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レギュレーター編【腕時計ブログ】

ブランドの神髄、クロノスイスのレギュレーター式ダイヤル

クロノスイスのウォッチコレクションの大半には、レギュレーター式ダイヤルが採用されています。

レギュレーター機構とは?
何時何分何秒かが、すぐには分からない時計


レギュレーターとは、標準・基準と言う意味を持つ。
レギュレーター機構を持つ時計は、天文台や時計製造工場の親時計として、秒単位で正確な時刻を知らせる目的でつくられた。まさしく時計のための親時計。

レギュレーター式ダイヤルとは、文字盤に時、分、秒がそれぞれバラバラに表示されている時計のこと。
一般的な時計は中央に時、分、秒の3針が一緒に乗せられていますが、ギュレーターはそれぞれ別の独立した場所に3針を配置することで、独創的なデザインになっています。
バラバラにした分だけ複雑な連携が必要になり、ひとつのコンプリケーションウォッチとされている。

時・分・秒を表示する点では、中3針、2針&スモールセコンドと変わりませんが、その表示方法が個性的です。

他の時計とはちっとも似ていない、一目見て、即、クロノスイスの時計だとが分かる、このレギュレーターとは、一体、いつ、どのようにして誕生したのでしょうか?

大航海時代

15世紀半ば~17世紀半ばの大航海時代の到来によって、ヨーロッパの列強諸国は、香辛料や植民地を求めて、アフリカ、アジア、アメリカ大陸などに向けて船団を組み大規模な航海に出るようになりました。
しかし、未熟な航海術、精度の低い海図や地図が原因で大勢の人々の命や巨額をかけて製作した大型船が失われる海難事故も多発。そのため外洋での正確な位置を割り出せるマリンクロノメーター(高精度船舶用時計)の開発が早急に求められました。

18世紀当時、時計師は標準時計と呼ばれる高精度な時計を目の前に置き、クロックや懐中時計の精度調整を行っていました。
その際、時・分・秒の各針が重ならない文字盤の方が見やすいということから、18世紀後半、フランスの時計師ルイ・ベルト―が時・分・秒を個別表示する「3針独立表示」を発明。
この3針独立表示の標準時計がレギュレーターのルーツです。
時針は中心より上部の12時位置に、秒針は6時位置に、そして精度調整で頻繁にチェックする分針は大きく見やすいように中心にレイアウトされています。

現代によみがえったレギュレーター - 手巻き式腕時計として初の量産モデルを発売

1983年、ゲルト・R・ラングがミュンヘンにクロノスイスを創立。
伝統的な手法による時計作りを復活させることを目指した彼は、1987年にレギュレーター式ダイヤルの大型クロックのデザインに着想を得て、手巻き式腕時計としては初の量産モデルである「Regulateur/レギュレーター」を発表しました。
時針は12時位置、秒針は6時位置、分針は中央にレイアウトされ、まさに18世紀に誕生したレギュレーター式ダイヤルと同じ3針独立表示が採用された腕時計です。
この初代レギュレーターウォッチには、伝統の時計作りをリスペクトしたディテール(オニオンスタイルリューズ、猫足ラグ、ビス止め固定ストラップ、青焼き針など)も採用され、以降、クロノスイスの時計に連綿と受け継がれていきます。

クロノスイスのレギュレーター コレクション


クロノスイスのレギュレーターウォッチには、クラシックスタイルからモダンデザインまで様々なタイプが存在します。

●レギュレーター クラシック
いちばんオーソドックスなレギュレーター式ダイヤルといえます。ダイヤルはプレーンな仕上げのタイプから、手動旋盤を使いギョーシェ装飾を施した高級タイプまでが用意されています。

●レギュレーター ジャンピングアワー
時間を表示する時針がなく、その代わりに12時位置の小窓に時間がデジタル表示されるユニークなデザイン。中央の分針がゼロ(0)になる瞬間、デジタル表示の数字が切り替わります。

●フライング・レギュレーター
多層構造の複雑なダイヤルデザインを採用したモデル。ベースとなるダイヤルの上に、時・分・秒を表示するスケール部分が、まるで浮き上がっているように設置され、奥行きのある立体的な3次元ダイヤルです。

●フライング・グランドレギュレーター スケルトン
立体的な3次元スタイルのフライング・レギュレーターのダイヤルプレート部分やムーブメントをスタイリッシュに削ぎ落したスケルトン仕様のレギュレーター。

●フライング・レギュレーター オープンギア
フライング・レギュレーターのモダン進化系と言えるモデル。ムーブメントの地板を兼ねているダイヤル上にスケルトンナイズされたインダイヤルや輪列受けを配置。本来、ダイヤルの下に隠れて見えないギア(歯車)が鑑賞できます。

●フライング・レギュレーター ナイトアンドデイ
9時位置に、昼と夜を表示するナイトアンドデイ表示機構を搭載したフライング・レギュレーター。チタン製の球体の半分は夜を表す星空が、もう半分には昼を表す青空が描かれます。

●フライング・レギュレーター オープンギア レ・セック
レギュレーターコレクション初のレトログラードセコンド採用モデル。6時位置に30秒ごとに往復運動するレトログラード秒針を備えています。

●オープンギア・フライング トゥールビヨン
ベースとなるフライング・レギュレーター オープンギアのパワーソースに複雑機構として知られるトゥールビヨン脱進機を採用。手動旋盤で仕上げたギョーシェ装飾ダイヤル、独立表示のレギュレーター、複雑機構のトゥールビヨンを組み合わせたクロノスイスが目指すモダンメカニカルを象徴するタイムピース。

クロノスイスのDNAとも言える「レギュレーターダイヤル」についてご紹介しました。レギュレーター式腕時計のパイオニアでもあるクロノスイスで、お気に入りの1本を見つけてみてはいかがでしょうか。

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ブログ著者:菅野たけし

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