壊れた食べ物を擬人化したい男
ポエムです。
コンビ二の店頭でぼろぼろに割れたチュロッキーを見る。もろい砂糖の衣に覆われているから、衝撃にはオールドファッションも顔負けの弱さだ。
たぶん誰も買わないで、捨てられるんだろうな。かわいそうに。
買ってあげたらもしかしたら、人のかたちになって恩返ししてくれるかも。それでなければ、今こうして手に取った俺はただの偽善者になってしまう。あんまり得がない。
その日はもう夜だったから、次の朝飯代わりだった。
それ以降、ふしぎと色々なところ欠損した食べ物を見る。破れてしまったシュークリーム、ソーセージの欠落した調理パン。
そいつらに愛着が湧いて、擬人化した姿を思い浮かべてチュロッキーちゃんだなんて描いたりしていた。画力がなくて、かわいいと思ったことはない。
けれど、最近はめっきり遭遇しなくなってしまった。
寂しくなって訳あり商品のせんべいなんかを買ってみる。そして、スーパーをあてどなく彷徨う男になる。
人間には信仰が必要だ。
コンビニとかで売ってるミルクチュロッキー、美味しいよね!
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