二郎系ラーメン作るよ
※この記事は某鯖アドカレ用に書いた記事です。
ラーメン。それは独身成人男性がハマりがちになるもの。
一部の人間は食うだけでは満足できず何故か自分で作り始めちゃいます。
私もその中の一人になっちゃった。せっかくなので初のラーメン作りの過程を備忘録として残しておこうと思います。
今回作るのは二郎系ラーメン。クリスマスと言えばラーメン二郎。目的はラーメン二郎への解釈を高めるために。
なお、インターネットで「ラーメン二郎 作り方」と検索すればレシピや動画が山ほど出てくるので、この記事が何かの参考になる、ということは少ないと思います。作るなら私みたいな素人の備忘録よりもっといいものがある。
あとお世辞にもきれいとは言えない写真が続くので注意。
ちなみに↓は去年の記事。
多分このジャンルで日本語で一番詳しく(浅いけど)まとめた記事だと思うのでみんな読んで…
蒲田で材料調達!
東京都大田区にある蒲田は庶民の街。異様に安い八百屋さんや中国系のスーパー、賞味期限切れのお酒が破格の値段で売ってる謎の店があったりとお財布に優しい街です。
私は蒲田に住んでいるわけではないのですが、美味しいラーメン屋さんがたくさんあることもあり足繁く通っています。
今回は野菜・肉等の生物系はほとんど蒲田で調達しました。
まず行くのは肉のハナマサ蒲田店。豚骨(ゲンコツ)、豚肩ブロック(チャーシュー)、もやし、生姜を買います。
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値段を考えていろいろなスーパーに回りますが、基本肉のハナマサに行けばラーメンに必要な材料は大抵手に入るはず。
背脂もここで買おうと思ったのですが、2kg単位でしか売っていなかったため近くのお肉屋さんで購入します。
店頭には並んでいませんでしたが店員さんに聞いたら快く出してくれました。初めて行きましたがいいお店です。
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次に向かうのは吉津屋。中国系のスーパーで特に野菜が安く売られていますが、今回は野菜ではなく生の豚の背ガラを購入。
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素人なのでゲンコツと背ガラでどのような味の違いが生まれるのかは分かりませんが、やってる感は大事。
次はNewやおちょうという八百屋さん。野菜が安く、普段は先ほどの吉津屋と値段を比べて安いほうを利用しています。
購入したのはキャベツ(小さめで確か1玉120円くらい)とニンニク(小さいものが3玉で60円。状態は良くない)。写真は忘れました。
次に買うのは麺。自作なんだから麺も作るかと一瞬思ったものの、製麺機まで買う余裕はなかったので今回は市販のものを購入します。
二郎系ラーメンの麺はオーションという小麦粉で作られた麺が特徴なのですが、蒲田では手に入りそうになかったので遠出します。
豊島区の大塚駅の近くにあるなかざわ製麺。
オーション麺が店頭で売られている珍しい麺専門店で、ラーメン以外にもうどんやそばやパスタなどがショーケースにきれいに並べられていてなかなか面白いところでした。
買ったのは極太のオーション麺500g×2(4食分)で990円。写真は忘れました!
次にカエシ(ラーメンの醬油ダレ)用の醤油。
家にある醤油でもいいのですがここはこだわりたい。ラーメン二郎ではFZ醤油という二郎専用の業務用醤油を使っているのですが、これはアミノ酸液等を添加して作られた「混合醤油」と分類されるもの。
混合醤油はスーパーで探しても全く見当たらず、インターネットで検索したらヨドバシ.comでよさげなものを見つけたので購入しました。
富士甚醤油 うまくちしょうゆ
https://www.yodobashi.com/product/100000001007419762/
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舐めてみると独特の甘さがありいろいろな料理に使えそうです。なおFZ醤油には甘味料の甘草は入っていないそう。
他、ネギの青い部分(前にNewやおちょうで買ったもの)みりん風調味料、うま味調味料(味の素。本当はグルエース100%がいいのですが、業務用の1kg単位の販売しかなさそうなため妥協)は家にあるもので。
これで準備は終わりました。
ラーメン作るよ!
