世界最大のプロレス団体『WWE』の入場曲を紹介する
※この記事は某鯖アドベントカレンダーで作成した記事です。
プロレスには入場曲という文化があります。入場曲とはプロレスラーが会場に現れリングに上がる際に流れる曲のこと。一人一人違った楽曲が使われます。英語では「entrance music」や単純に「theme song」と呼ばれたりします。プロレスファンでないとあまり馴染みのないものかもしれませんが、一部の楽曲はプロレスに興味がない人でも知ってるものがあると思います。代表的な楽曲をあげるとアントニオ猪木の入場曲「炎のファイター」(猪木!ボンバイエ!のフレーズので始まる楽曲)、平沢進が作曲した長州力の「パワーホール」など。
これらの楽曲は日本のプロレス全盛期に使われていたものであり、日本国民ではプロレス以外のシーンでも耳にすることがあるものだと思います。ただ海外の、アメリカのプロレスで使われた楽曲となると全く馴染みがないのでしゃにでしょうか。
この記事ではアメリカに拠点を置く世界最大のプロレス団体「WWE」で使われている入場曲について紹介していきます。
なぜそんなものを紹介?を聞かれたら、それは私が物心ついたときからずっと聞いているジャンルでただ単に知ってもらいたいから。音楽知識はザ・にわかのため適当なこと言っていたらごめんなさい。
公式のYouTubeのリンクで紹介しますが貼ったものはSpotifyなどのサブスクでも聞けますので何卒。
プロレスの入場曲のいろは
プロレスの入場曲はレスラーが入場する時と、試合に勝った時にしか流れません。そのため一般的なポップスとは少し違った性質があります。主な特徴としては以下の通り。
・最初からクライマックス(前奏がないor短い、サビから入る曲が多い)
・最初の1秒で誰の入場曲かわかる分かりやすい出だし
・インスト曲の場合およそ1曲60秒程度のくりかえし
・口ずさみたくキャッチーなメロディ
・ベビーフェイス(ヒーロー)にはカッコイイ曲、ヒール(悪役)には悪そうな曲
・たまに選手のキメ台詞が楽曲に使われる
代表的な楽曲で一つ紹介します。
ストーンコールド・スティーブ・オースチン - I Won't Do What You Tell Me
作曲は多くのWWE楽曲を制作したジム・ジョンストン氏。
この入場曲が使われるストーンコールドはWWE史上最も高い人気を誇るレスラーの一人です。
曲としては最初にガシャンガシャーン!というガラスが割れるSEから始まり、デデッデデッデデン♪というフレーズの繰り返し、そしてサビ、ちょっとアウトロっぽいのが流れて約60秒、最初に戻る…という流れ。
まず最初のガラスの音ですぐストーンコールドの曲だ!とわかります。なぜこういう形式なのかというと、プロレスは普通に予告通りに試合が行われレスラーが入場するパターン以外に試合への乱入といったサプライズの場面でも使われるからら。
この動画で試合をしているヒールレスラーのトリプルH(長髪の方)はWWEの悪のオーナー、ビンス・マクマホンを味方につけ、試合を裁くレフェリーまで悪に加担します。対戦しているザ・ロック(短髪の方、現在ハリウッドスターとして活躍するドウェイン・ジョンソン)は絶体絶命、そんな中ストーンコールドが助けに来た!このガラスが割れる音で会場は爆発的な盛り上がりを見せます。
曲が60秒なのは入場に長い時間をかけるケースが少ないため。一般的なポップスのようなイントロ、A、B、サビ…とやってたらサビの前に入場が終わっちゃいますね。短い入場の間にサビが聴ける構成になってるものが多いです。
また、入場曲はレスラーを象徴するものでもあり、レスラーのギミック(キャラクター)を強く印象付けることができます。そのためレスラーがギミックを変更する際や、ベビーフェイスからヒールに代わるフェイスターン、逆にヒールからベビーフェイスに変わるヒールターンの場面で入場曲が変わることはよくあります。
なんとなくゲームのボス戦のBGMみたいなものに近い気がしますね。
曲紹介
めちゃくちゃ長くなったのでSpotifyのプレイリスト貼ります。気になる人は解説もなんとなく読んでください。
ここから曲を紹介していきますが、WWEは長い歴史がある世界最大のプロレス団体、入場曲が注目されるようになってからだいたい40年ほどたっているうえにレスラーの数は累計して1000人以上はいるはず…というわけで本当にごく一部ですが制作者ごとに分けて簡潔に
ジミー・ハート時代(1980~90年代)
1980年代に楽曲をいくつか制作したジミー・ハートの楽曲から。彼はレスラーと一緒に活動するマネージャーを兼任し、表舞台にも立つ人物であったためファンからの知名度も高く、完全に裏方に徹していた後述の作曲家たちと比べると特殊なタイプです(というかマネージャーが本業)。
ブレット・ハート - Hitman
カナダの国民的レスラーの入場曲。エレキギターがかっこいい!
