ご近所外交
私の住む場所は、例えるなら"都会の森"。
地下鉄の最寄り駅まで徒歩8分とはいえ、街の緑地計画により、この一帯だけ突然の田舎。
それ故に、ご近所さんは、長年住まれている後期高齢者がほとんどで、ここには昭和的ご近所付き合いが、令和になった今も存在している。
8年前越してきた私たち夫婦も町内会に加わり、それ以来、仲良くさせてもらっている。
今週は、うちの班、10世帯皆で使用しているゴミ置き場を作り直すということで、集金があり、ボランティアで近所のおじ様方がやってくれるという。
今朝、お隣さんと話すと、今日はコンクリートをうつ段階だと。
挨拶とお礼を伝えるために現場へ出向くと、70後半から90歳のおじ様達が3人が、水を含んだ重いコンクリートを練ってるではないか!
おば様方はお茶やおにぎりの準備。
それを見ると、50代とはいえ、一番若手の私が動かないわけには行かない。
私は、チビではあるものの昔から、握力も強く体力もある。
そして、何より、大工の娘で、職人仕事には馴染みがあり、見かけはそうは見えないらしいが、中身は生粋のガテン系。
やるしかない!ガテン系スイッチ、ON!
周りのご近所さんは、大丈夫?と最初こそ心配していたが、25kgのセメントと20kgの砂袋を運び、練り始めると、何も言わなくなった。笑
10時半から始め、昼頃、一旦、お茶飲み休憩をし、それからまた作業へ。結局、コンクリートを作り流すことを10回ほど繰り返した。
終わった後は、皆でおにぎりを食べ、互いを労いながら、「昔の田植えを思い出すなぁ。昔は互いの田植えを手伝って、こうやって一緒にご飯を食べたね。」と、おじ様、おば様方が嬉しそうに言った。
私も昭和の田舎育ち。うちは農業とは全く無縁だったが、人が寄り集まる機会は多々あり、楽しくやっていたことを思い出した。
思いがけない力仕事で疲れはしたが、ノスタルジックな気持ちと和やかな気持ちに包まれた時間だった。
“遠くの親戚より近くの友人" と、昔聞いてはいたが、こういうことかも知れない。
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