いよいよ本番!
レシピはこれ!といったものを参考にしたわけではなく、ネットに上がっていた集合知識を詰め合わせてあとはバイブスで作っていきます。
まずは前日に水につけて血抜き・解凍したゲンコツを下茹で。
ハナマサのゲンコツは元々カットされていましたがカットされていないものだとハンマーなどで半分に割る必要があるらしいです。使うのは3本で多分650gくらい。
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下茹で中は面白いくらいにアクが出てきたのでそれを取り除き、20分ほどしたらお湯を捨て、水を変えて再度煮込んでいきます。
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ネットに上がっているレシピを見ると圧力鍋で時間を短縮しているものが多かったのですが、私は持っていないのでじっくり煮込みます。
3時間後(写真なし)
根拠はないですがいい感じなのでほかの材料を投入します。
・豚の背ガラ(血抜き・下茹でしたもの) 350gくらい
・ネギの青い部分 2本
・にんにく 1玉
・生姜 3片
・背脂 400gくらい
・豚肩ブロック 全部(821g)
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あとは適宜アクを取りながらじっくり煮込んでいきます。
2時間ほどしたらチャーシューは一旦取り出し、醤油・みりん風調味料を2:1くらいで割り軽く煮立たせて作ったカエシにつけておきます。
時間は好みですが自分はそんなに味が染みてなくてもいいので40分ほど。
また、ゲンコツを取り出し骨の中身を見て髄を箸で掻き出します。これがうま味になるのだとか。
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ここからさらに煮込んでいくのですが煮込む時間による味の変化を見たいので時間経過で何食分かラーメンを作っていきます。
煮込めば煮込むほど水と油が乳化して濃厚でクリーミーになると言われています。
第一陣 煮込み時間6時間
私は非乳化二郎が好きなのでまずは乳化前のスープで作ってみます。
ゲンコツを煮込み始めてから6時間経ったスープがこちら。
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なんか良さそう!ネギの青い部分はぐちゃぐちゃになってたので取り出しました。
我が家のコンロは2つしかないのでもう一つのコンロでお湯を沸かし、もやし・キャベツ1枚を茹で取り出します。
さらにお湯を沸かし麺250gを茹でます。その間にチャーシュー、刻みニンニクを用意。
どんぶりはお湯で温めた後、カエシ適量、味の素小さじ1ちょいを入れます。
麺が茹で上がる直前に濾した1食分のスープを入れ、背脂を好きな分投入します。
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ビジュアルはかなりいい!
麺が茹で上がったらスープに投入。
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もやしキャベツの野菜、刻みニンニク、チャーシューを入れ完成!
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見た目、100点!
問題は味。いただきます!
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うん。しっかりと二郎っぽい味になってる!美味しい!
ただ豚の出汁感というかジャンクな味はあまりなく、かなりヘルシーな味わい。食べやすい二郎インスパイアみたいな。
カエシ・背脂・味の素の力でうまさを引き出しているといった感じ。
麺はとても美味しいのだが、この非乳化スープにごわごわした極太麺はミスマッチかもしれない。個人的に非乳化は細目で柔らかい麺が好み。
チャーシューは固すぎずしっかり歯ごたえもありまずまずの仕上がり。
総合点で言ったら70点くらいの味。
まだまだ煮込みが足りなかったのかな、ということで次のラウンドへ。
第二陣 煮込み時間10時間
とその前に8時間煮込んだところで一旦1食分をタッパーに入れ冷凍保存します。これは後日解凍して食べます。また背脂も一部取り出しタッパーに入れて冷蔵保存しておきます。
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10時間煮込んだ鍋はこちら。
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水分が減っては水をつぎ足しながら煮込んでいきましたが結構減っちゃいました。
先ほどと同じように麺を茹でながら準備をし、どんぶりにスープを投入。
…水分が、ない。
水を飛ばしすぎました。無理やりにでも濾してスープを入れ、大半は油のカスで補強。
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なんかよくわからないものになってしまいました。脂が多いからってのもありますが、最初のより大分濁ってますね。
なにはともあれ完成!