ショーン・マイケルズ - Sexy Boy
ボーカルはショーン・マイケルズ本人。こちらもかっこいい曲…かっこいいか??サビに入る「セクシーボーイ♪」の高い女性の声も、ちょっとふざけたような歌詞もいい味を出している。この曲は90年代にリリースされ、彼が引退する2010年までずっと使われ続けました。こういう曲でもレスラーとの相乗効果でめちゃくちゃかっこよく聞こえます。
伝説となっている入場シーン。やっぱりかっこいいぜ!!
番外編1 ハルク・ホーガン - Real American
80年代の入場曲を語るうえで外せないのがアメリカの国民的プロレスラー、ハルク・ホーガンの入場曲です。この入場曲はWWEの作曲家ではなく、ミュージシャンのリック・デリンジャーがWWEに書きおろした曲。分かりやすいイントロから、サビまでが短い構成、「I am a real American. Fight for the rights of every man.」といった歌詞までとても馴染みやすい楽曲になっていると思います。アメリカ人のの愛国心を刺激する、とてもアメリカらしい楽曲です。
権利上の問題からかサブスクにはオリジナルバージョンはありませんが、iTunesなどでは購入できるようです。
ジム・ジョンストン時代(1980年~2010年代)
WWEの入場曲を語ると8割はこのジム・ジョンストンの曲になります。2010年代に半引退するまでほぼ1人でWWEの入場曲を作り続け、入場曲のみならず番組のテーマ曲までも複数制作しました。楽曲のジャンルはメタルやハードロックなどが多めですが、選手のイメージに合う曲ならなんでも。とにかく耳に残るメロディーを作るのが印象的です。
ザ・ロック - If You Smell
ご存じロック様こと現ハリウッドスターのドウェイン・ジョンソンのレスラー時代の入場曲。冒頭に「If you smell what The Rock is cookin'!(ロック様の妙技を味わえ!)」というキメ台詞から始まります。入場シーンがとにかくかっこいい。昔のWWEは選手がポーズをとると観客からカメラのフラッシュがビカビカと焚かれそれをロック様が味わうように浴びるのがいいんですよね。
ロック様→ストーンコールドが入場する動画。画面越しでも盛り上がりが伝わってきます。その後のnwoの入場曲も最高ですが後に紹介します。
カート・アングル - Medal
カートはアトランタ五輪のレスリングで金メダルを獲得しその後プロレスに転向したエリート。アメリカ人なのでいかにもアメリカっぽい曲になってます。母国開催のオリンピックで金メダルを獲得なんて超英雄なのに、そのギミックは金メダルを持ってることを鼻にかけ他人を見下すおバカキャラ。彼の入場曲にあわせて観客は「You Suck!(へなちょこ)」とチャントすることがお約束になってます。余談ですがこの曲はほかのレスラーのために制作された使いまわしだったりします。オリンピック金メダリストなのに…
ジ・アンダーテイカー - Rest In Peace
地獄の墓堀人の入場曲。元の曲はショパンのピアノソナタの「埋葬」という曲らしいです。墓堀人とはなんなのか日本人だといまいちイメージしにくいですが、死に近い存在…みたいな感じでしょうか。墓堀人だけでは説明がつかない超人的なパワーも持っています(暗闇から一瞬で姿を現したり雷を呼び起こしたり生き埋めにされて何度も蘇ったり)。この入場曲を聴けばただものではないことはイメージできますね。
アンダーテイカーの入場はそれはもう壮大でこの入場を見るだけでお金を払う価値があります。
年間最大のイベントであるレッスルマニアでの入場。会場が大きくなれば演出も派手に。
トリー・ウィルソン - Need a Little Time
女子レスラーのトリーの入場曲。当時のWWEにおいて女子レスラーは「ディーヴァ」と呼ばれており、リング上でセクシーなセグメントを行う客湧かせ要員でした。その中でも一際エロく人気だったのがトリー。子供のころの私には刺激が強すぎましたがこの曲からもエロさが伝わってきますね(?)
