コミュニティの中心的な役割を担うアメリカの小学校からヒントを得てみては?
私が小学生だった頃、親が学校に来る機会っていうのは、入学式や参観日、親子面談、運動会といった行事がある時だけだったように思うんだけど、息子とアメリカに来て驚いたのは、親にとって学校がもっと「日常の一部」になっていることなんだよね。
<大人と一緒に登下校がルールなアメリカ社会>
何度かツイッターでは述べてるけど、アメリカでは州によって制限の年齢の違いはあるんだけど、少なくても小学生の間は子供だけでの外出もお留守番も禁止されているのね。したがって登下校は親(大人)が付き添う事が必須なんだよね。だからなのか、日本よりも治安がうんと悪いアメリカなのに、登下校時に子供がトラブルに巻き込まれるといった事件は覚えがないんだよね。
比較的日本は治安がいいから子供だけで登下校するっていう習慣がまだまだ根強く残ってるんだろうけど、誘拐や性被害、そして交通事故に登下校中にあってしまう子供のニュースを知ると、安全度が高いのは
「治安のいい日本で子供だけで登校」<「治安の悪い国で大人と登下校」
なんじゃないかなって思うのね。だから子供の安全を第一に考えると、日本もそろそろ大人と一緒の登下校にシフトした方がいいんじゃないかなって思うんだよね。
私もアメリカに引っ越してきた当初は、「面倒だな…」と思って車で送り迎えをしてたけど、ちょっと考え方を変えて、登下校時間に息子と同じ時間を過ごすことを大切にしよう、と。同じ景色を見ながら歩いて、学校のこととかを話しながら歩いた時間は、決して無駄ではなかったなと今でも思うんだよね。息子もいい思い出だって言ってる♪
<朝食を親子一緒に食べられるアメリカの小学校>
これまた州によって違いもあるんだけど、アメリカの学校ではたいてい給食は朝食と昼食が提供されるのね。お弁当を持ってくるのもOK。その日の気分(メニュー)で給食かお弁当を選んでもOK。給食費は世帯の収入によって「全額負担・減額負担・無料」。これは、貧しい家庭の子供もおなか一杯食べる事が教育の一環として捉えられているからなんだよね。日本の子供の貧困問題や給食費問題。この辺りに良いヒントがあると思うんだけどなぁ。
ちなみに息子の学校や周辺の学校では、保護者も給食を一緒に食べれるんだよね。昼食時は保護者の姿はまばらだけど、朝食はカフェテリアが結構親子でにぎわって、一人で食べてる子供も一緒にワイワイ話しながら食べたりしてた。学校によって違いはかなりあるんだけど、朝食はだいたい1~2ドル。昼食は5ドル前後。保護者の分が無料になるケースも有。
こんな風にね、毎日の登下校だったり、給食を一緒に食べたり、学校が子供が通うだけの場所じゃなく、大人も頻繁に足を運ぶから、他の子供や、その保護者、そして先生との交流が常態的に起こるコミュニティの場なんだよね。親子・先生、みんなが頻繁に顔を合わせるから、息子のことを障害も含めてよく理解してくれてる人が多かったし、陰湿ないじめも皆無だったんだよね。
こんな風に学校がコミュニティの役割を担う事で「子供たちに注がれる視線」が多くなる。そんな注がれる視線が多ければ多いほど、子供の安全は保障され、学びの場で子供達がのびのび成長できるんじゃないかなって思うんだよね。
<おまけ:息子のアメリカの小学校事情~日本との違い~>
● 入学式はない(卒業式はあります)
● 短縮授業はない(新学期はいきなりフルタイムで授業が始まります)
● 学童は全ての学年にあります
● 朝の学童は6時半から。朝食の給食はみんなと一緒に食べます。
● 夕方の学童は18時まで
● 朝昼の給食は、完食の必要なし(好きなだけ食べればいいスタイル)
● 授業参観&家庭訪問なし
● 普段の宿題はほとんどなし&夏休みの宿題は全くなし
● 運動会はない
● 越境入学は、書類を提出して空きがあればいつでもどこにでも可
● 障害のある子には、長期休暇の間にも普段通り授業を提供
● 教科書は学校から貸し出し。持ち帰る必要なし(置きベン可)
● 飛び級・学年を下げて入学・同じ学年を繰り返すのも必要なら可
● ピアス・パーマ・髪染は自由。ただしドレスコードは多少あり。
● 事前に担任に知らせれば、クラスで誕生日のお祝いをしてくれる
● PTAや各種役員は強制一切なし(出来る人がするスタイル)
● ハロウィンをはじめ、コスプレデー有(先生の方が本気だしてくるw)
● 掃除当番&給食当番なし(よって、給食エプロンの洗濯も不要)
● 卒業アルバムはなし。代わりに毎年全校生が載ってるイヤーブックがくばられます