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本日2食目。
わかってはいましたが今回もスープが少なかったです。
問題は味。いただきます!
1食目よりかなり重たく濃厚なスープに仕上がっています!美味しい!
ただこれは二郎なのか…?粘度のあるドロドロしたスープは直系二郎とは程遠いものに。水分がなかったからそりゃそうだって感じだけど。
目指してたものとはだいぶ違うものになりましたが味自体は1食目よりおいしいかも。これも勉強!
第三陣 汁なしラーメン
2日目。前日のスープの最後にとれた搾りカスみたいな少量のスープを取り出し冷蔵保存したので、これで汁なしを作っていきます。
作り方はスープの量が違うだけで基本同じ。汁なしといっても二郎の汁なしにはそれなりにスープは入っています。
カエシと味の素を入れたどんぶりに温めたスープを入れます。
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麺を入れスープとよくからめ、黒コショウをふりかけ。
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野菜と肉、温めた背脂、最後に卵の黄身を入れて完成。
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うまそう!いただきます!
…めちゃくちゃ美味しい!!!!
これ金取れます。
汁なしにすることでうまさに占めるスープの出来の割合が少なくなったのが原因?とはいえ最後のスープの出来もかなりよかったのではないかと。
あとごわごわした極太麺が汁なしに最適。食べ応え抜群。
二郎インスパイアあるあるで、「(汁あり)ラーメンは普通だけど、汁なしラーメンはうまい」って店が時々あるのですが、その理由がなんとなくわかった気がしました。
自作でこのレベル作れるのは自分でも驚き。
スープに拘らなくてもカエシと麺に美味しいものを使えばいいものはできそうな気がします。
第四陣 煮込み時間8時間
3日続けで自作二郎系。
作り方はもう一緒。違うとこと言えば冷凍したスープをあらかじめ冷蔵庫で解凍、食べる前に電子レンジで柔らかくし、最後に鍋で一煮立ちさせることくらい。2日後に食うなら冷蔵保存でもよかったかな。
というわけで完成!いただきます!
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スープ入れすぎ!!!!
もったいなかったので保存したスープ全部入れたら普通に溢れちゃいました。
味は1日目より美味しく、ちゃんと二郎っぽくなってる(気がする)。
それでも物足りないのはやっぱり単純にスープの出来が微妙だからでしょう。あと3日間続けると食べたときのインパクトも薄れる。
おまけですが、最後に背脂をカエシにつけて野菜につけながら食ってみたらばバカウマでした。
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これにて全行程終了。
私は環境が許されれば二郎系ラーメンを1週間続けて食うのはどうってことないタイプの人間なのですが(実際やったことある)、3日4食を同じ人が作った同じスープを同じ麺で食うのはさすがに飽きますね。本当に美味しければ違うと思いますが。
まだ豚骨も背脂も冷凍庫に残っているので再度挑戦してみたいと思います。
まとめ!
・スープ作りは難しいけど楽しいかも。
・スープに入れるニンニク1玉は入れすぎた。ネギも1本でいいかな?
・結局スープに入れたどれがどのようなおいしさを抽出しているのかはよくわからなかった。研究が必要。
・麺選びは重要。しかし一般人が買えるオーション麺がこの世の中には少なすぎる。
・味の素すごい。
・醤油って面白い。
・背脂はうまい。
・自作ラーメンはコスパ悪いとは聞いてはいたが終わってみれば1食650円くらい(光熱費除く)。自炊にしては高いが思ったほどではなかった。
・しかし600円あればラーメン二郎三田本店の小ラーメンが食える。
・500円あればラーメン二郎目黒店の小ラーメンが食える。
・ラーメン二郎は偉大。
・ラーメン二郎は最高。
・蒲田はカスだけどいい街だよ。
おわり