WATCHES & WONDERS GENEVA 2024
~W&Wクロノスイス ブース & ルツェルン・アトリエレポート~
時計業界最大級の新作見本市「WATCHES & WONDERS GENEVA」が、今年もスイス ジュネーブで4月9日~15日に開催され、全54もの時計ブランドが集結しました。
気になるブランドの新作や情報をいち早くキャッチアップできる為、時計愛好家の方なら、毎年楽しみにしていることと思います。
『クロノスイス』もブース出展し、時計業界関係者や一般の方に新作をお披露目しました。
今回は、WATCHES & WONDERS GENEVA 2024で発表した『クロノスイス』の新作を現地ジュネーブの会場で実際に撮影した写真も合わせてご紹介、また『クロノスイス』の本拠地であるスイス ルツェルンのアトリエの様子もお届けいたします。
『クロノスイス』 新作3モデルにフォーカス
今回の新作の下記モデルには、卓越した技術と高いクオリティで知られるスイス屈指の高級エボーシュメーカー「ラ・ジュー・ペレ」と共同開発を行った、クロノスイスの新しい自社開発ムーブメントが搭載されています。
・Strike Two(ストライク・ツー)
最初にご紹介するのは、水平のレギュレーターが珍しく面白いとお取引先様やメディアの方にご好評いただいた新作「ストライク・ツー」。
1990年代に発売され、ユニークな水平のレギュレーターレイアウトを備えたタイムピース「Tora(トラ)」を彷彿とさせる「ストライク・ツー」シリーズは、クロノスイスの伝統に革新が融合され、現代のモダンメカニカルを表現したモデルです。
・Resec Manufacture Green Monster(レセックマニュファクチュール グリーンモンスター)
「グリーン モンスター」のデザインは、アメリカ・ユタ州の広大な塩湖で開催されるランドスピードレース「ボンネビル」のスピリットに触発されています。
鮮やかで複雑な色合いが美しい文字盤は、CVDコーティングの下にハンドギョーシェが施され、グリーンからブルーへと虹色が舞うような色の変化で楽しませてくれます。グレード5チタンのケースに鮮やかなグリーンのラバーストラップを合わせています。
・DELPHIS 〇〇〇〇(デルフィス 新作) (*6月28日リリース予定)
クロノスイスのアイコニック・ピースである「デルフィス」シリーズからも2024年モデルが追加されました。
ご来場の方々には、先行して新作をご覧いただきましたが、こちらは6月28日のリリースまで間もなくです。楽しみにお待ちください!
<「デルフィスリーズ」と鉱物の展示>
クロノスイスの特長でもある、ダイヤルに深みのある表情を与える‘エナメル加工’。写真のケース内にある青い塊はエナメル塗料の原料で、この鉱物を粉にして不純物を取り除き、不純物を取り除いた水と合わせてエナメルに使用されます。エナメルは片方だけに塗ると割れてしまうので、表裏に塗っています。
<「デルフィスリーズ」の文字盤>
デルフィスリーズの文字盤は曲面になっているのですが、ハンドギョーシェを施す際、先端の彫刻刀のような刃先の角度を曲面に合わせて少しずつ変えて彫っていきます。これにはより高い技術力が必要なのです。
曲面にハンドギョーシェとエナメルを施しているというお話をするとみなさん驚かれていました。
ルツェルン・クロノスイスのアトリエへ訪問
「WATCHES & WONDERS GENEVA」の会場を後にし、ジュネーブから電車で3時間。スイス有数の観光都市であり、Time Valleeや時計店も多く点在するルツェルン。そこにクロノスイスの本社「ハウスオブクロノスイス」もあります。
鏡のような川面が美しい、ロイス川にかかるヨーロッパ最古の木造橋といわれるカペル橋の前を通り、ルツェルン駅から徒歩15分程でアトリエに到着します。
・アトリエの様子
アトリエでは熟練した時計職人たちが多くの器具を巧みに扱い、様々な技術を時計に施し完成させていきます。
クロノスイスのDNAでもある、手動旋盤によるギョーシェ彫り、エナメル文字盤、コインエッジベゼル、オニオンクラウンなどの印象的なデザインは瞬時にクロノスイスとわかります。妥協を許さない時計職人によって、独創的な時計づくりをおこなっています。
・伝統的な手動旋盤によるギョーシェ装飾
文字盤に連続模様を入れるギョーシェ彫りは、装飾的な美しさに加え、光の反射を抑え視認性を高める実用性もあります。
クロノスイスでは、100年前のギョーシェマシーンを継承し、熟練の職人たちが巧みに操り、文字盤やムーブメントに模様を刻んでいきます。
模様の太さはわずか0.2mmで、約0.1mmの深さの連続模様を規則正しく彫り込みます。
手動旋盤にギョーシェ彫りを施すことができる職人は、クロノスイスの職人を含めて現在もごくわずかといわれています。
今日では多種多様なテクノロジーがありますが、それらと融合をしつつ、手仕事でしか表現できないこともクロノスイスは大事にしています。
昨今、多くのクラフトマンシップやノウハウが失われていく中で、クロノスイスは今後も時計製造メーカーとして、職人の手によって生み出され、代々受け継がれてきた技術と価値をこれからも残していくことをリスペクトしていきます。