今日の晩ご飯は、すっごい蝿
妻「新しい自転車を見た娘が『すごい』しか言わなくなって…」
俺「すごい鹿?」
妻「違う違う。なんでそこで急に鹿の話が出てくるんよ」
何も違わないと思う。俺は会話の途中ですごい鹿を見たら、どんな話の最中であっても「すごい鹿!」って言うと思うし、妻の話を聞いてる身としても急にすごい鹿が出てくる話を妻がしてくれる方がめっちゃワクワクするからだ。
妻からしたら、娘が感動しまくってすごいすごいと言いまくっていた話を俺に聞いて欲しいわけだが、俺はすごい鹿の話の方を聞きたいのだ。
ところで、そういう、「話の途中でその話より優先するべき事項が突然現れた場合」において、人はどのように会話を構築すればよいだろうか。
話し手側としては、理解が追いつかない事象が突然発生しているのにも関わらず、「あっ!すごい鹿!」のように冷静に間を置くような話し方になるのも変な話である。
一方で聞き手側としては、「自転車が、すごい鹿」と言われても理解に困るわけで、より定型的な、理解しやすい会話として、「自転車が、あっ!すごい鹿!」と言われた方が、自転車とすごい鹿はセンテンスとして分断されているので理解しやすいのである。
それを踏まえて、話し手側としては、自転車の話をしている時にすごい鹿が通ったとしても、その場で「すごい鹿」とすぐに述べるのではなく、一度呼吸を整えた後、あらためて「あっ!」と(まるで小⚪︎製薬のCMのような)感嘆符を挟んだ後、「すごい鹿!」と述べることで、聞き手側も「なるほどー、自転車の話をしてたら途中で突然すごい鹿が来ちゃって言及せざるを得なくなったんだなー」ということが理解できるんじゃないでしょうか。
まとめます。
自転車の話をしている時に、突然すごい鹿が現れたら、話し手は
「自転車がさー、(うわすごい鹿が通ったけど今すぐにすごい鹿って言っちゃったら聞き手がミスリードしちゃうかもしれないからここは一呼吸置いてから次の発言をしよう、かーらーのわざとらしいくらいの)あっ!(うわ自分今なら⚪︎林製薬のCMに出れるかもしれん)すごい鹿!(やっとすごい鹿の話ができた!もう鹿はどっか行っちゃったけど)」
くらいのことを考えながら発言すれば、聞き手にとってちょうどいい。
各位、明日からの会話の参考にご査収ください。
いやまどろっこしいわ。
ってところで話は終わり、妻から「今日の夕飯何がいい?」って聞かれたので、
「今日の晩ご飯は、すっごい蝿」
って答えました。蝿は食べずに寝ました。