エッジ - On the Edge
テスト - This Is a Test
個人的に好きな2曲。2000年前後のこの時代の入場曲はいかにもプロレス曲っぽいものが多く好きです。
トリプルH - My Time
キャリアの大半をヒールとして過ごしたレスラー。曲からして悪そうだしかっこいい。
トリプルH - The Game
My Timeの後に使われた入場曲。この曲はヘヴィメタルバンドの重鎮、モーターヘッドとジム・ジョンストンの共作。トリプルHはこの曲に合わせてゆっくり入場しながらパフォーマンスをします。入場だけで金をとれるレスラー2です。
これはレッスルマニアでの豪華版の入場。
こっちは違う年のレッスルマニア。ダッサ…。冒頭で流れてる曲もモーターヘッドの楽曲。トリプルH関連の楽曲で計3曲もWWEに提供しています。
これの3曲は2000年代の曲ですが、同時期はモーターヘッドのようにアーティストとのコラボ楽曲が多くリリースされました。
クリス・ベノワ - Whatever
諸事情によりSpotifyで。ロックバンドOur Lady Peaceとの共作。この楽曲のようなイントロ・Aメロ・Bメロ・サビといった構成になってる曲は入場曲用に冒頭からサビから入るようeditするケースが多いのですが、こちらは冒頭の17秒ほどをカットしたのみで、そのまま使われました。ベノワもすぐ入場を終わらせてしまうのでテレビでサビを聞くことは滅多になかった記憶があります。
また、この楽曲は元々使っていたベノワの入場曲であったインスト曲からイントロのフレーズを使いボーカルverにアレンジしたものです。
これも2000年代の入場曲の特徴でこういうアレンジは曲がパワーアップした!と子供ながらテンションがあがりました。
めちゃくちゃいい曲ですが、クリス・ベノワがプロレス史に残る事件を起こしてしまったため、Youtubeなどの公式動画でベノワの姿を見ることはできません。(Wikipediaなどに詳細は掲載されていますがきつい内容なので閲覧注意)
バティスタ - I Walk Alone
これも元々あったインスト曲をフェスターンを機にボーカルverにアレンジされました。元の楽曲もいかにも悪役って曲でめちゃくちゃ好きです。
クリスチャン - Just Close Your Eyes
今までの流れで分かると思いますが、男性レスラーは入場曲は圧倒的に男性ボーカルが多いです(多分わかりやすい強さを表現しやすいため)。その中で数少ない女性ボーカルの楽曲になっています。クリスチャンはキャプテン・カリスマというギミックでこの入場曲を利用しておりそのカリスマ具合が表現されていますね。
ランディ・オートン Burn In My Light
ランディ・オートン - Voices
2曲ともめちゃくちゃかっこいい!Burn In My Lightは若手時代の曲でクールな印象、Voicesは中堅、ベテランになってから使われた曲で渋くなってますね。
CMパンク - This Fire
メタルバンドのキルスウィッチ・エンゲイジの楽曲。この楽曲を使ってCMパンクが地元に凱旋した時の入場はWWE史上最も盛り上がった場面の一つ。(この楽曲にジム・ジョンストンが関わっているかはいまいちわかりませんでしたが一応)
マーク・ヘンリー - Some Bodies Gonna Get It
ヒップホップグループのスリー・6・マフィアの楽曲。世界最強の男の入場曲です。
ザ・ミズ - I Came To Play
ドルフ・ジグラー - Here to Show the World
比較的最近の曲。2曲ともWWE御用達のロックバンドDownstaitが演奏ています。
べラ・ツインズ - You Can Look (But You Can't Touch)
