■G2R2018「アイム・マイヒーロー」後書き
■ G2R2018を終えて
参加者・イベント関係者・プレイヤーの皆様、お疲れ様でした。
まずは、沢山のご感想・インプレッションを頂きまして、
ありがとうございました。
誠に恐縮ながら個別のお返事は控えさせていただきまして、
制作時を振り返った文章をしたためました。
心底嬉しいからこそ自分も語りたくなったという事で、何卒お許し下さい!
■ 当初の思惑 〜 しくじり先生 俺みたいになるな!!
講師:Ino(chronoize)
まず、チームのコンセプトが「二次元アイドル」だったので、
以前からやってみたかった
”昨今の女性向け・アイドル育成ゲームよろしくな男性複数のボーカル曲”
を候補にしました。
(0:00~1:37)
これを自分の作品で達成するには、以下をクリアする必要があると考えました。
①男性ボーカル数名 (3名と仮定。こちらで考えたキャラ設定に添える人選)
②映像制作者 (BGA制作者)
③キャラクターデザイン&イラストレーター (立ち絵&表情差分)
特に難航したのは③で、これにはまず
“BMS界隈外の絵師さんをお呼びしよう” という案がありました。
せっかくならその手のアプリでイラスト制作経験がある方を招いて、
実在のゲームと錯覚するクオリティのMVを作りたかったのです。
..が、結果から言えば絵師さんへのオファーは全滅でした。
考えられる原因として、
・キャラデザ&イラストに掛かる工数の見積もりがあまりに甘かった
しかも問い合わせ時期が7月も半ばというコミケ作業期真っ只中。
・極めて少額な報酬の条件だった
収益が発生しない案件である等の理由は説明しましたが、やはりプロを雇うのにある程度の相場を守る事は重要。
などが、表向きの主な理由として考えられます。
当たり前だと言い切れる事ばかりですね。
これらを強行突破し得るのがいわゆる「コネ」ですが、
残念ながら僕にはありませんでした。
このご時世、どこの誰か分からない人から依頼が来たらそれだけで警戒に値しますよね。
ちなみに①のボーカル複数人も、
既にスケジュール的に厳しい状況だったので断念。
(誰にどんな風に歌って貰うか個別の相談、RECの立会い、人数分のMIX等)
ここに関しては、お声掛けすればやって頂けそうな方がいらしたので、
正直、心残りです。いずれリベンジしたい。
結果、キャライラストが用意できない中で二次元アイドルを謳う作品を作るのは非常に困難と考え、この時点で9月も半ばでしたが、大幅な路線変更を余儀なくされたのでした。
総じて言える事としては、
分不相応なプロジェクトの見積もりは慎重かつ丁寧に!
自分で考え得る以上にスケジュールの余裕を持たせる!
に尽きます。
俺みたいにはなるな〜〜〜(しくじり先生終劇)
■ 「アイム・マイヒーロー」(曲)ができるまで
・普段の作風よりチャレンジングな制作をやれる余裕は無い
・どうにか自分の引き出しで対応できてクオリティが詰められるもの
・その中で1つでも新しい挑戦ができる
…を軸に考え、
男性ボーカルの四つ打ちダンスポップ歌謡
を作ることにしました。
普段R&Bとかバラード歌ってそうな実力派が、大衆性の強いJ-pop歌ってたら、それってアイドル感強くね?
(※こじ付けです)
↑の Free Style を懐かしむ方はきっと自分に近い音ゲーキャリアだと思うんですが、
この辺のチョイスも今作の懐かしさにプラスされていると思います。
BMSだからこそ映える懐かしさに成り得たかな?と。
最近こういう曲、本家に無いよね。とか。
こういうのもっとあったら楽しいよね。とか。
そういう同窓会(?)的な久しぶり感があると、G2R感強いかなと。
意外とG2Rというイベントタイトルを深読みして下さる傾向あるので、
こういう思索は割と響くと思っています。
そして、1回聴けばサビの1行は歌えるポップス感と、演奏感の高いゲーム性の両方を保つ!
BOFUシリーズだけでも2015から毎年テーマにして、頑張ってたりします。
的な。
なので発狂とか難しい譜面を作ってない(≒作れない)んですが、
(発狂譜面に、自分の感じる"演奏感"を求めるのは筋が違うという発想)
楽しんでいただけていれば嬉しい限りです。
■ 「アイム・マイヒーロー」(歌詞)ができるまで
曲は作り始めたが既に10月突入。
残りの土日祝を数えても既に絶望的!
