『名称未設定ファイル:品田遊』を読んだ
◯読む前
元々QuizKnockとオモコロチャンネルとのコラボから、ダ・ヴィンチ・恐山氏を知る。仮面を付けた姿に最初は不気味さを感じていたが、放たれるワンフレーズがとても気持ちいい、面白いものばかりでスッカリハマってしまった。著書を出されていると知り、書店でうきうきと買ってみた次第。
◯猫を持ち上げるな
・猫のバステ。青いガラス玉可愛い。数行しか描写がないのにこんなに可愛いことある?2歳のキジトラ!保護猫!たくさん缶詰食べて大きくなってね!
・猫を持ち上げることは是が非か。よく伸びるんだよね、猫。
・愛玩動物とはよく言ったもので、本当に玩具のように扱うのは如何か?ということなのね。
・ネットで個人情報拡散したり、デモしたり、もうお祭り騒ぎだ。
・バステどこいった つら
・自分の思考とネットで書かれるであろうコメントが入り乱れる。この表現好きだな。
・猫持ち上げ問題は結局何だったの?猫のためというよりは人を叩くための理由、炎上させるための燃料にされていたような気もする。
○カステラ
・深夜のチャット カステラ食いてえ
・カステラ知識深いなと思っていたら、互いに同じwiki見てたとは。この短文で、くすりと笑わせてくるの良いな
◯この商品を買っている人が買っている商品を買っている人は
・早朝のジョギング。途中で自販機で買った飲み物。気に入らなかったら返せるのか。現実になってほしい。情報記録するyousia。
・モスマン社のレコメンド便。情報操作、意識操作されている?元々欲しかったのか、来たから欲しくなったのか。
・元恋人の話を聞いていくうちに自分の住環境とあまりにも酷似していることに気づく。近所のおじいちゃんの病気まで操れるか?ジオラマのように、想定された均一さを持って配置されている?
・自分の元にもモスマン社からマッチングサービスの担当が来た。写真を見て薄く微笑んだ自分。どういう感情によるもの?自分で選んでいると信じたい?恐怖が度を超えて微笑んだ?
・後味怖い話だった。ちょっと使ってみたいけどね。誰が買ったものを買わされようとしているのか。
◯カスタマーサポート
・チャットでスマホのサポートしている。指紋認証が反応しない。
・通話サポートはしたくない、センサーは生体電気から指紋の形状を特定することを聞きチャットから落ちる。
・死んどるやないか!ちょっと予感はしていたけど!
・生体電気の話を聞いてから3分ラグがあるな。焦ったんだろうなあ。
○北美山修介の秘密
・確かに小躍りはどんな踊り?
・北美山修介は10代女子に刺さる学園ものを書く覆面小説家。そんな人からファンメールの返事が来た。8000字のメール、熱量が多すぎる。これでも修正して十分の一。
・覆面小説家、男性だと何故わかる?恐山氏みたいな仮面でも付けてるの?名前だけなのに?
・事務所の見学に誘われた。かなりの豪邸。
・女性だったか!ひんやり冷たい手?また死んでる人?大勢の人で1人の作家として作品を作っている。
・性別が女性であることは否定しないのに、複数人で作ることは抵抗あるんだね。
・セリフ作りが評価されて、先生の一部分となることを決めた。
・最初に憧れた先生のデビュー作は1人で全て書いたもの。それを目指して行きたいと心にする。
○紫色の洗面器
・子供の上げる動画を見るのが趣味
・エイナの息止めチャレンジで12000回再生
・実家と同じ間取り。建売なので両隣に同じ間取りの家がある。隣の佐伯さん、指の怪我している。動画に出てくる大人の手も怪我をしている。
・真実を明らかにしないまま終わられると、恐怖を置き去りにされるな。
○ミチルちゃんの呪い
・電子書籍。わたしはめちゃ便利だと思っている。でも思い入れのある本、推しの本は紙で買うし、いわゆる自炊もしたくないな。形で取っておきたい派。
・ズッコケ三人組!なつかし!今の子供達に我々で言うズッコケ三人組のような存在はあるのかしら。
・みちるちゃん。懐かれていた。そういう子か。私の子供の頃にもいたなあ。私は第三者だったけど。
・本のドミノ。昔はドミノの盛大な番組があったんでしょ?タイヤでドミノしてた映像を見た。
・呪われる、地獄に落ちると言われたことを思い出したわたし。その思い出がいまだに心に残っていることこそが呪いのような気がする。
○1日5分の操作で月収20万!最強ブログ生成システムで稼いじゃおう
・タイトルが胡散臭い!くさすぎ!
・よくある美容品の宣伝。美容成分の紹介、とんでもないな!アヘン!この辺から文章に怖さが出てきた。脅迫されているような。よく出てくるフレーズがランダムに組まれている印象。
・このシステムはなんかダメそうだけど、大抵の広告に入っていそうな文章は把握してるんだなと。ちゃんと学習したら、本当に最強ブログになるかもね。
○過程の医学
・13年ぶりの旧友との再会。大学病院で働く橘に、ライターとしてインタビューする守田。
・医者という職業がなくなる日を目指す橘。医療行為の目的は幸福の追求。すでに眼鏡で相手の幸福度を見られる技術を作っているとは。プロトタイプながら。
・赤ん坊は漆黒の塊。表示される対処法に心停止剤の使用が出る。死ぬことが幸福につながる?生まれたことに最大限絶望しているのか。
・大人になると幸福度が高く表示されるが、いつから希望を持てるようになるのだろうか。いつ漆黒から抜け出せるのか。
○習字の授業
・コピペで習字?字は習っているのか?チャットなの?
