時計の歴史:後編【腕時計ブログ】
前編では、時計の誕生から現代の様々な時計について書いてきました。
クォーツ全盛の1982年に創業したクロノスイスは、衰退しかけていた機械式時計の復興に一石を投じました。後編では、機械式腕時計についてお話ししたいと思います。
機械式腕時計とは?
機械式腕時計の人気は相変わらず高く、複雑な機構を備えたタイプや文字盤やムーブメントに美しい装飾が施されたものまで、その勢いは止まるところを知りません。事実、時計専門店やデパートの時計売場でも、目立つ場所に陳列されているのは、ほぼ機械式腕時計といっても過言ではないでしょう。
では、機械式腕時計の機械とは、いったい何を指しているのかお分かりでしょうか?巷では、中にゼンマイや歯車が入っているのが機械式という声も多く聞かれたりします。しかしボタン電池でテンプを駆動させる電磁テンプ式やゼンマイ+クォーツ制御も存在しますし、アナログクォーツには歯車が内蔵されモーターで駆動させています。
機械式腕時計が、機械式である所以は、
①動力源となるゼンマイ
②動力を伝える歯車③歯車の回転スピードを一定に保つ調速機構
③歯車の回転スピードを一定に保つ調速機構
④実際の歯車の動きをコントロールする脱進機(エスケープメント)
⑤時刻表示をする針と文字盤
中でも③④が機械式腕時計の定義に不可欠な要素といえます。④の脱進機という名前は、普段なかなか耳にしない名称だと思いますが、腕時計の精度を司る機構で、調速機と脱進機という2つの機構をまとめた呼称です。ゼンマイが解ける力を歯車に伝達する際、その速度を一定に保つように調整するブレーキとアクセルのような役割を果たしています。この際に発生する音が「チクタク」であり、クォーツやデジタルウォッチから、このチクタクは聞こえてきません。
自動巻き
かつて、知り合いから「自動巻きの時計買ったのにすぐに動かなくなった」と相談されたことがあった。なんでも買ってから、ずっと机の上に置いておき、自動的に動き出すのを待っていたそうだ。置いておけば自動的に巻き上げてくれる時計と勘違いしていたらしい。
腕につけることで自動的にゼンマイが巻かれるのが「自動巻き」だと教えてからは、連絡が無いから無事に使いこなしていると思うが。
1700年代に着用者の体の動きを利用してゼンマイを巻き上げる懐中時計が
はじめて誕生する。
その後、着用者の腕を動かす動作を利用して、振子式やムーブメント自体の上下をバネで挟んで時計ケースの中で揺れ動くのを利用したタイプも誕生した。現在の自動巻きのような時計の中心を軸にして扇形のローターを回転させて巻き上げる半回転型が生まれたのは1924年のこと。
1931年にはロレックスが全回転型で特許を取得。以降、このパーペチュアルの名称で呼ばれる自動巻機構が主流となります。
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ブログ著者:菅野たけし
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