ここは歌詞も誰かにお願いしようと潔く決断。
作詞のイマイヨシヒロさんは、普段複数のバンドでボーカル・作詞をされていて、
家が近いこともあって深夜まで飲んだりする仲です。
このバンドのボーカルさんです。かっちょいいな!おい!
自分より語彙力も言葉のチョイスも面白いイマイさんの手腕で、
まるで自分が曲を通して伝えたいメッセージを全て代弁してくれたかのような出来でした。
これが後のkkkfff2さんによる映像へ繋がり、
バトンリレー式に作品が仕上がったかと思うと、
月並みですが、DTMやってて良かったなーと思えます。
人を作品で繋げる事ができるのは格別の喜びです。
インプレで『自分と重ねた』とか『歌詞が響いた』という感想が多く見られた事も嬉しくて、
自分すら歌詞の内容が響くので、本当に報われる思いでした。
歌詞が刺さるのはポップスの一番の醍醐味ですからね!
■ 「アイム・マイヒーロー」(歌)が入るまで
歌入れREC日がG2R登録期間の2週間前、
曲(推定完成度20%以下)を聞かせたのも1週間前、
歌詞を渡したのもREC数日前。
こんなヤ●ザ日程も快く受けてくれた柳瀬マサキさん、本当にありがとう…
彼とは sweez & Meine Meinung でお馴染みのkatokitiこと加藤裕幸さんから繋がったご縁です。
これは師匠の加藤さんの曲ですが、本当に色褪せない名曲ですね。
BMSでこれが遊べるんだからプロだ!って感想も出ます。
...で、どうやらボーカル案件を絶賛募集中のようでしたので、
今回は彼が適役だ!と思ってお願いしました。
きっちり2オクターブを隅まで使った玄人向けのメロディも難なく対応し、
意図していた以上にカッコよく歌い上げてくれました。
彼のボーカルに助けられたお陰で、曲のアレンジが固まったも同然でした。
メインを録り終えたその場で、
「スキャット何テイクかちょうだい!」って言ったら、
間奏やアウトロで聴けるああいうのが一発で出ました。
プロです。
次があれば、今度は柳瀬くん本来のボーカルを引き立てる方向性でやってみたいです。
R&Bとかファンクとか。
ゲ●の極み乙女。みたいなのもやりたい(自分がやりたいだけ)
■ 「アイム・マイヒーロー」(映像)が出来るまで
映像のkkkfff2さんには、
まだ男性アイドル案がやりたかった頃から既にお声掛けしていました。
当然のようにこちらもヤクザ日程。本当にごめんなさい。
でも短期間で、すごく充実したやり取りだったのも事実。
kkkfff2さんにBGAをお願いした理由として、
・キャラクターイラストを使ったMV系動画を制作されていたこと
・二次元アイドル系のコンテンツが得意分野そうだったこと
この2点が大きいです。
また、
・ボカロ系MVを多く制作されていた
ことも、今回作成して頂いた映像に色濃く反映されたのではないかな?と思います。
リリックビデオ的に歌詞のストーリー性を視覚的にピックアップして頂けたお陰で、
歌詞について沢山の反応を頂けた事は間違いないでしょう。
映像あってこその音楽、音楽あってこその映像だと痛感し、
映像が音楽にもたらす計り知れないバフを感じました。
これは去年の fly*high*five でも得られた経験でしたね。再確認!
■ その他/謝辞
アレンジ添削をして下さったカラフル・サウンズ・ポート大先生、
この曲と同時並行していた秋M3案件の数曲を親身に聴いてくれたO-SE氏、
そして今回の作品には関わって頂いていないものの、
M3を始め多くの苦楽を共にして下さったtomo氏、
他、制作中は色々な方々にお世話になりました。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
■ まとめ
BOFU(G2R)シリーズの参加は、思っている以上に生活時間を犠牲にします。
自分なんかは、これで毎年、代表作が更新されるものと思っているので、
出来る限り、半端な作品は出したくないからです。
お前初めてかここは?力抜けよ
という声が聞こえて来そうですが、もはや慣性の法則みたいなものです。
だからと言って今後のお約束までは出来ませんが、
BOFUが開催されたらIno(chronoize)のBMSが遊べる!と思って頂けるなら、
作者冥利に尽きます。
BMSから逃げるな という名前のチームがありましたが、
この命名からは、説明を受けずとも共感する物があったのも事実です。
BMSを好きになったり嫌いになったり、色々あって当然です。
あまり気負わず、ともすれば当たり前に存在する機会だとも思わず、
今後もこんなに長文で語りたくなる趣味であったら良いなと思います。
長くなりましたが、
今後とも変わらぬご声援の程、宜しくお願い申し上げます。
Ino(chronoize) - 2018.12.24