鬼怒川行きの スペーシアで、 売店の生ビールに 一喜一憂した話
(2020年の記録です)
心が折れた鬼怒川行きスペーシア(往路)
2020年12月8日。
どうしよう泣きそう。
北千住からスペーシアに乗って鬼怒川に向かってるんだけど、張り切って生ビールの販売カウンターに最も近い席を押さえたのに、販売カウンター閉まっとるやないかいっっっ!
コロナの影響で車内販売も無いし、手元の焼き鳥どうすればいいんだっっっ!!
いくつか後方のご夫婦は缶ビールを飲んでるぞ……。
「1本余分にありませんか?」
なんて聞けないしな。
お茶で焼き鳥食べるのは負けた気がするし、私はこのまま死んだ目で遠くの山々を眺めるしかないのかっっっ!!!
過去2回、リサーチ不足で生ビールを遠い席まで運ぶミスを犯したので、今回は完璧な位置を押さえたのに……。ううっっ涙。
春日部で降りようかな。
経緯(私がどれほどこの機会にかけていたか):2015年12月4日。母と鬼怒川旅行。スペーシアは生ビールを売ってる売店が3号車と4号車の間にあるから、今度から売店寄りの席を確保だな!…ん? 去年も同じこと考えてた気が。(2014年も同様の記録あり)
人生捨てたものではない、スペーシアのビール販売(復路)
2020年12月9日。
私はいままさに責任をとっているところである。
自分が想像する範囲など小さくたかが知れており、生じる出来事は常にそれを越えていくものだ。
鬼怒川まで行くスペーシアの販売カウンターが平日閉まっていると分かった場合、生ビールは買えないのだから翌日帰路はもう席の位置など「どうせ」と呟き気にすることもなく、駅の売店で350mlのビールを2本か500mlを1本か悩みつつも謙虚に後者を選び、かつサンドなどを購入して半ば諦め顔で乗り込むわけである。
するとこれはどうもなぜか販売カウンターが開いているではないか。鬼怒川からの上りスペーシアは酒類の販売を行なっているというのか!!!
これは予想外であった。
油断した結果、我が席はスペーシアにてビールを飲むのに最適な4号車1Aシートでは無くだいぶ遠くなってしまった。
発車後だと運ぶ際にこぼれてしまうかもしれない。
いつカウンターが閉まるかも分からない。
もしかしたらあれは幻かもしれない。
私は席に着くや否や髪を振り乱し生ビールを買いに走るのであった。
目的の生ビールはプラスチックの容器になみなみと500mlは注がれたかと思う。
こぼれぬよう配慮して付けて頂いたフタにはストローの差し込み口があり、そこからぷくうと出る泡風船には愛おしさを感じるのであった。
昨日の地獄から一転、手の中の生ビールに心から感謝し、かつサンドと共に至福のひとときを過ごすことができた。
今回は縁結び祈願のために「必ず」願いの叶う「楯岩鬼怒姫神社」に成婚の祈りを捧げに行ったのだが、私の生ビールへの祈りが先に届いてしまったようだ。
そしていま生ビールをありがたく頂戴した私は、売店で購入した悲しきビール500mlと向き合っているところだ。責任は取るべきである。そして何より持ち歩くには重いのである。飲むしかない、そう飲むしかない。
持ち歩く場所が鞄から胃に変わっただけなのかもしれないが。
教訓としては何があっても缶ビールは携帯すべきだ。
そしてスペーシアの座席は何があっても4号車の1Aだ。
窓際であり、販売カウンター、ゴミ箱、トイレ、すべてに近いからだ。
油断するとトイレまでだいぶ歩くことになる。
いま油断した結果、トイレまで遠くモジモジしながらこれを書いているのであった。