「私はなぜ支援級なの?みんなと同じクラスじゃないの?」と疑問に思い始めた子達にかけてあげたい言葉
支援級に所属していたり、特別支援学校に通っていたり、通級に通っていたりする子の中には、「なぜみんなと一緒じゃないの?」って不思議に思って大人に質問する時期が訪れる事があるんだよね。
障害のない子供たちだってそう。「どうしてAちゃんは支援級に行っちゃうの?」っていうのは素朴な疑問だと思う。
そんな時、なんて答えたらいいのか???
「あなたには障害があるから」「Aちゃんは障害があるからよ」ではないのはなんとなくはわかってても、なかなか「これ!」っていう説明が思い浮かばないからとヘルプを求められる事が多いんだよね。
そんな時に私は、私が息子に説明した言葉を使ってアドバイスするようにしています。
ー「なぜ僕だけ支援級に行く時があるの?」にこんな風に答えてみたー
例えば、風邪をひきはじめて具合がわるくなり始めてきた時に保健室に行く時、風邪を引いているから行くというより、風邪を引いてて横になりたいから、薬を貰いたいから…とかっていう理由があると思うのね。自分の困ってることを解消する為に行く場所。
障害のある子達も同じで、決して障害があるから支援級に行くのではなく、障害があって『何か』が必要だから行くはずなんだよね。
私はその『何か』を教えてあげればいいんじゃないかなと思うのね。
だから息子には、「静かな環境の方が勉強に集中できるし、疲れやすさもカバーできるから、あなたには支援級の場が必要」と説明したんだよね。
支援級や普通級の先生方も、クラスメイトに同じような説明をしてくれて、息子もクラスメイトもみんなその理由に納得してくれたから、息子は胸を張って支援級に出向き、友達は「頑張ってこいよ!」と送り出してくれるようになったんだよね。
決して親学級(普通級)で勉強についていけないからとか、○△できないからとか、じっと座ってられないから…ではなく、「支援級という場をどう自分にプラスに活かす場」なのかを知らせてあげればいいんじゃないかなって私は思うのね。
まぁその為には、支援級が「その子が自分の良さを活かして自分らしく学べる場所」として機能している事が大前提なんだけどね。
昔知ったアップルストアの研修マニュアルがね、そんな支援級の大前提と似てるなって思ったことがあるのね。
【店員は製品を売り込むのではなく顧客の問題解決のサポートをするという一風変わった販売理念を教えられる。顧客のニーズを満たしてあげるのが仕事であり、その中には顧客自身が自覚していないニーズも含まれる】
ー製品を売り込むのではなく
→勉強を既存の方法で一方的に教えるのではなく
ー顧客のニーズを満たしてあげるのが仕事
→子供達の「困ってる事」「どうしたら学べるのか」のニーズを満たしてあげるのが仕事
ー顧客自身が自覚していないニーズも含まれる
→子供達が「何に困ってるのか?」「どうしてつまづいているのか?」の原因を探り、その子のわかる方法を提示してあげる事や、親御さんに家庭でできる工夫の提案。
視覚優位/聴覚優位/体感覚優位といった優位差や、同時処理/継次処理といったその子が得意とする認知処理を見つけ出して、その子にわかりやすい方法で学習をすすめるのもその一つだと思うんだよね。(参考note:担任の先生との相性ってなんだ?を「同時処理/継次処理」「 視覚優位/聴覚優位/体感覚優位」から考える)
こんな風にね、先生方も支援が必要な子供達も「支援級・支援学校・通級という場をどうその子にとってプラスに活かす場にするか」っていう視点で考えてみてほしいなって思います。
それが、
「私はなぜ支援級なの?みんなと同じクラスじゃないの?」
の答えであってほしいから。