JUNK HEAD - 狂気が染みこむ絶妙なエンターテイメント(ネタバレなし)
Amazon Primeで観られるようになっていたので視聴。予告編で想像していた限りではカルト枠かなと思っていたが、造形がおどろおどろしいクレイアニメではあるものの、その中身は相当な完成度で、単なるマニア向けとしてしまうにはもったいない作品だった。
クレイアニメと言うと、ピングーなどにあるような箱庭俯瞰的なものしかみたことがなく、そうなってしまうものだと思い込んでいたのだが、本作はその概念を裏切る、映像表現としても非常に立体的で斬新なものだった。マンガの世界で言うと、のらくろのような平面的な表現だった時代から、手塚治虫が持ち込んだ映画的な表現の時代になったような感覚である。
主人公の体がバラバラになってしまうオープニングから始まるストーリーはまったく予測が付かず、いちいち個性的な登場人物の形や言動がさらにその感覚を強めていくが、予測の付かなさはむしろその先を見たいという欲求につながって、最後まで一気に観てしまった。
ハリウッド映画とはまた違う意味で「大作」であることは間違いないので、何となくでもアンテナが引っかかったら観ておくことをオススメします。ってかなんだか本当に久しぶりにおもしろい作品を観た余韻です。
総合オススメ度:★★★★★
斬新度: ★★★★★
グロテスク度: ★★★☆☆
ピングー度: ★★☆☆☆
鉄雄 THE BULLET MAN 度: ★★★★☆