双子の女子レスラーの曲。2011年リリースらしいですが、その時代っぽさがあって好きです。
ジンダー・マハル - Sher
インド人ギミックレスラー(本当はカナダ人)のインドのラップ曲。ジム・ジョンストン晩年の曲です。
WWEの楽曲制作は2010年代半ばあたりからこの後紹介するCFO$が中心となり、ジム・ジョンストンの楽曲は少なくなりました。そして高齢で高給取りだったジム・ジョンストンはコストカットのためWWEから解雇されました。
解雇後、ジム・ジョンストンが一人でどうやって楽曲制作を行っていたのか、日本のメディアにインタビューで答えています。なかなか面白かったので紹介します。
番外編2 ジョン・シナ - The Time Is Now
ジム・ジョンストン作曲ではありませんがこの時代に生まれた名曲のためここで紹介。ジョン・シナは2000年代中盤から2010年代を代表するWWEのトップレスラー。白人ラッパーというギミックで活躍していたため、歌っているのも本人で楽曲制作は彼のいとこ。おそらく世界で一番有名なWWEの入場曲でしょう。ミーム化され海外でおもちゃにされてる曲なのでエントランスビデオ(会場で流れるPVみたいな映像)と合わせて見聞きしたことある人が多いはず。
CFO$時代(2010年代)
2010年代よりWWEの楽曲制作を始めたCFO$は2人組の音楽ユニット。ロックでダーク寄りのサウンドが多かったジム・ジョンストンに変わって少し明るめの曲が増えた印象があります。作曲家が変わったということを知らなくてもこのころから入場曲の雰囲気が変わったなと気づいた人は多かったはず。前任のジム・ジョンストンがあまりにも偉大過ぎたため最初は抵抗を感じる人もいたと思いますが、たくさんのアンセムソングを生み出しファンから高い支持を集めています。
中邑真輔 - The Rising Sun
新日本プロレスで活躍しWWEに鳴り物入りで入団した中邑真輔の入場曲。もともとアメリカでも人気がありましたがこの曲でデビューすると瞬く間に大人気になりました。入場曲もリリースされるとiTunesのサウンドトラックチャートで1位されるほどに。
WWEは下部団体にNXTという団体があり、そこで実績を積んでから1軍に昇格するのですがこれは1軍デビューの時の動画。サビの部分をサッカーの応援みたいに歌うのが恒例になっています。
のちに中邑はヒールターンして日本語ラップにアレンジした入場曲に変更するのですが、とても面白いので是非聞いてほしいです。歌詞が日本語なのは分かるけど内容が半分以上理解できなくて脳がバグります。初めて聞いた時爆笑しました。
ボビー・ルード - Glorious Domination
これもiTunesチャートで1位を記録した曲。歌詞が観客にウケてこれも一緒に大合唱するのが恒例。
Asuka - The Future
日本人女子レスラーASUKAの入場曲。WWEの女子部門のレベルを格上げした立役者で大人気のレスラーです。
フィン・ベイラー - Catch Your Breath
めちゃくちゃラスボス感が強い曲。普段は普通の姿ですが大舞台になるとデーモンを憑依させて怪物のような姿になりその入場がまたかっこいい。
サシャ・バンクス - Sky's The Limit ※WWE退団により動画削除
ヒップ・ホップ。サシャの親戚は日本ではマリファナ愛好家として知られている世界的ラッパーのスヌープ・ドッグで、この曲のリミックスバージョンを歌唱しています。
シェイマス - Hellfire
アイルランド人レスラーの入場曲。バグパイプとデカいドラムがかっこいい。
サミ・ゼイン - World Apart
テンション高めのスカ調の曲。個人的CFO$ナンバーワン曲。