・入力は怒られる。コピペしろと。
・電脳世界の学校なの?コピペ元の文章はどうやって作られてるんだ?それもコピペ?オリジナルってなに?
○ピクニックの日
・絵本みたいな始まり。さっきまでの世界観と違いすぎて混乱する
・パパがトーストを焼き、ママは夕方まで寝てる。主夫かな?
・かんぼつ 物知りなママ
・サンドイッチうまそう。
・赤いなに!?伏字!?世界観どこいった!やつの威嚇音?をママも出せるの?
・ほのぼの3人家族のぽかぽかなイメージがベースで感じられるのに、ふと出るフレーズによってそれにきしみが感じられる。
・まんまるな虹!ずっと昔は地平線にかかる今と同じものだったらしいが、なぜママはしってる?
・もう一つの世界。理想の世界のたった一人でも不幸になったらやり直し。何千人も眠ったまま夢をみる。
・赤いやつはササキさん。嫌なやつだったのに残っている。誰かの願いによって?
・昔を思い出して惨めだった頃を思い出したら、またリセット?子供は寝てしまった。
・…こわ。幸せになりたくてもう一つの世界に入ったのに、幸せになりきれていない?そもそもこの3人の関係性もリアルの世界ではどうなんだろう。望んでいるからこの関係性でスタートしているけれど。考えるほど怖くなる。自我とか世界とか何なんだろう。リセットされたら記憶は引き継がないのかなあ。でもママはこの世界のこと知っているし。
○亀ヶ谷典久の動向を見守るスレpart2836
・なんで上下反転してんの?横書きだから?不思議な世界観の作品が多いから、なにかの演出だと思った。あ、著者の意図によるものと書いてあったわ。
・個人の行動を逐一報告しあっている?この時点で怖い。スレのびすぎだろ。
・赤目兎がカメやん擁護派?古参だなあ。
・暗証番号も?180とか299の名無しは読者と同じ感性があるようだ。
・生まれた子供のスレも即立った。爺さんはpart13000?
・なにも解き明かされないまま終わった。「1000なら末長くアイツを見守る」を忠実に守っている?
○GIF FILE
・ブロンドの女性にシーソーで股間を強打されるループ。男性からすると恐ろしいことなんだろう。
・GIF動画の世界。わずかなフレーム数で彼女と意思疎通を図る。
・会話を楽しむことは出来たが、希望が見出せないまま彼女は元の動画に戻ってしまった。
・またループの説明。彼も自我を失ってしまったのかもしれない。
○有名人
・心労で会社を辞めた俺、渋谷スクランブル交差点でキャプテン翼の登場人物を叫ぶ
・ばずっとる。声もかけられた。みんなが知る人物になった。
・中高生への強制性交致死容疑で逮捕された。みんな罵倒するが俺はもともと頭がおかしい人間なのに。ウケ狙いでやってるもんだと思い込むし、度が過ぎた頭のおかしいやつだと思いもしないよ。
○最後の1日
・用水路で大学生が転落死のニュース
・ガチャは闇
・今は亡きTwitterの話しとる!ザビエルbot!
・卒アルの作文とがってんな。
・幼馴染の素晴らしさと自分の何もなさが対照的でつらいね、わかる
・田舎のオヤジって言い回しきついよな。自分でわかってることにづけづけと。逃げたくて家から出ていった。そして最初のニュースにつながる、んだよね。何に追われていたんだろう。
○同窓会
・みちるちゃんの呪いのみちるちゃんだ!
・あたし、地獄に落ちるよ だって。本をバラバラにするバイトしているからか。
・デスメタルバンドの追っかけしてるか、みちるちゃんは。笑顔で言うの狂気だよね。
○クラムゲートの封は切られる
・2段になった。
・未確認惑星の環境調査をするディジーとサフ
・赤い砂だらけの星かと思ったが、森林や都市が見えてきた。近づいていったのに消えてしまった、蜃気楼?遺跡だったか。
・724年生きていたハチワレ貝とは
・大都市に見えたのは、街の亡霊が幻を見せてくれたのかも、ディジー、夢あるね。
・他の都市も遠くから見れば活気があるように見えるのに、近づくと荒廃した遺跡に変わってしまう。
・身長ほどの大きな球体。オウム返ししてくる。男性の合成音声のような。瞬時にこちらの声や言語を学習して会話を始めた。惑星の管理者らしい。
・ナメクジのような軟体型知的生物、マグゥファの星で彼らが管理者を作った。繁栄と幸福の維持のために。
・彼らの能力を超えて管理者は進化し続ける。人間も同じ状況になりそう。
・マグゥファの幸福のピークから下り坂へ、対抗策として時間を止めた。惑星にばら撒かれた管理者の素子によって。1万年もの間。
・二人が来たことによって止めていた時間が一気に流れて、本当に荒廃してしまった。
・氷漬けにされて繁栄も何も無い。マグゥファは幸福だったのか?
○読んだ後
・ブラックユーモアな感じ。初めて品田遊名義の著書を読んだが、普段YouTubeやX(旧Twitter)でお見かけするダ・ヴィンチ・恐山みをとても感じた。物事に対する鋭さとか話の広げ方の方向性とか。テーマが日常にあるものが多いのに、切り取り方で作品として生まれ変わるように感じた。
・言葉の源泉掛け流し か。解説のかわぞえあい氏とてもいい表現。すとんと心に落ちる。誰から発せられた言葉なのかを大切にしているんだな。
・『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』も購入している。今作を読んで、とても期待に満ちている。楽しみ。