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シルバーウィークに祖母を振り返る 「105年生きた祖母との思い出」

私の祖母の驚きポイントをまとめた記事は以下。


私は、14人の孫の中で、7番目。

中間子というのは、特別感のない位置ではあるものの、車で10〜15分くらいの所に住んでいたため、同居の孫2人以外で言うと、関わりは多い方だったのかも知れない。

私が記憶している、この祖母との思い出がいくつかある。

幼稚園1年目


当時、私の両親は、まだ20代で、関西から越してきて2年目に、土地を買って家を建てたため、朝から晩まで、とにかくよく働いていた。

それ故、私を幼稚園バスに乗せるタイミングに、無理があったのだろう。私は朝起きると、祖母宅(長兄一家を含む5人家族)に預けられていた。

そこに同じ幼稚園に通う1つ上の従兄弟がいたので、一緒に乗せてくれるよう頼んだのだろう。そこで、朝食を食べて、園バスが来る時間まで過ごした。

その祖母が世話してくれた朝食時間は、一貫性があったので、今でも記憶している。

従兄弟と私、時期により、小学生だった4歳上の従兄弟も一緒に食卓に並んで座ると、まず、各々の目の前に新聞に入っている広告紙を一枚ずつ敷く。なんと、これはランチョンマットであり、プレートだ。

その上に、焼き上がったトーストと甘いカフェ・オ・レが乗せられる。この甘いカフェ・オ・レにトーストを少し浸して食べるという、今思えば、1975年頃の田舎の鮮魚店の孫達にしては、ある意味、小洒落こじゃれた食べ方をしていた。(((*≧艸≦)ププッ

食べ終わると、パンくずの落ちた広告紙を丸めて捨てて、私達子供の食事が終了。

大人になってから、私は両親に、祖母宅ではプレートを使わず、広告紙を使っていことを話すと、母は「えっ?」と不思議そうにしたが、父は「それが1番片付けが早くて、合理的だからだ。魚屋の朝は忙しいから」と笑いながら言った。

幼稚園2年目


1年目は、1歳上の従兄弟と一緒に園バスの停留所まで送ってもらっていたが、その従兄弟が小学生になり、私1人になった。

最初こそ以前通り、祖母が見送ってくれていたが、ある日から、200mくらい先にある、斉木さん宅に預けられるようになった。

斉木さん宅に、私より1歳下で同幼稚園に通うようになった女の子がいたから、きっと、店に魚を買いに来た時にでも、世間話ついでに頼んだんだろう。私は朝食を祖母宅で食べた後は、斉木さん宅で、園バスの迎えまでの時間を過ごすことになった。

この時の私の心の声は、「皆、朝から私をたらい回しにして。まぁ、皆、忙しいんだろうから、言われるがままやるけど。それに比べ、斉木さんちのお母さんは、主婦だなんて、何と優雅なんだ。」と。

この幼稚園2年目のことは、両親は全く知らなかったらしく、私が20代半ばになり、斉木さんちのお母さんに再会した話ついでに、その事を話すと、驚きつつ、「全く知らなかった。まぁ、ばあちゃんも忙しかったんでしょ。近所付き合いもあって頼んだんだろう」と、笑って言われたので、私はすかさず、「私って可哀想じゃない?」と言ったが、2人共、爆笑していた。(๑•ૅㅁ•๑)

昭和のご近所は、家族のように肩を寄せて協力し合っていて、特に下町住まいの商売人には互いに馴染みや繋がりがあり、皆で子供の面倒を見ていた感じだ。

眼科への通院


原因は覚えてないが、ある時期、眼科通院が必要だった私は、祖母宅から200mほど先にある眼科に通うことに。

昭和の通院には予約システムはなく、皆、早起きして並んで待ったものだ。

その眼科は、診察時間前から、ドアは開いていて、院内で待てるのだが、皆、床にまで座りきれないほど多数の人が待ってる状態。

忙しい祖母は待てるわけもなく、「うちの孫、置いて行くから」と、またまた顔見知りと思われる人々に、声をかけ、私には「呼ばれるまで待っときなさいね」と、去って行く。私は、年配の方々に囲まれ、診察を待つのが常だった。


とにかく、こんな感じで、私の両親が忙しかったため、1人行動がままならない小学生2年生くらいまでは、よく世話になっていた。

しかし、上記の思い出エピソードの通り、孫を猫可愛がりするタイプではなく、人間味溢れた人付き合いをするタイプだった。

よく働いて、チャキチャキした人という例えがよく合う。

晩年、鮮魚店を閉めた後も、人の繋がりが絶えず、ほぼ毎日のように誰かが訪ねてきて、井戸端会議をするのが日課だったようだ。

人との繋がりの中で生きて、最後まで人と接したからこそ、長生きしたのかも知れない。

亡くなる数ヶ月前、遠方に住んでいる私は、帰省し、入院先の祖母を見舞った。
私が聞いた最後の言葉は「ありがとう

強く逞しい生き様を見せてくれた祖母に心から感謝すると共に、人生を終えるときに、私も「ありがとう」と言える人になりたい。



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