ナオミ - Amazing(Remix) ※WWE退団により動画削除
ゴリゴリのダンスミュージック。WWEの入場曲では珍しい。
レイシー・エヴァンス - Like a Lady
性格が悪くイヤな女性レスラーってギミックを増長して最高です。
ストリート・プロフィッツ - Bring The Swag
観客大盛り上がりの曲。
簡単に紹介しましたがWWEはCFO$が所属するレーベルと金銭面で揉め、2020年に契約が打ち切られました。そのため、最近はCFO$を入場曲で使っていたレスラーの多くが変更されてしまう事態に。現在もWWEに所属しているレスラーであれば変更前のCFO$の曲をサブスク等で聴けるのですが、WWEを退団したレスラーの入場曲はサブスク・配信からすべて消されてしまいました。消すな!!!!!!!!
def rebel時代(現在)
CFO$の後の担当となったのがdef rebel。ネット上にいまいち情報がなく実態がつかめませんが複数人の音楽グループらしいです。曲は…正直微妙。いや、めちゃくちゃ評判が悪い。ファンからするとCFO$の好きだっ入場曲が微妙なものに変えられてしまうので反発がすごい。とは言え好きな曲もあるので紹介します。
イヨ・スカイ - Tokyo Shock
紫雷イオとして活躍していた日本人のトップ女子レスラー。WWEにあまりなかった曲調ですね。
ボビー・ラシュリー - All Mighty
引くくらいムキムキのレスラーの入場曲。ラスボス感がいい。
キャメロン・グライムス - To The Moon
株でボロ儲けして大金持ちになった田舎者というギミックのレスラーの入場曲。こういうキャラクターが反映されてる入場曲は好きです。
LA Knigt - Welcome To LA
妙に耳に残るメロディーでめちゃくちゃ好き。
入場曲として使われたポピュラー音楽
分かりにくいですが前述のようなWWEが制作した音楽ではなく、既存にある楽曲をWWEが使用料を払って入場曲として使われたものを紹介します。じゃあプロレス曲じゃねーじゃん。
ジ・アンダーテイカー Limp Bizkit - Rollin'
メタルバンドリンプ・ビズキットの代表曲。超有名楽曲ですがWWEファンからするとこれはジ・アンダーテイカーの入場曲です。前半に墓堀人のアンダーテイカーを紹介しましたが、2000年代前半に一度墓堀人ギミックを捨て、バイクを乗り回す中年ヤンキーになるという大胆すぎるキャラチェンジを行いました。
最初に登場する赤い巨人は弟のケイン、そのあとにバイクを乗り回して登場します。プロレス用にEditされてます。
Edit verは配信されてませんが、「WWF Forceable Entry」というハードロック・メタルのコンピアルバムにCD収録されてます。権利上の関係で一部の楽曲しかサブスク配信されてませんが、なかなかいい曲が多いのでお勧めです(Kid RockがZZ topのLegsをカバーした楽曲とか、Disturbedドがストーンコールド・スティーブ・オースチンの入場曲を書き下ろした曲とか)。中古で安く買えます。
エッジ Rob Zombie - Never Gonna Stop
権利上の関係でYoutubeにこの曲を使った入場シーンの公式動画は見つからなかったため曲のみ。1年ほどしか使われていなかったため、エッジの入場曲だと印象に残ってる人は少ないと思いますが個人的に好きな曲。
エッジ Alter Bridge - Metalingus
Alter Bridgeの曲。こちらも入場曲用にeditされていて、冒頭からテンションMAXで始まります。
CMパンク Living Colour - Cult Of Personality
WWEでカルト的な人気を誇っていたCMパンクの入場曲として使われました。
