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クロノスイスの特許と傑作時計 【腕時計ブログ】
1980年代前半、時計業界で、クォーツとデジタルウォッチが全盛となったクォーツショックの真っただ中に、天才時計技術師のゲルト・R・ラング氏はスイス機械式時計の伝統を継承するべく、故郷のドイツに戻り1983年ミュンヘンで「クロノスイス」を創設しました。
ラング氏はスイス時計をこよなく愛していた為、全ての部品製作はスイスで行い、ドイツでは熟練した時計職人たちが伝統的な手法によりダイヤルやムーブメントをひとつひとつ丁寧に手作業で仕上げました。
創業当初より伝統的な機械式時計の技術を守りながら、革新的な時計作りにもチャレンジしているクロノスイス。
今回は、特許を取得した代表的なモデルと、卓越した技術が象徴的な傑作時計にフォーカスを当てていきます。
~特許を取得したモデル~
■1987年 世界初のレギュレーター式量産モデルを発売
手巻き式腕時計「レギュレーター」を1987年のバーゼルワールドで世界初披露し、時・分・秒針がそれぞれ独立した構造は腕時計業界では当時珍しく、時計マニアの間で話題となりました。
デザインには、クラシカルなベゼルにコインエッジ模様、オニオンスタイルリューズ、またストラップをラグにしっかりと接続することができる自動ブロックシステム(特許取得済み)が採用されました。
ブランドの象徴となるそれらは、今もなお受け継がれています。
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■1995年「オーパス」を発表
スイス特許を取得した、世界初のスケルトンダイヤルを搭載した自動巻きクロノグラフ「オーパス」を発表。
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■1996年「デルフィス」を発表
アナログ表示・デジタル表示・レトログラード機能を融合させた「デルフィス」を発表し、スイス特許を取得。
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■1998年「パトス」を発表
スプリット セコンドクロノグラフ初のスケルトンダイヤル・自動巻き「パトス」を発表。
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~クロノスイスを象徴する技術と傑作時計~
●手動旋盤によるギョーシェ彫り
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クロノスイスでは専門の職人が手動旋盤機を操り、緻密で繊細な模様の彫をダイヤルに施し、ひとつひとつ丁寧に手作業で仕上げています。
*♯2ギョーシェ彫り編【時計ブログ】もご参照ください。
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●時間と手間をかけて完成する美しい七宝(エナメル)ダイアル
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七宝焼とは、金、銀、銅、真鍮などの金属製下地の上に、ガラス質の粉末顔料を乗せて高温で焼成すると、融けた釉薬による美しい彩色がほどこされる技法です。時間と手間を惜しまず製作され、厳格な検査に合格した上質な美しさと、優雅な光を備えたダイヤルだけが、クロノスイスの「Artist」コレクションに使用されます。
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●芸術的ともいえるスケルトン装飾仕上げ
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今でこそ普通になった時計の裏蓋にガラスをはめ込みムーブメントがのぞき込める仕様は、ラング氏が開発したものです。スケルトン装飾仕上げは、時計の精度に影響を及ぼさない部分を可能な限り削り落とし、残された部分をいかに美しく見せるかを考えながら職人たちが作業をすすめます。芸術的な装飾が、美しい仕上げを実現しています。
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