にいよう」などとひと声かけてもらえれば助かります。
勝手なお願いですが、「そういう子がいるんだな」と知ってもらえるだけでもありがたいです。
どうぞよろしくお願いします。
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