コーディ・ローデス Downstait - Kingdom
少し前に紹介したロックバンドDownstaitの楽曲ですが、こちらはクレジットにWWEは関わっていません。この曲はコーディが一度WWEを退団し、ライバル団体のAEWで活躍していた時に使用した曲で、その後コーディがWWEに復帰した時に同じ曲を引き継いだという経緯があります。Downstaitオリジナル楽曲でAEWのクレジットも入ってないためWWEでも使用できたというわけですね。
WWEに復帰した時の入場シーン。AEWでの活躍で以前より数段格を上げてWWEに帰ってきたためすごい歓声です。
番外編3 プロレス入場曲っぽいけど実は…
2000年前後にある入場曲でここで紹介したようないかにもプロレスの入場曲っぽいインスト曲のに、実は前述したWWEの作曲家が制作していないものが多数あります。有名な曲がこちら。
ジェフ・ハーディ - Loaded
なんとなく前半で紹介したジム・ジョンストンの曲っぽいですが、今までWWEのCDに収録・配信されたことがありません。ではこの曲は一体?
この曲の正体はアメリカのテレビ局等が利用する目的で作られたプロダクション・ミュージック(業務用音楽)だそうで、一般流通されていない音楽、とのこと。
このことはファンの間でもあまり知られていなかった気がしますが、最近、ジェフ・ハーディがWWEのライバル団体AEWに移籍した際にこの入場曲で登場し、WWE所有の音楽ではなかったことが広く知られることになりました。
ほかにも日本人レスラーのTAJIRIが当初使用していた入場曲も同じくプロダクション・ミュージックでした。
おそらく、この時期はWWEが当時のライバル団体WCW・ECWを買収し、レスラーの人数が急激に多くなったから使われたのではないか…と私は考えています。
90年台後半~00年代前半ににプロレス界を席巻したnwoの入場曲も実はプロダクション・ミュージック。
nwoはかつて存在していたWWEのライバル団体WCWで誕生したユニットで、この曲もWCW時代から使われていました。個人的にこの曲は2000年前後のプロレス界のアンセム的な楽曲だと思っていたので、プロダクション・ミュージックと知ったときは大変驚きました。
一般流通していないと言いましたが、日本においては「WORLD WRESTLING THEME LIBRARY」というCDで一部音源化されています。これはWWE公式のCDではなく、日本の会社がこの業務用音楽を所有するレーベルと交渉し実現したものだそうです。すでに絶版のため中古でもお高めのお値段ですがコアなWWEファンは是非。
終わり
いかがでしたか?何を伝えたかったかというとプロレス音楽は未知の世界だと思うし面白いよということです。
とはいえ、プロレスの入場曲は選手とニコイチみたいなところはあるし楽曲だけだとなかなか入りにくいです。WWEは以前は日本にも精力的に活動していて地上波ダイジェスト放送やケーブルテレビで日本語字幕放送などやっていたのですが、年々人気が落ち込み、コロナ禍を機に日本での放送はなくなってしまいました。もし気になった人がいましたら、Youtubeや公式Twitterで最新のダイジェスト見ながら有志が作成している日本語での解説ブログを見るのがよいでしょう。最新のでなくても2000年前後のWWEは本当に面白いので気になった人は検索するといいかもしれません。そして過去から現在までほぼすべての番組が見れる有料ストリーミングサービスのWWEネットワークに加入すればもう立派なWWEユニバースです(日本語字幕はありませんが)。
プロレスは試合以外にも紹介したような曲、ストーリー、歴史、推し活など楽しむ方法はたくさんあります。プロレス沼は深い…